ハインリヒ・シェンカーとは?

はじめまして。うのみおと申します。
ピアノを演奏しております。またピアノ教室の運営も行っております。
どうぞよろしくお願い致します。

突然ですが「ハインリヒ・シェンカー」という人物、みなさんご存知でしょうか?


正解は…!
19世紀末〜20世紀にかけて生きた、オーストリアの音楽理論家です。

私は大学時代「ハインリヒ・シェンカー(1868-1935)」についての研究を行っていました。彼は「シェンカー理論」と呼ばれる自身の音楽理論、分析手法を提唱した人物で、彼の分析理論は当時を鑑みると非常に画期的なものでした。シェンカー理論は第二次世界大戦を機にアメリカに亡命した彼の弟子らによって、主に英語圏で「シェンカー風分析(Shenkerian Analysis)」として発展、実践されるようになりました。

学生時代、研究で着目していたのは、シェンカーは演奏実践に関する論文「Die Kunst des Vortrags」(未完)を執筆し、出版しようとしていた事実についてです。様々な理由により、結局完成はせず存命中には発表されませんでしたが、その後シェンカーの弟子らによって纏められ《The Art of Performance》として出版されています。

ハインリヒ・シェンカーによるピアノの演奏解釈とは如何なるものか、《The Art of Performance》はあくまでシェンカーが残した演奏に関する言説をまとめたものであり、体系化された演奏論が述べられているわけではありません。そして現在日本における《The Art of Performance》の研究は、演奏法として紹介するに留まっています。

ピアニスト、そしてピアノ教育に携わるものとして、シェンカーの理論やシェンカーの演奏解釈を、より実践に落とし込むことはできないか。演奏家がより自由に理論と演奏実践を行き来するためのヒントがあるのではないかと考えています。

過去より演奏家が実際に理論を演奏に反映させることは困難な課題とされてきました。そのような考えからの脱却を目指し、シェンカーの分析手法から、実践への落とし込みへの糸口を模索していくために、日々の学びをここに記録していきたいと思います。

それではまた。

⇩是非ご覧ください!
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