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再び恋人へ、続編を綴る日がやっと訪れた

別れるしかないならその選択肢を選べばいい。将来会うべきタイミングがきて、ふたりはまた出会って繋がるかもしれないんだから。

甘酸っぱさが残るこんなnoteを綴った日から三年半ほどが経った。いまでも覚えている、23歳の春のこと。

あれから月日は流れ、私は27歳に。

そして先日、私たちは「改めてよろしくね」と言葉を交わし、再び恋人へと戻った。

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簡単にわかりやすく言ってしまえば「復縁した」ということになる。

復縁、それはつまり関係性が元に戻るということ。

たしかに肩書きは「親しい男友達」「元彼」から「恋人」へ戻った。けれど付き合っていた当時の関係性に戻ったんだねと言われると、あのときとはだいぶ違うんだよねとつい言いたくなる。

この期間でお互い変わったよね、いまはお互い素直になったね、大人になったね、二人とも”付き合うこと”や”恋愛”に対してドライなんだろうなと互いに思っていたようだけど全然そんなことなかったね。

彼ともそんな話をしたけれど、同じことを思っていたようだ。

二人の関係性は当時のそれに戻ったわけではない。ときを経てアップデートされていた。

それはあの日『別れる』という選択肢を選んでから、二人がちゃんと自分自身に向き合ってきたからなんだろう。未熟だった当時の私たちは自分のことに精一杯で相手のことを置き去りにしてしまった。

やりたいことや頑張りたいことがある、けれどそれを実現するには恋人という存在は足枷となってしまっていたのだ。

でもいまは違う。

この人がいるから頑張れる、あの人が頑張っているから私も頑張ろう。お互いの存在がやりたいことや頑張りたいことを実現するための支えとなり、仕事を頑張るモチベーションとなっていた。

お互いがお互いに頑張る理由になっていた、自分だけがそう思っていたわけではないとのちに知ったときのあの嬉しさはこれからもきっと忘れないだろう。

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「恋人」という関係性に区切りをつけてからも、なんだかんだで繋がっていた私たち。

別れてからの三年半。彼のことを誰かに話すとき、どう説明すべきかいつも言葉選びに悩まされた。

恋人ではない、ただの男友達でもない。でもいちばん心を許している人ではあって、彼がいるから恋人が欲しいとは思わない。

ただ、そんな曖昧な関係性はときにふとしたことで拗れてしまうもの。

三年半の間、一年会わなかったなんてこともあれば、もう友人でさえいたくないと泣きながら長文のやりとりを繰り返したこともある。新しい恋をしようとマッチングアプリに登録してデートをしていたことだってある。いいなと思った人もいなかったわけではない。

順風満帆とは言い難いこの三年半。

だから、彼とまた一緒になれたらいいなとは思ってはいたけれど、そんな来るのか分からない未来を私は期待しないようにしていた。

でもそんな未来がいま現実のものとして目の前にある。

将来会うべきタイミングがきて、ふたりはまた出会って繋がるかもしれないんだから。

冒頭に書いたのは彼が私と別れるべきか悩んでいたとき、知り合いに言われた言葉。そのタイミングは思いもかけず突然とやってきた。

ずっとずっと聞きたくても怖くて聞けずにいた、『彼が私をどう思っているのか』ということ。

いつもどおり駅のロータリーに車を停めてもらい、電車の時間までのわずかな時間を過ごしていたとき、なぜか今なら聞けるかもと思い、気づいたら口からその言葉がでていた。

彼は私の突然の質問に一瞬驚いた表情になっていたけれど、すぐに「付き合おうか」と言ってきた。「うん。」そう私が答えると安心した表情で「俺もずっと考えてたんだよね、でも相手がはたして自分でいいのか自信がなくてずっと言えずにいた。」と話してくれた。

自信がなかったって言うけれど、気持ちはどうなのと聞いてみると、すぐに「好きだよ。」と返答が。

そうして私たちは「改めてよろしくね。」と言葉を交わすことになったのだ。

人によっては男らしくないとか、そんな告白はなんだか物足りないとか、男性側から言われたいのにとか思うのかもしれない。けれどきっとこれが”私たちらしい”繋がり方なんだろうね。

23歳の春、あのときは想像もできなかった彼との未来もいまはちゃんと考えられるようになった。一緒に暮らすこと、結婚、それも二人のこれからとして復縁をきっかけに話すように。

関係性に曖昧さがなくなった途端、私たちの距離は一気に近づいたように思える。

***

人生なにが起こるのか本当に分からないものだ。

別れてから再び付き合うことになるまでの三年半、改めて綴ることはたぶんない。彼とのことは過去ではなく、未来を一緒にみていたいから。単に書き切れる気がしないという理由もそこにはあるのだけれど。

いつか続編を書ける日が訪れたらいいな。

そう心の奥底でぼんやり思ってはいたけれど、こうしていまになって綴ることができてよかった。

好きな人が思い描く未来に当たり前のように自分がいる。だいぶ時間はかかったけれどこの日を迎えられたことが幸せだ。

もう別れないようにしよう、ずっと一緒にいたいから、お互いに嫌だなと思ったことはちゃんと口に出していこうね。

それが再び一緒に歩み出した私たちの決まり事。

あの日、勇気をだして聞いてよかった。

好きな人とこれから先も一緒にいられるように、自分事も二人事も前向きに向き合っていこう。


日々の楽しみに使わせていただきます!