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生き延びて 映画「硫黄島からの手紙」を見て

戦争映画というとドロドロした残虐さが強烈なものもあるけど、これはショッキングなシーンもモノクロにすることでトーンを抑えた感じになっていて最後まで鑑賞できた。

戦争で割を食うのは庶民で、この作品ではどういう形であれ、庶民出身兵士が生き残る。この終わり方は救いがある。

オリンピックの馬術で金メダルを獲った日本人がいたことを今頃知った...。この人や、アメリカ人と交流があった人たちにとって、彼らとの戦争は心底ナンセンスだったんじゃないかと思う。そんなことわかっていても、始まってしまったら止められないのが戦争か。

フランスでのヒットは、どこがうけたのかイマイチわからなかった。日本人には「もったいない」精神があり、フランス人は古いものを大事にする習慣があり、共通しているといえばしているかもしれないけど、精神的な概念、心の動き、なにかが琴線に触れたのだろう。

「父親たちの星条旗 flags of our fathers」はアメリカ側の視点で硫黄島での戦闘と帰国後が描かれている。こっちも監督は、クリント・イーストウッド。

アメリカ側の方は、勝者として帰国した兵士たちのその後も描かれているけれど、戦争体験はむしろ苦悩に結びついているような。戦争に勝っても負けても、結局のところ精神的・身体的に多幸感につながらない。



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