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☆本#599 戦後「インビジブル」坂上泉著を読んで

著者の本は初読み。
戦後、警察が自治警と国警に分かれていたころの話。
事件と同時進行で自治警と国警の廃止も進行。
ストーリーは、満州の扶桑村と昭和29年に大阪で起きた事件が交互に続く。

昭和29年。大阪城付近で政治家秘書が刺殺体で見つかる。首から上は麻袋で包まれていた。大阪市警視庁(自治警)の若手の新城は、帝大卒で国警エリートの守屋と組んで、初めて殺人事件の捜査にあたることになる。
新庄の母親は戦争で亡くなり、父親は元船乗りだが、戦争が原因で職を失い酒浸りの日々。中華料理店で働く姉が母親代わりをしていた。

親友の幸三の勧めで扶桑村で移住して働いていた男は、所帯を持ち、充実した日々を送っていたが、ついに戦争に行くことになる。ある日、変わり果てた幸三と会い、扶桑村の真実を知り…。

再び殺人事件が起こり、死体の首から上が麻袋で包まれていたことから…。


警察組織の管轄等が分離しているため、複数登場する主人公の同僚の所属もそれぞれ違っていて、根回しやしがらみ等もあって複雑。
主人公は年上の同僚に「昭和生まれは何考えてるかわからん」的なことを言われる。いつの時代も世代間ギャップって不変。



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