未未 MIBI

羊毛を選んで纏う Sheep, 1000 species & 10000 di…

未未 MIBI

羊毛を選んで纏う Sheep, 1000 species & 10000 diversity 世界の羊の毛から、手仕事で糸を紡ぎ製品を編むニットブランド。 羊毛本来の美しさをお届けする製品を滋賀で制作しています。 https://mibi.jp Instagram|mibi.jp

最近の記事

Vol.6 滋賀 羊毛を編む

いよいよニット製品を編む工程です。「手編み」というと、そこに膨大な時間とエネルギーが詰まっている感じがしますが、実はこの工程に来るまでの方が大きいのです。全体の作業量は、仕分けして洗う工程に1/3、ほぐし紡ぐ工程に1/3、編んで仕上げる工程に1/3という感じ。編むことは、最後の楽しみです。 水通しでふわっとした糸を、棒針・かぎ針・手編み機を組み合わせて編んでいきます。羊毛の質感が活きるように、装飾のないシンプルなデザインです。ただ、身につける時の心地よさは大事にしたい。そこ

    • Vol.5 滋賀 羊毛を紡ぐ

      羊毛をほぐすの続きです。 紡ぐ工程はごほうびをいただくような、楽しい時間。羊毛は、各工程でくるくると表情が変わります。ふわふわのわたあめのような姿が毛糸になると、凛とした表情や、柔和な表情が現れて、ああこの羊毛はこんな姿になるんだなと、いつも新鮮な驚きがあります。 シート状にほぐした羊毛を膝に乗せて紡ぎます。未未では、手動の紡ぎ車を使用しています。昔ながらの手法で、足踏みと手送りを調整し、最善の太さとヨリのかかり具合を見極めることに集中します。不思議と「この羊毛はどんな糸に

      • Vol.4 滋賀 羊毛をほぐす

        羊毛を洗うの続きです。 今回は羊毛を繊維にしてほぐす作業。白くふわっとした一房(ステイプル)を崩さないようにやさしく手に持ち、カード機という道具でほぐしていきます。未未では、小ぶりなフリックカーダー(上部写真)、2枚を合わせて使うハンドカーダー、一度にたくさんほぐせるドラムカーダーの3種類を使用しています。 ステイプルを3つほどハンドカーダーに絡ませ、羊毛の向きを整えながらほぐします。とても目の細かい櫛で、絡まりやすい髪の毛とかすイメージ。 一度にたくさんほぐす時には、

        • Vol.3 滋賀 羊毛を洗う

          羊毛の選り分けの続きです。 毛糸になるべく選ばれた2.7kgの羊毛たち。今回はこれを洗います。 洗いの作業は天気の良い日に。室内にこもって作業すると、むせ返るほど羊の匂いが充満します。決して嫌な匂いではないのですが、とにかく濃い生きものの匂い。窓を開け放し、風が通る日に作業しています。 はじめに、羊毛の汚れをお湯につけて落とします。羊毛は揉むと毛が絡み合い、硬く縮んでしまいます。このフェルト化を防ぐために、大きめのネットに入れて、できるだけ羊毛を動かさないようにします。

        Vol.6 滋賀 羊毛を編む

          はじめまして 未未MIBI

          未未は、世界の羊の毛から、手仕事で、糸を紡ぎ、製品を編む、ニットブランドです。 世界に1000種と言われる多様で美しい羊の毛。羊毛本来のそのままの美しさをお届けする製品を、滋賀のびわ湖のほとりにある小屋で制作しています。 「未」は干支の羊の意。ミ・ビという読みをいただき、私たちの仕事の中心である羊を表す名前としました。 「未」は「木の枝葉の茂りゆく形」を表した象形文字とのこと。この字の成り立ちのように、羊毛の美しさが、内から引き出され、伸びゆくブランドでありたいと思いま

          はじめまして 未未MIBI

          羊毛本来の美しさを そのまま

          私たちは、世界に1,000種と言われる多様な羊の毛をそのままお届けすることを目指し、手紡ぎ・手編みという職人の手仕事で、冬をあたためる衣服を作っています。羊毛本来の美しさと性質を最大限活かすため、染色や漂白は行いませんし、装飾がないシンプルなデザインの製品です。 大型の機械や工場での生産が始まるずっと前に、古くから行われてきた手紡ぎ・手編みという手法。手仕事が主流だった時代、羊と人間は同じ場所で共に暮らしていました。利用する人間と利用される羊いう関係を超えて、生きものの尊厳

          羊毛本来の美しさを そのまま

          羊 "1,000種"の多様性

          人が羊という生きものを飼育し始めたのは、約1万年前と言われています。それまでも、人は野生の羊を狩猟して食べていたそうですが、世界のいくつかの地域で、ほぼ同時期に「飼ってみよう」という流れが起きました。その理由は、はっきりとしていません。羊を狩猟しすぎて数が減ってしまったから、人口が増えて生活が変化したからなど、さまざまな考えがあるようです。 当時の羊はアジア・ムフロンと呼ばれる品種で、毛色は黒、大きな角がありました。1万年という長い時を経て、この種から、さまざまな品種が生ま

          羊 "1,000種"の多様性

          Vol.2 滋賀 羊毛を選り分ける

          羊の毛刈り見学の続きです。 熱気むんむん、刈り取られたばかりの羊毛を、台にのせて状態を見て行きます。左が頭、右奥がお尻です。この子は、日本コリデール種の男の子。生まれて初めての毛刈りで、生後1年目の毛です。羊は若いほど、繊維が細く柔らかいそう。この子の全毛量は2.7キロでした。 羊毛は生えている場所によって、毛質が全く違います。背中は直射日光を浴びてチリチリに、お尻まわりはやっぱり汚れています。首まわりはよく動く場所なので、毛がこすれてフェルトのように硬く縮んでいたり。脚

          Vol.2 滋賀 羊毛を選り分ける

          Vol.1 滋賀 羊の毛を刈る

          厳しい冬、もこもこの毛をまとい過ごした羊たち。春の陽気、八重桜の咲く頃に、毛刈りの季節がやってきます。2022/4/13、滋賀県畜産技術振興センターの羊の毛刈りを見せていただきました。 この子は、生まれて初めて毛刈りを体験する1歳の男の子。日本コリデール種(少し雑種)です。毛刈りのプロに身を委ねて、気持ちよさそう。電動バリカンの音が響く中、なされるがままに…。なんでこんなにおとなしいの?と不思議でなりません。羊の安心感が伝わってきます。 お腹から背中に向けてちょうど半分刈

          Vol.1 滋賀 羊の毛を刈る