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ネットで稼ぐ息子を持つ父親の憂い

高校生になる知り合いの息子はネットビジネスで月3000ユーロほど稼ぐことがあるらしい。友達数名とネットで掘り出し物を見つけ、付加価値を付けてそれをまたネットで売るのだそうだ。

どうやったらネットでそんなに売れるのか?とコツを聞きたいところだが、そんな私の個人的な興味は一旦横に置いておいて、10代の今そんな儲け方をして簡単にお金を手に入れることに慣れてしまったらどうしよう、と父親が吐露していた。

古着やアンティーク、芸術作品など、定価のない商品はこの世の中にはたくさんある。買いたい人が納得する価格で販売しているのだから問題はないし、今のところ稼いだお金を散財する様子もないので何も言えない状態だと言う。

汗水たらして働くことこそが真実だとは思わない。肉体労働をする人もいれば頭脳で稼ぐ人もいる。それぞれが自分に出来る方法でお金を稼げばいい。資本主義ベースの社会で生きている以上、お金がなければ生きていけないからみんなどうにかして稼いでいるのだ。

父親の心配は、息子が友達と遊び半分でやっているように見えること。遊び半分で楽しく月3000ユーロも稼げるってことを人生経験の乏しい若いうちに実感したら、最低賃金で苦労して働いている人たちがいる現実社会の仕組みを理解できなくなるのではないか。

上手くいっている時はいいけど、状況が変わって上手くいかなくなった時に努力して稼ぐ術を選ぶことが出来るだろうか、そこが心配なのだ。


貧富の二極化が進み、インフレが続いて経済が混乱している今、この時代に幼少期や思春期を過ごしている子供たちは、どんな金銭感覚を持つ大人に成長するのだろう。

昭和の経済成長から平成バブル崩壊を経験した私たちとは多分、全然違うんだろうな。

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