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☆本#598 「出会いはいつも八月」G・ガルシア・マルケス著を読んで

著者は没にしたけど、家族の意向で出版された、認知症によって著者が執筆できなくなる直前の時期に書いたという作品。
いくつかのバージョンがあって、本作は本人が一時期OKを出したひとつ。

主人公のアナは46歳。毎年8月に母親の墓参りに島へ一人で向かう。母親は亡くなる3日前にその島で埋葬してもらうことを決めた。
アナは結婚していて、18歳の娘がいる。夫婦仲はいいので、悩みと言えば娘が修道女になりたいと言っていること。
墓参りを終え、ホテルに戻ったアナは、バーで自分を観察している男に気付き…。


著者がまだ若ければ、この作品をもう少し削ったり足したりしたかもしれない。
短編も長編も最後の展開が肝心だけど、本作もなかなか。

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