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☆本#578-580「上級階級 其の四」高殿円著、「懲役病棟」「希望病棟」垣谷美雨著を読んで

「上級階級」は、シリーズ4作目。
富久丸百貨店外商部の、バツイチでアラフォーの静緒が主人公で語り手。

年商3億を達成し、外商のトップ10に入った静緒は、菊池屋との合併により、新たな上司と部下(2名)ができる。
菊池屋出身の上司は優秀で、静緒に期待していると言いつつ会社案件の仕事までふってくる。2名の部下の指導にも時間を割かれる。本来の仕事や、顧客のお願いで関与することになった起業後の手伝い等々を抱える中、婦人科系の病気が発症し…。


最後は、次に続く展開で終わる。その展開もなかなか大変そう。サービス業の仕事は向き不向きがあるな、と改めて思う。

「懲役病棟」は病棟シリーズ3作目。「希望…」は病棟シリーズ2作目。順不同でも特に問題なし。
「懲役」の方の連載時のタイトルは「女子刑務所病棟」で4人の受刑者と、医師の香織、看護師のマリ江が語り手。「希望」は、医師の摩周湖、患者2名が主な語り手。

香織はある日、部長から地方にある女子刑務所に半年だけ常勤するよう言われる。香織は一時期暴走族だったとはいえ、お嬢さん育ちなので、犯罪者に襲いかかられたら怖いと嫌がるも、結局、看護師のマリ江と共に行くことになる。まさかのときのためにと、後輩の医師ルミ子に古びた聴診器を渡される。で、診察室で、病気の受刑者にその聴診器を使ってみたら、心の声が聞こえてきて…。


誰にでもため口で若干粗野な香織に最初は引くけど、実は人情ありのフットワークありで、結果的に4人の受刑者の役に立つ。マリ江の歯に衣着せぬもいい味出してる。香織と料理上手のマリ江とのやりとり(攻防?)もいい。


「希望…」は、香織の後輩の医師摩周湖とふたりのがん患者が主な語り手。

患者とのコミュ力に問題がある摩周湖は、ふたりのがん患者、児童養護施設で育ち学力が優秀な女子高生と、30代半ば過ぎの、元キャバクラ勤務で現在議員の妻の担当となる。偶然拾った聴診器をルミ子に使うよう言われ、そうするとふたりの心の声を聴こえてきて…。

ふたりは奇跡的に回復し、無事退院する。それぞれがやり直したいと思っていたことに向き合い…。


コミュ力低い設定の摩周湖の父親の存在が薄い…。



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