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くるり in FujiRock'24 感想

 最初はフジロックの二日目に出るからという理由で聴き始めた。これまでも時々は聴いていた。大学時代にCD屋で働いてた時も売れてたから曲は知っていたし、最近もSpotifyでThis is くるりみたいなプレイリストを流して、メジャーな曲を主に好んで聴いていたけれど、どこかなんとなく自分に向けたものじゃない感というか、どっからとっかかればいいかわからない印象を持っていて、定着はしていなかった。ラストディナーパーティみたいに、知らなかったのに流れてきただけで好きになるアーティストもいるのだから、くるりみたいなバンドの雰囲気に深く触れ合ったことがなかったのかな。過去に私が邦楽で好んで単独に行っていたのは椎名林檎とzazenboysくらいだったし。よく考えるとハマらなかったのが不思議にも思えてくるけれど、観れる、っていうだけで素通りしていたバンドに引っかかることができて、今は嬉しく思う。
 少し前に暑い日の帰り道に「東京」を聴いた時に、ギターやらドラムの音が懐かしくて急に胸に迫って、それから聴き入っていた。音楽に限らず色んなアーティストが「東京」っていうタイトルで何かを発信しているけれど、大抵上京してる人が作ってるよな、なんて思っていつも見てしまう。ずっと首都圏住みの自分にはそれが魅力的なのだ。くるりのは若くて飾り気がないようなお話が面白い。
 行く前までは昔のアルバムを聴いたりしていたけれど、結構色んなテイストの曲を演っているので、あぁ音楽全般が好きなんだろうなぁと思っていた。フジロックのホワイトステージでは、一番前のエリアで運よく観れて、実際見てもあぁそうなんだ、好きなんだ、っていうのが伝わってきたようでかっこよかった。あの短時間で好きだった「ロックンロール」とか「California coconuts」も演ってくれたし。帰ってからセットリストを見返して、一曲目「奇跡」だったんだぁそりゃ聞き入るわ、と聴き直したり。
 このそっと手で触れたくらいのくるりのそんな印象が、今の自分には新鮮だった。これからたくさん聴いていければいいと思う。


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