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☆本#511 ゆるく連携「つまらない住宅地のすべての家」津村記久子著を読んで

とある住宅地。語り手はそこに住む10家庭の人々。
ある日、刑務所からこの町出身の女性が逃亡したとニュースが流れ、10家族の内のひとつの家主が、周囲の住民と協力して、逃亡犯が来たりしないか見張ることを思いつく。
で、実際見張り場所を確保し、協力者と交代で見張りをすることになる。

住民が見張りをすることで交流が始まる中、逃亡者は入院している父親に会いに行く。彼女には2つ目的があった。
1つの目的を果たした彼女は、偶然いとこの少年と電話でつながり、会うことになる。

著者の作品の登場人物は全体的にいい人が多く、今回もそうだけど、それぞれ悩みがあり、不穏なことを考えていたり…。
でも、人の悩みは人により解決し、逃亡者のもう一つの目的も果たされる。
ミステリ系のように登場人物が多いけど、それぞれ背景と個性で、名前を覚えなくても見分けがつき、読後感のいい作品。



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