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大企業/有名企業に就職することの是非

なんで働いているのか。

お金のため?

もちろんそうなんだけど、自慢できるほどの給与はもらっていない(営業職でインセンティブ制なので調子が悪いとそのまま給与額に反映されてしまう)。

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社会人8年目を迎えようという段階で3社を経験しているというのは職歴的に多めなのか、はたまた普通なのかは分からないけれど。とにもかくにも私は3社目の会社にいる。

これまでのどの会社も嫌いじゃないし、むしろ好きなのはとても恵まれていると思う。そのなかでやっぱり、一番は今の会社が好きだ。

いや、正確には会社がというよりは今の仕事が好きなのだ。サラリーマンであることに変わりはないけれど、割と自由なので、請求書ひとつ送る度に上司の印鑑が要るということもない。

ちなみに新規参入自体はしやすい業界(新規参入の結果、営業が続くかは別問題)なのに、古い体質は色濃く残る、不思議な業界だ。


そんな私は同じように3社目の友人と春先に飲んだことがある。ちなみに去年ではないので、世の中の新入社員たちはこぞって懇親会を行っていた。

座敷で自己紹介を始めている真っ黒なスーツの軍団をカウンターから振り返りながらつぶやく。

”一周まわって、大企業にはいるのって新卒の就職では大事だよね。“

彼女と私は同じ大学の同級生だ。

私も彼女も就活のときから大企業には拘らずに、それは今でも変わらず、やりたいこと好きなことを追求してきた派ではある。知名度よりもやりがい、的な。

だから『一周まわって、』なのだけど。

同じ大学出身のタレントがいれば(まあ、実際にいたし、そうだった)間違いなく「高学歴」として紹介されるくらいではある国立大に通っていた私達の友人たちは全国どこの人に言っても知っているくらいの企業に勤めている人も少なくはない。勤め先の有名・無名で分類すれば、半々に落ち着くくらいだと思う、多分。

そんな中で自分達の選んだ道はむしろ好きなんだが、そういうことではなく。

結局、大企業のほうが社会人としての基本を教える研修は充実しているし、転職する際にも、新卒で大学名が重視されることもあるように企業名に着目される。物件を借りよう、ローンを組もうというときの審査だってやっぱり、上場企業のほうが有利だし。

ここでいう大企業は単純に人数が多く歴史が長い企業でもあるし、上場していて安定的な企業でもあるし、とにかく近々の業績はものすごい有望株という意味でもある。

そちらが幸せ!とも、そちらが成功!とも言わないけれど、決して不正解ではないという保証があるのが”大企業への就職”だと思う。

働き出す前の学生の段階で、自分が何にやりがいを感じるタイプなのか、どういった働き方が好きなのかなんて不明確で当然だと思う。

まあ、就活では嫌というほど、その不明瞭なところを聞かれるんだけどね。(それはきっと社会に出てからも、人に求められる答えを言える能力というのはある程度求められるからで、その有無を面接ではみているんだろうと思う。もちろんそうじゃない部分もあるだろうけど。)

もちろん、すでに夢が明確で、そのための道筋がしっかりしている人はいる。そういうしっかりした人たちはしっかりと、自分の欲望や希望に忠実に自分の信じる道を進めばいいと思う。(もしかすると、世間的にはどうかわからない企業を選んだ私たちは、それなりには自分がやりたいことや自分の好みがしっかりとわかっていたのかもしれない。)

だけどそうではなくて、自分が何をしたいのか?とか自分がどうしたら幸せなのか?とか分からないのではあれば、とりあえず大企業!という考え方も間違いではない。

むしろ、そんなふわふわな状態でも入れたのなら・・・の話にはなるけれど、絶対に損はしないはずだ。(もちろん、今どき、どんな企業だって終身雇用はあってないようなもんで、いつなんどき破産するかも分からないけれど。)

ちなみに言うが、いわゆる”大企業”に新卒で入るのは簡単ではない。

ちょっと尖った企業とは違って、普通に一般常識や教養はマストになるし、面接でうまく立ち回るような技術も必要だ。よく名前を聞く企業で働く友人たちは皆、”ちゃんと”している。それは学生のときから。とことん遊んでいても、大人の前では大人な振る舞いができるくらい成熟していたし、その証明を自分の言葉で説明できるくらいの能力は最低限もっている。いろんなバイトを経験して、友達とオールして、おそらく公にはあまり言い難いことをしていたとしても、単位はしっかり取る、みたいな器用さと能力はあった。

だから、大企業に入るのは簡単だなんて誤解で思ってほしくはないのだけどね。誰でも入れるわけじゃない。なので、たまに有名企業に入った途端に『俺、できるだろ』感出してくる人が恋愛市場にもいるけど、私から見たら、まあ、かわいいもんだ。

(あのね、たまに恵まれている人はずるいなんて言う輩がいるけれど、うまくいっているような人生を送っている人達はそれなりにしっかり努力をしていることをちゃんと知っておいてほしい。もちろん何もかも努力したうえで文句を言うひともいるけれど。そうじゃない人もいるよね。大卒をただ遊んでいると非難する人いるけど、その学費、自分で払って通っている人結構いましたよ?私立と比較して学費が安い国立大だからこそなんだけど、そんなに家庭の財力に恵まれている人ばかりではなくて、自分の努力でどうにかしていた人もいるよ。大学への進学をなんとなくで諦めたくらいの人が、大卒がいいよね〜と皮肉で言うのは本当に腹が立つ。親が大学の学費を1円も払ってくれなくても、自分の意思で大学卒になった人を知っている私からしたら、そんな文句を言うのはあなたの覚悟が足りないだけ、なのにね。と、横道にそれた話も少し。)

だけど、もし、なんにもやりたいことがなくて、特に夢もないままにサラリーマンになるのであれば、とりあえず大企業を狙ってみるべきだ。

教育制度や福祉制度の充実度は、ベンチャー企業よりは大企業のほうがしっかりしていそうなイメージはあると思うが、そういう面だけではない。単純に同期が多いというのは魅力である。

私が新卒最初に就職した会社の同期は100人ほど。

おそらく全国規模でみれば多くも少なくもないくらいであろう。だけど、100人もいればいろんな人がいる。もちろん業界的にすぐにやめる人は多い。なんなら今、連絡をとっている元同期で今もその会社で働いているのは1人だけだ。だけど、「同期として顔見知りくらいだったあの人」レベルの親密度だったとしても知っている人がいろんな世界に飛び立っているのはとても刺激になる。フリーで頑張っている人もちらほらいて、今後、会社員ではない働き方を模索している私としてはとてもためになる。

これ、もっと大企業だったら同期の数も桁違い。

もちろん、その一人ひとりと友人という関係性にまでは難しいかもしれないけれど、圧倒的に知人の数はそこで増えるはずだ。今どき、同期全員がそのまま、その会社で生涯を終えることは皆無で、それぞれの道に進むのである。そういうときに、自分とは違う生き方の人を知れるというメリットがある。(フリーに進むにしても大企業に所属していたということはある程度の評価の原因になる。それだけだともちろん、意味がないけれど。)

サラリーマンとしての生き方、終身雇用への期待が悪いとは思わないが、そうでない生き方を知るのは知識としては大事だ。これからの自分の人生への選択肢が間違いなく増える。同じ会社内だとどうしても同じ価値観に支配されがちなので、社会人として異なる世界観や価値観にふれる機会というのは絶対的に大事にしたほうがよい。

特にお客様相手の商売だと、お客様の数だけ答えがあるので、いろんな価値観にプライベートで触れておくのは仕事をする上で大切だと思う。

触れたことのない価値観への想像力は、普通に生きていてもなかなかつかない。

あとは、やはり企業力があるほうが、仕事で動かせる金額は大きい。

「大きな企業のプロジェクトのサポート役で1億円のプロジェクトを動かすこと」と「ベンチャー企業で100万円のプロジェクトのリーダーとなるっこと」はどちらが良い経験だろうか。

小規模でも自分に決定権がある状態での働きも大事ではあるが、個人的には1億円という金額でできることについての把握は若いうちにしておくべきことである気がする。

100万円なら何ができて、1000万円ならどういうことができて、1億円だと何が生み出せるのか。

それって個人レベルの起業だとなかなか実感ないからお金をもっている企業にいる利点として、そういう金額と事業規模の比例具合は学んでおくべきだと思う。

私は新卒から今まで基本的に営業をやっているのだが、扱っている金額はそれぞれだ。

1社目は1件100万前後。2社名は1件1500〜2000万で、1プロジェクトでの契約になるので1回の契約ごとに5000万〜1億ちょっと。3社目はこれまでと規模は全然違うので1回の契約で10万ほどが主流。

今の仕事が一番楽しい私だけど、やはり、1回の契約で1億のお金が動くということを経験していてよかったと思う。1億という金額でできることの可視化ができたと思っている。

お金の価値を知るというのは会社員としてやっていくにしろ、個人でやっていくにしろ、絶対的に大事な価値観だと思う。

だって、どんな仕事をしていても有形無形の差はあれど、お客様が商品へお金を払ってくれるというのはほぼ100%変わらないと思うので。お客様が払ってくれる金額に対して妥当な価値を自分は提供できるのか、それは永遠に忘れてはいけない。

これは私が今、営業で大事にしていることでもある。その対価をもらうに値する行動を私はできているのか否か。


まだまだ社会人としてはひよっこかもしれないけれど、人生の先輩として仕事選びに迷ったら参考にしてほしい考えを書いてみた。

もちろんいろんな意見があるので、どれが絶対的に正しいというわけではないのだけれども。 

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さて、最初の問いにかえろう。

なんで働いているのか?

私は幸せになるため。

自分の存在意義を噛み締めるため。

お金という可視化できるもので自分の評価を確かめるため。

大切な人を幸せにするため。


これらがワタシの働く理由。









言葉を紡ぐということはときに難しい。

なにか書きたいことがあるはずなのに、何も出てこないことが多々ある。私は何を伝えたくて物語にせよ、エッセイにせよ、文章を書こうとしているのか。




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