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今日は2022/6/28の日記「お嬢様部だったり大喜利サークルだったりする」


・お嬢様部だったり大喜利サークルだったりします。

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・先月のNHKテキストは『存在と時間』だったのですが、ここまで分かりやすく書かれているとかえって意味の分からないことが多いなというふうに思いました。というのも私は先に竹田青嗣のハイデガー入門を始めとしたハイデガー哲学を読んでおり、ある程度理解が進んでいたからです。

・ハイデガーから術語を取り除くと急にダサくなるというのは正しいと思います。実際、人々に分かりやすくするために書かれたNHKテキストの内容は、おもしろいけど生温かかった。体温の低い人間の口内くらいの温度です。結局は目の前の死を意識して俗から離れよということだし、まあなんというかタイトルと書き方を変えたらアドラー心理学みたいにダサいバズり方をするんだろうなという確信がある。

・彼の思想でシンパシーのあるところは、時間と実存の関係を説くところです。私たちは過去を引きずりながら未来に倒れ込んでいく生き物である、ということですね。これをもうちょっと丁寧に難解に三十倍くらいの長さで書いています。ニーチェだとこの辺りで超人を引き合いに出して種の保存を言い出すので、そうしない点がえらいと思います。

・昨晩のツイート(ほとんど覚えていない)に「人は大著を読めば読むほどアフォリズムに走るようになる」とありますが、これはなんというかそうだろうなという気がしますね。たとえば私はハイデガーに出会う前から「人生は生の延長でなしに死の延期である」と言っていますが、これはハイデガーで言う「先駆」の概念だし、とすると私が先述したことを長く言えば言うほどハイデガーに敗北することになってしまいます。私がハイデガーに勝っている点は「文章の短さ」だけです。

・そう思うことは少なくありません。哲学書を読めば読むほど、ああこれもうこの人が言ってんだなっていうことを思い知らされます。ゾンビだって唯我論と似ているし、博愛主義は愛さないこと、というのもシモーヌ・ヴェイユがもっと丁寧に言っている気がする。こうなったらもう二度と本は読まないで、すべて私が発明したみたいな顔をしていた方がよいかもしれない。

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