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インド旅の記録①「同じ人間とは思えない」


いつかは行ってみたいなぁと思っていた国、インド。

自分の好みなエリアではないだけに、
実現はいつになるかわからないくらい放置された思いが
2024年、新たな年を迎えたその瞬間に、突然タイミングはやってきた。


姉からの出発3週間前のインド旅へのお誘い。
3日ほどナヨナヨして迷って、紙に行く理由を行かない理由を書き出してみたら心が決まった。

”行く。インドに行くべきタイミングがきたのだ”と悟った。(たった3日の旅です。)

募るワクワクとイライラ、
心穏やかでいられる方法


1/29の深夜、ついにインドコルカタに入国。
バラナシ行きの乗り継ぎ時間で、早速チャイを飲むと、
うんまぁ!!
「うお〜、旅が始まる〜!」ってワクワクが高まる。
ベジタブルカレーパイもインドらしく激辛で。
やっぱりその国らしさを表すのは食だなぁ。


姉とバラナシ空港で合致し、空港を一歩出た瞬間に迫り来るインド人のタクシー運転手の方々。
「どこまで行くの?」「いくらだよ!」と止まらぬ声
街でタクシーを降りるや否や、
「ホテルはどこ?」「連れってあげるよ!」と永遠のキャッチ

姉はそれを”ご提案好きなインド人”と言った。


タクシーの横スレスレをすれ違う人やバイク。
0.1秒も静けさを許さない重なり合うクラクションの音。

姉はそれを”国民全員B型たちのご挨拶”と言った。

これらの、あまりにも丁寧で耳心地のいい表現のおかげで、何度心穏やかさを取り戻せたかと思う。


噂の火葬場、安定の詐欺


ゲストハウスで少しだけ休んで街へ。
やっぱりガンジス川の迫力はすごい。
友達におすすめしてもらったラッシー屋さんに向かう狭い路地がこれまた超カオス。

ラッシー屋さんに着くもローカルすぎてお腹が心配になり、姉の顔色を伺って言う。
「ちょっと、、、やめとく?」
友達には申し訳ないけど、友達が旅人のプロなだけだと思う。


のんびり歩きながらガンジス川に向けて歩いていると火葬場が見えてきて。
ザ、観光客の私たちが見ていいものなんだろうかと躊躇していると
むちゃくちゃナチュラルに現地民に話しかけられ、火葬場についての興味深い話を聞きながら、奥へ奥へ案内してもらった。

<ガンジス川火葬場のプチ豆知識>

・焼く前に布(4種類あり、老若男女による)で覆われた体ごと一度ガンジス川に浸け清める
・1時間乾かし、その後焼きに入る
・3時間焼いたら、男性は腎臓?女性はお尻の部分が最後に残り、その約3~5cmの塊を持って川へ流される。
・焼場にもカーストがあり、下の方(川に近いほう)から3段階に分かれ、上層は屋根付きの高いところエリア
・木は、臭くならないようにパーム木が使われる


30分ほど案内をしてもらった最後に、
「体を焼くには木を買うお金がいるから貧困層のために募金してくれ」と。
なるほど〜、と思いながら金額に迷ってたら姉が
「本当にちゃんとそれに使われるのかな?」と
そこで初めて、あ、わんちゃん詐欺なのかと気づく。
結局ツアー代として、詐欺であってもどっちでもいいくらいの募金をしてその場を後にした。

のちにネットで調べるとやはり詐欺であると書いてあり、現地の人の日本人婚約者からもそう聞いた。

シンプルに悲しい気持ちと、
ただ、きっともし先に詐欺の案内人であるとネットで調べて知っていたならば、
声をかけられた時点で追い払って、上記に記したような知識は得られなかったと思う。
奥へ奥へと進み、実際に運ばれていく人体をこの目で見ることはなかったと思う。



同じ人間とは思えない。生まれる場所が違うだけでこんなにも違う

夕方、人だかりになっている謎な宗教セレモニーを鑑賞した。
とにかく人が詰め詰め、全く理解できない儀式が1.2時間ほど続く。
きっと本気で信じていなければ、若者はTiktokを見出しそうなほど不可解で退屈なのに
みんなその儀式に手を合わせ、じっと見つめ、必死にカメラを向けていた。


ひっそりとしたインド料理屋さんに入り、姉と一日を振り返る。
濃かった。あまりにも濃い1日で、身体中が刺激でいっぱいいっぱいで、
目の前のカレーもあんまり食べられなかった。
「1日目どうだった?」と尋ねてくる姉に、言葉を選ばず即答。

「生活スタイルや価値観が違いすぎて、同じ人間と思えなかった」

どちらが優っているというわけではない。
ただ、あまりにも”違う”が多すぎて
猿とチンパンジーがいるように、
見た目の形が一応一緒(頭とか体があるとか)くらいしか共通点がなかったんじゃないかな、なんて思う。
大袈裟かもしれないけど、本気でそう感じた。



ホステルに帰る道中、外は暗くて治安も悪いはずなんだけど、
人の目や声に刺激を受けることがなく逆に気が楽で夜の散歩を楽しんだ。
「誰かに邪魔されない道中って最高、行きたい道を真っ直ぐ進めるって最高。」と、
明日からまた待ち受けるご提案の嵐が脳内を駆け巡りながら、眠りについた。

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