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服装史Ⅹ

ロココ期❸

フランス革命期 1789−99年

1789年にフランス革命が起こったことで貴族階級が崩壊し、人々の服装にも変化が起こりました。革命初期は革命を祝う市民や貴族はトリコロール(赤、青、白)の衣装を着用していました。一方で愛国派の貴族は、青のフロック(上着)に赤と白のトリミング(縁取り)を施したり、女性はトリコロールのカラコを着ました。

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1792年に国民公会が成立し、指導権を握ったのが下層市民からなるジャコバン派のグループであり、彼らはサン・キュロット:sans culotteと名のりました。彼らは長いズボンのパンタロン:pantalonをはき、赤い帽子に短い上着、サボ(木製のサンダルのようなもの)を履くスタイルが特徴です。

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サン・キュロットに変わって指導権を握ったのがブルジョア階級からなるジドロン派で、亡命していた貴族がパリに戻ってきたことでサロンが再び広まりました。ブルジョアの女性たちはメルヴェユーズ:merveilleuse(不可思議、風変わり)と呼ばれ、頭には奇妙な帽子、サンダル、透ける薄いドレス、長いショールなどがスタイルの特徴です。

ブルジョアの男性はアンクロワヤブル:incroyableと呼ばれ、今までのスタイルからかなり変化したスタイルが好まれました。その変貌は、かつらをせずサイドは長く、後ろはショートカット、極端に大きいラペルのフロックやルダンゴト、派手な短いベスト、フィットしたキュロット、顎が隠れるほど高く結んだクラヴァット、パンプスやブーツ、手にはステッキというスタイルとして好まれました。

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