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服装史Ⅻ

フランス第一帝政時代 1800–10年

この時代はナポレオンが指導権を掌握していたことから、エンパイアスタイルと呼ばれます。ナポレオンはフランスのシルク産業を再興させるため、宮廷の復活と共にシルクにこだわった室内用の生地を作らせました。

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ナポレオンの妻、ジョセフィーヌがデザインしたとされる宮廷衣装は、シルク時にアンピール様式のデザインが金銀糸で刺繍されたドレスの肩に長いトレーン(引き裾)がつけられ、えり回りにはレースが飾られています。刺繍を施したトレーンは宮廷衣装のステイタスを示す手段として各国王室衣装に取り入れられていきました。

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男性の服装は、飾り気が無く、グレーや紺色といった比較的地味な色が用いられたスタイルが広まりました。フロックやテール:コート(tail coat)、ベスト、長ズボン、トップ・ハット(top hat)の一式で体型美を表す仕立ての良いデザインが正装として好まれました。このスタイルはイギリス社交界で生まれたダンディズムが影響しています。ダンディズムとは服装の装飾による美を大切にするのでは無く、日々の鍛錬による肉体の美しさと、体にフィットする仕立ての良さを求める考え方です。この服装精神は、ロンドン社交界の花形ボー・ブランメルから生まれたました。

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