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☆本#455 踏み出すこと「フィールダー」小谷田奈月著を読んで

書評家の推薦書だったので、先入観も情報もチェックせずまず読んでみた。
人の持つ善(というか正義?)と、特殊かもしれない環境にいる子供と出会った大人の関わりの話。

主人公は30代後半の男性、橘。出版社で編集の仕事をしている。冒頭は、彼がオンラインゲームをしているところから始まる。このゲームには定期的に参加していて、チームメンバーもいる。

勤務先の出版社で、同期の百瀬に久々会う。彼女から珍しく相談したいことがあると言われ、実は彼女が嫌いなことに気付くも、承諾し、ランチに行く約束をする。
席に戻った橘は、子供関係の専門家で寄稿してもらっている中年女性の黒岩先生からメールが届いていることに気付く。読んでいると、編集長の八木に話しかけられ、黒岩先生にある疑惑がかけられていることを知る。
週刊誌の記者である百瀬の相談もその件についてだった。そこで、まずが自分が確認することする、百瀬の条件で二日以内に。

黒岩先生は、虐待をうけているかもしれない子供との接し方をめぐって夫と諍い(というか見解の不一致)、彼に見切りをつけ家を出る。

橘はオンラインゲームの隊長の言葉があるときから暴力的になり、気になって個別にチャットする。20代ぐらいかと思いきや、実は16歳(もうすぐ17歳)と知る。どうやらずっと自宅にいるようで、彼の環境が気になり始める。

黒岩先生の居場所を娘に聞き、朝出向くと、ちょうど戻ってきた先生と対面する。先生の家で朝食を食べた後、先生の行きたいところへ出かける。

いろいろあって。
百瀬と話をした黒岩先生は、思っていたことを行動に移す。
一方、橘も気になっていたことをついに行動に移す。「本物の当事者に、フィールダーに」なる。


癖のある登場人物が多い中、黒岩先生だけは一貫していたような。
描写の印象と、実行後の印象が変わる。


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