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Noel Gallagher's High Flying Birds in Fuji Rock’24 感想

 2024年フジロックの三日目のトリを務めたノエルギャラガーズハイフライングバーズは、Greenステージを埋め尽くす満員で大盛況だった。一番好きなアーティストであるoasisの兄貴を観れた個人的感想について。

 周りにいた人たちはみんな友だと認められるほど一緒に歌っていた。フジロックが好きで、オアシスが好きな人がこんなにいると思うと嬉しかった。いつの日か、心から分かり合える人がいてくれたら、と切願したことがあった。ここにいたんだ、ここに飛び込めばよかったんだと、どうして気づかなかったのかはわからない。久しぶりのノエル達のライブだった。

 いつから観ていないのか調べてみたところ、ライブを観に行ったのは、2009のoasis、2011のBeadyEye単独ツアー、2012のBeadyEyeとノエル、2015のノエル、以降から途絶えていた。だから、今年までの九年間、私はどこか色々な場所を彷徨っていたみたいだ。そら寂しくなるな。
九年前にも知っていたつもりだったけど、それよりももっと私は本当にoasisが好きなんだな、と今わかった。

 時々、ずっと前に西新宿の裏CD屋さんで買ったDVDを見ていたし、CDを聞いていたけれど。

 2024年7月27日の土曜日の夜には、ノエルが肉眼ではっきり見える距離で歌っていたし、かなりいい音響と音圧で声が届くなんて信じられないくらい嬉しくて嬉しくて言葉も出なかった。
 あの音が、あの優しくて大好きなメロディがこう目の前でシンプルに奏でられてることが不思議で、本当に終始信じられなかった。この音って、とんでもなく難しい何かの過程を経て鳴っているみたいに思ってた。私には手に届かないものみたいな。DVDでいつも流れる、スタジアムにパンパンに入った外国人たちと同じように自分も歌ったり踊ったりしている時間が夢みたいだった。長い月日が経っていたんだなぁと思った。

 後半はoasisの曲をやり始めたけれど、正直最初はそこにリアムの声を望んだ。リアムの個性的な声は存在感があるし、オアシスはハモりが綺麗で大好きな曲がいっぱいあるから。
 2009年に初めてoasisを見た時も滝みたいな大雨で、同じように急に雨が降り始めたから、懐かしくて嬉しくて、そうしたら寂しく無くなった。あれはリアムが降らしたのかもと思っている。

 それでも、今ノエルがやっていることを大切にしたいと思った。クリスも、ゲムも、裏のレッドマーキーで演っていたRIDEのアンディももちろんノエルも、みんな歳を取ったなぁと見てて思うけれど、それでもこう当たり前のように続けてる。それが当たり前じゃないのは知っている。

 セットリストは自分がオアシスから厳選して結婚式に使った曲が、この短いタイムテーブルのライブで選曲されてたから、自分のセンスがいいと思った。ワットエバーにスタンドバイミーにドンルク。今思うと定番名曲だと思うが、え、やっぱこの曲選ぶよね?っていうアホちっくな納得をライブ中していた。

 ノエルの声って改めて聞くとこんな優しかったんだ、と思った。メロディも、コーラスも、ハモりも。散々聞いてきたはずなんだけど、やっとこの歳になって、前よりもノエルたちがやりたい事とか作りたい雰囲気を感じ取ることに目を向けられるようになったのかもしれない、なんて思う。それにしてもなんでこんなに響くんだろう。優しさとかかっこよさとかも、自分の中にある全てのものの中で一、二番を争うほど最高だった。


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