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Vol.5 滋賀 羊毛を紡ぐ
羊毛をほぐすの続きです。
紡ぐ工程はごほうびをいただくような、楽しい時間。羊毛は、各工程でくるくると表情が変わります。ふわふわのわたあめのような姿が毛糸になると、凛とした表情や、柔和な表情が現れて、ああこの羊毛はこんな姿になるんだなと、いつも新鮮な驚きがあります。
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シート状にほぐした羊毛を膝に乗せて紡ぎます。未未では、手動の紡ぎ車を使用しています。昔ながらの手法で、足踏みと手送りを調整し、最善の太さとヨリのかかり具合を見極めることに集中します。不思議と「この羊毛はどんな糸になりたがっているのだろう」という気持ちが湧き、羊毛と紡ぎ手の対話から、糸が産まれ出るという感覚に。至福の時間です。
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上の写真は、単糸を紡いでいるところ。下の写真は、単糸と単糸をより合わせて双糸を紡いでいるところ。手紡ぎのゆらぎが羊毛の個性を引き出すというイメージを持ちながら、羊毛一本一本と向き合います。
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紡いだ糸は40度ほどのお湯にゆったり通し、軽く絞って干します。撚り留めという工程で、糸にかかったヨリを安定させ、糸をふわっと膨らませる効果があります。真っ白な羊毛を干した姿は、まるで素麺。美味しそうです。
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「かせ」にまとめた毛糸ができました。毛糸玉になる前の「かせ」という佇まいがとても好きです。糸の表情がよく見えますし、生まれたての愛らしさがあります。すぐに編まない糸は、このかせの状態で寝かせて、ニット製品になる出番を待ちます。
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