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☆本#423 極限「アルファベット・ハウス」ユッシ・エーズラ・オールスン著を読んで
著者のデビュー作。
著者曰く、これは戦争の話ではなく、人間関係の亀裂の物語。
前半は第2次大戦中で、主人公らはドイツ軍につかまるのを回避するため、負傷してメンタルをやられた兵士になりすまし逃亡、後半は28年後の1972年。
英国軍パイロットのブライアンとジェイムズは幼馴染。任務で出陣したふたりはドイツ上空で狙撃され、なんとか脱出し、列車に乗る。そこで、負傷したドイツ軍将校になりすまし、アルファベット・ハウスと呼ばれる精神病院へ運ばれる。
ジェイムズは、同室に偽患者が3人いることに気付く。自分にコンタクトを取ろうとしているブライアンに対し、そいつらにばれると危険なのでひとまず避ける。しかし、3人から既に自分も偽患者と疑われており、暴力・嫌がらせを受け肉体的に、薬や電撃療法で精神的に追い詰められていく。
ブライアンはたまたま地位の高い将校になりすましていたところ、上官が会いに来ると知り、ついに脱走を図る。ジェイムズは共に逃げるのは無理だと判断し、一人だけで…。
28年後の1972年、ブライアンは医師であり、製薬会社の経営者として成功していた。帰国後、ジェイムズを探すために手を尽くすも見つからず、ドイツへは一度も行っていなかった。
ある日、きっかけがあってついにドイツのあの病院のある町まで行き、ジェイムズを探し始める。すると、脱走する際殺したと思っていた男が実は生きていたり、病院に当時勤めていた看護婦に再会するも、みなジェイムズは死んだという。
夫の行動を怪しいと思った妻は、彼の秘書に調べてもらい、ブライアンの後を追ってきていて…。
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