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泣いてしまいました
父は、94歳。9月に95歳になる。要支援2。高齢者なりに、高血圧とか糖尿病とかそういったものはかかえている。そして腎臓が弱ってきていて、人工透析にならないように、と、ぎりぎりのラインですごしている。杖もいらず歩くし、自分のことは自分でできる。やや猫背にはなってきているけど、しゃんとしていて自分で歩く。みためも若くみえる。おしゃれじじぃ。かかりつけ医のところの看護師さんたにちも、「おとうさん、若くみえるね、おしゃれね~」とよく言われる。それは、ムスメとしては、うれしい。
去年の秋くらいから、自費で車椅子をレンタルしている(要支援だから、介護保険の利用ができない)。2~3歳くらいのちっちゃい子だって、歩けるけど疲れたら、ベビーカーに乗っかって寝ちゃったりするでしょう?94歳だって、歩き疲れたら座りたい。それ、です。”クルマ椅子を押す初心者”のムスメ。がんばってます。
今年はいったあたりから、寝ている時間が増えた。「起きててもすることない」という。たしかにそうだろうとは思う。だんだんと寝ている時間がふえてきた。
もうね、体が重くて(たぶん、自分で支えられない?)、体を起こしておくのもしんどいんじゃないか、とこの頃みていて気付いた。ムスメは、つい「寝てばっかりじゃいけんよ」「起きて、部屋のなか歩くとか足踏みするとか体、動かしとかんといけんよ」などと言っていたけど、もうね、体が、いうこときかない。そうなんだと思う。
昨晩、お風呂にはいってて、のぼせた、といって、浴室から呼ばれた。なんとか自力で部屋にもどりベッドに倒れこんだ。「風呂、入らんかったらよかったのぉ~」と、はぁはぁ、言ってつつベッドに倒れこんだ。水分とってもらい、体を冷やさないように下着をつけた。しばらくして落ち着いて、パジャマを着て、ふとんにもぐった。寒い、という。毛布をかけた。夜中、なんどかトイレに起きていたようだった。
今朝は、少し早めに起きてきたので、ほっとした。キッチンで、炭酸水を飲んだ。3日くらい、ほとんどなにも食べてない。サンドイッチ、1/4を1個とか、ミニシュークリーム1個とか。食欲も落ちてきているようす。
少し貧血もあるので、ふらふらする。それと足の筋力もおちているんだと思う。ゆっくりゆっくり自分の部屋にもどり、ベッドに倒れこむ。
「養老院、はいろうかのぅ」とぽつり。
たしかに、日中、ひとりにするのは不安。わたしが留守のときに、部屋で転んだり、倒れたりしたらどうしよう。そう思って仕事にも就けないでいる。
どうしよう。どうしたらいいんだろう。考えてもわからない。だれに言ったらいいんだろう。かかりつけ医?行政?ともだち?
気づけば、ネットで、療養型の病院などをさがしていた。サービス付き高齢者住宅などさがしていた。自分の親を預けることを考えるなんて、想像もしてなかった。泣いた。声にだして泣いていた。わたし。
ずっと一緒にいてそばにいてお世話をするのが当たり前で、当然だと思っていた。施設にあずけることで、なんだか、”見捨てる”ような感情がすっごくでてきた。泣いた。ひとりで泣いた。泣き続けた。
父にとって、楽な方法がいい。サービス付きだったら、父は楽かもしれない。個室にいたら、いまの自分の部屋にいるのとあまり変わらない。体操の時間などあったら、ちょっとは父も気分転換になるかもしれない(本人はいやがるだろうけど)。
そこの事業所が、ディサービスの施設も、もっているようだったので、そこのサイトものぞいてみた。車椅子のまま入浴できる設備があった。あぁ、これなら父は楽で、安心だ。まずはここにお風呂体験をしてもらおう、という考えに切り替えた。でも、まだ泣いてるわたし。
父には、父の計画があって肉体を離れる準備をしている(だろう)。クスリを服用はしているけど、”治療をしている”という感覚ではない。だんだんとゆるやかにカーブを描きつつ、数値などが落ちていくのだろう。この1年、保っている。父、がんばっている。
にんげん。生れてくるとき、おかあさんと赤ちゃん本人も、めちゃくちゃがんばってうまれてくる。
肉体から離れるときは、ひとりだ。その時間を、その時間までの過ごし方を治療とか延命とかじゃなく、おだやかに過ごせるようにしたい。
だけど、ね。おとうさん。まだまだ、一緒にいてください。
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