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半フィクション半ノンフィクション

いっそこのまま死んでしまおうか。

そう思った。

スマホは無くしたし来週テストだし受験は合格した後で特に思い残すことはないし。


方法はどうしようか。出来れば痛くないのがいいな。

あーーーでも睡眠薬とか練炭とかだと分かりやすく自殺だと思われるのか。

全国放送でなんも知らんヤツらに「こんな理由で死んだ馬鹿がいるのか」と思われるのは気に触る。

というか大した理由でもないのに死んでしまったんじゃない。

この世が大した理由ではないのに手放せてしまえる程度の世界だと思ってるから死ぬのだ。

そういうことを声を大にして言いたいものだ。

何かしら理由があって死ぬ人間もいるだろうし、精神の消耗でふとした時に自死を選んでしまえる人間がいることがココ最近ようやく明るみになってきた。

しかし、みなその人自身やその人の身の回りを変えることばかり考えて世を変えることは考えない。

大した理由でもないのに死ぬなんて馬鹿だと声に出す人もこの子にとっては大した理由なんだと叫ぶ人もいるのに、この子にとっては大した理由で死んでしまえる世の中であったのかと嘆く人は見たことがない。

これは由々しき事態だと言えるのではなかろうか。

うーん。やっぱり死ぬのはやめにしようか。その嘆く人の1人として、いるやもしれぬもう1人達と世に嘆きを伝えるために。

今回死ぬのはやめてみようかなぁ。


でもスマホは見つからないんだよなぁ。
どこやったかなぁ。



うーーーーーーーーーーーーーん、やっぱり死のうかな。

よし死ぬか。

じゃあどうやって死ぬかだよなぁ。

事故……死にそびれた時地獄だな。

飛び降り。上に同じ。

んんんー、もうなんか局地的に隕石とか落ちてこないかな。

コンビニ行ったら強盗犯に刺されたりしないかな。


……………………考えるのめんどいな。
帰るまでに死ねたら死ぬか。生きたら生きよう。







次の日、スマホが上着かけの下に落ちているのを発見した。

#創作大賞2022

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