見出し画像

☆本#601「血塗られた一月」アラン・パークス著を読んで

刑事ハリー・マッコイシリーズ1作目。
3作目から読んだので、本作を読んで周りの人間関係理解。
訳者あとがきで、マッコイのことを「悪くて弱い」と書いてるけど、確かに。刑事だけど、飲酒・ドラッグは勤務中でも嗜み、幼馴染はギャングのボス。後先考えず行動する傾向があるため、ぼこぼこにされたり、意外な反撃に出たり。正義感があり、弱者を守ろうとするけど、アメリカの小説のタフな探偵のようにはいかず、少年保護施設でのトラウマから血に弱い。
1973年1月のスコットランドの治安があまりよくないエリアのグラスゴーが舞台。

1973年1月1日、マッコイは囚人のネアンに呼ばれ、刑務所へ行く。ネアンは、明日ローナという女の子が殺される、彼女は高級レストランのひとつで働いている、とだけ言う。
翌朝マッコイがローナに会う直前、少年がローナを射殺し、自身も自殺する。
その後、ネアンも殺される。

マッコイと新しい相棒のワッティーは、ローナの友人から、ローナが夜の仕事をしていたことを知る。調査を進めていくうち、大物の妨害があり…。


先日、ティモシー・ハットンが主役の昔のアメリカの刑事vs検事の映画を見たら、裏幕が大物過ぎて、逮捕をあきらめる、という勧善懲悪・ハッピーエンドが多いアメリカ映画では珍しい展開で終わった。本作も、背後に大物が出て、途中までそういう雰囲気。
本シリーズは、グラスゴーの低下層を描くが、実際、現在ではどうなんだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?