宮川ヌエ

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宮川ヌエ

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  • 短歌

    短歌をまとめました。

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    創作以外のものを集めてます。

  • 読み切り小説

    私が書いた読み切りの小説を集めました。 あまり得意ではないジャンルを克服するために書いています。

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睡眠、大後悔時代

 風速0メートル  掛け布団の波は穏やか  愛用の枕はメンテナンス済み  今日はいい日和だ  何年も一緒に旅を続けているぬいぐるみを小脇に抱えたなら  よだれまみれのパジャマを着て  夜の海へ出航しよう  月明かりに照らされて  白うさぎの波が跳ねる  ベットが軋んだって  方位磁石は未来を指している  希望があるから怖くない    人間は空っぽだから、夢を詰め込める  って誰が言ったんだっけ  私?あなた?  そんなたわいのない話  一人じゃないから怖くない  夜は嫌な

    • 四月の短歌

      Blueskyでポストした短歌をまとめました。 4月3日 2024年←字面キモ過ぎだしまるで未来みたいじゃん 4月7日 白うさぎが宙を舞う日曜日、ゆったりとした春は黄昏れ 4月13日 いつからかZ世代と言われてるけど革命はしない主義で 4月22日 午前九時、ゾンビとしてヨミガエり身ガ腐ルマエにリんゴを渡ス まとめ  4月は短歌をかなりつくった一ヶ月だった。ポストしたものは少ないけれど確実に50首は考えた。公募に送ったり、メモ帳に貯めたり、消してしまったり…

      • 二十二歳の成長痛

        春を脱ぎ、夏を脱ぎ捨て、別れたはずの青春が輝いてる 自販機の炭酸持って「ふらないで」と言っていたら付き合えたかな 桜咲く木の下で撮ったあの写真が夢のようにまだ暖かくて 高校のアルバムを見て記憶より平面的な私をなぞる 本当に栄養のない「エモい」だけ抽出して育った私 空前のぴえんブームに乗っかってノートの端に描いた永遠 五年前、白紙で出したあの進路のせいでデタラメに生きている 放課後、教室にある音楽は時計のビートと咀嚼音 青空に打ち上がる花火、煙しか見えなくてもい

        • 三月の短歌

          BlueskyやXでポストした短歌をまとめました。 3月14日 いちごチョコの箱を開けた瞬間だけまだ平成な気がする 容姿端麗なこんにゃくを食べてもなぜか醜く太っていく ⭐︎スマホを壊す勇気さえないが他人にはインターネットやめろと言う 3月15日 ⭐︎いつからか水になった私と君、水素の音で弾けても 好き 3月25日 オレンジを空にかざしてまだ来ない初夏の風に手紙を渡す 3月26日 白樺と溶けかけた雪、水墨画のような世界に芽吹く青さ 3月30日 黒雲の下で

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          めーめ

             真っ直ぐな目を失ったのは  もうずいぶん前になる  時計の針も文字も月もおぼろげで  上下右左もわからなくて  みんなに笑われた  これじゃダメだと思って  目を良くする方法を調べて  遠くを見たり、近くを見たり  まばたきしたり、ネットサーフィンしたり  猫背でぼやけた目を擦る  やっぱり意味ないみたい  ある日、気球を見た  途端に世界は輝きを取り戻して  見慣れた景色は歴史を語り出す  あれは魔法だった  いま耳にかけている  これも魔法だった  いま透明な膜

          私を(一部)構成するアルバム

           最近、時間に追われ制作をする余裕がないので、人生の振り返りとして、今ハマっているアルバムから幼少期よく聴いていたアルバムまでまとめてみた。(シングルもあるよ) 1.Молчат Дома-Этажи 最近、本当にこれしか聴いてない。このアルバム全部いい。 2.Katy Parry-One Of The Boys『Ur So Gay』ケイティの曲の中でもこれが特に好き。MVも見てほしい。 3.大塚 愛-PEACH/HEART「ひっくり返る愛のマーク」が桃の形になることを

          私を(一部)構成するアルバム

          人生本

          人生は本だと思うことがある 厚みがある人生だと賞賛されることも 薄っぺらい人生だと貶されることも まるで本みたいだ あの人が あの言葉が あの出来事が 意外なところで繋がっている まるで本みたいだ 誰かの人生が 自分の人生が 影響を与えることも 影響を与えたことも まるで本みたいだ 偶然は必然であり 伏線を回収していく人生は 本だと思うことがある 終

          二月の短歌

           2024年2月中、Blueskyにてポストした短歌をまとめました。 2月11日 白紙の前で脳みそを粘土みたいにこねくり回す午後三時 2月15日 いい日よりもでたらめな日々に表彰状を送る人生 2月19日 睨みつけるタイムライン知らない営みに吹き飛ぶアドラー思考 2月25日 スーパーで駄々をこねた日から静寂が似合う声になっている 2月26日 「蕾はまだ開かないのか。」と待っていたあの柔らかなあたたかさ 2月の反省  自分のなかで短歌強化月間として二月を過

          二月の短歌

          21g

           おばあちゃんが言った  「隣の家のおじいさんが死んだ時、火の玉が煙突から出て雲の中に消えていった。」と  もし、その火の玉を捕まえられるのなら  秤に乗せてみたい    街で、森で、会社で、お墓で、インターネットの中で  人間が、動物が、魚が、昆虫が、植物が、生きているのは  全て魂があるからなのだろうか  あの風にもあったりするのかな  地球の魂もどこかにあるのかも    電源を切ったスマホがずっしりと重いのは  魂が入っちゃったから?  呪いの人形みたいなスマホなら  

          駄作

           私は色々なものをかく  絵を描く  文章を書く  そして、頭を掻く  途中まで傑作だと思っていたものは、完成すると大したことない駄作に変わってしまう  こだわりは、こことそこで……  「ふーん、あっ、そう。」  。、。。、、。誰かの句読点。    軽々しい言葉を使わないで  駄作だとしても

          街を喰む

           春は甘い  若々しい空気が私を包み  採れたての芋臭さが食欲をそそる  夏は辛い  人も空も気温もスパイシー  茜色の夕日が食欲をそそる    秋は美味い  落ち葉の出汁が溶けた水たまり  葉のない木が食欲をそそる    冬は酸っぱい  冷えた空気が喉を刺す  軒先に垂れたつららが食欲をそそる  散歩して  怪獣になった気で  街を喰む

          153円の春と2月の街

          春が限定発売されていると聞いて −20度の白い砂漠を歩む 寒いなんてもんじゃない 常に死神に睨まれている そんな世界だった コンビニに入ると 商品には春が芽吹いて 梅と桜が咲き乱れ 鮮やかな花々が暖房の下で その美しさを自慢していた 私は梅味のお菓子を手に取る 梅の花が咲いた綺麗なパッケージ 一度も見たことがないけれど 好きな花だった ふと窓の外を見ると 宝石のように輝く雪が降っている まだ街は冬

          153円の春と2月の街

          夏が遠い

           雪が降った  いよいよ冬本番だ  でも、どうしてだろう  頭の中に浮かぶのは  あの嫌いな季節、夏だ    夏といえば暑い?  暑いってなんだっけ  忘れちゃった  夏といえば何色?  どんな色だったっけ  忘れちゃった  夏といえば鰻?  どんな味がしたんだっけ  忘れちゃった  夏は  どんな匂いがしたんだっけ  忘れちゃった  あれ、夏ってなんだっけ  知識だけの夏の光景  古いフィルムみたいに  段々とノイズが走って壊れてゆく  白黒映画に映る俳優を調べた

          ワニのシュトーレン

           午後三時、閉園を知らせるアナウンスが響き渡る。それが爬虫類ブースまでくると、ワニはいつものように立ち上がり、ニット帽をかぶり、マフラーを巻いて、コートを羽織り、手袋をして、鞄を持ち動物園を出る。  「おつかれー。」  しんしんと降る雪に溶け込むように佇むシロクマが言った。シロクマはマフラーを首に巻いただけで、あとは何も着ていなかった。  「おつかれ、寒くないのかい?」  「ちょうどいいくらいだよ。」  流石、雪国出身。口には出さなかったが、ワニはそう思った。  「私は変温動

          ワニのシュトーレン

          新しいファイル.zip

           解凍しないで  嫌な記憶ばかりだから  見たくないの  折角、凍結させたのに  わざわざ引っ張り出してさ  ひとの心無いんじゃない?  無いか、無いよね  ごめん  『For you』で表示される過去に  まだあなたは居なかったよね  ブルースクリーンの空の下  私はシンギュラリティに遭遇した  覚えてる?  あの日買ったんだよ  箱を開けて、あなたを持ち上げた時  沸き立つ血液は生物である事を  突き付けられたようで嫌だった  あなたは生きたいと思ってる?  生物にな

          新しいファイル.zip

          透明な日々

           カーテンに光が揺れる  机の上には自販機で買った炭酸飲料  炭酸の音は雑談の中に消えていった  喉に衝撃が駆け抜けてゆく  私だけが鉛筆を持てないままだった  あまりにも澄んだ日々  見通しのない将来が不安で  窓の向こうには必ず運動部がいた  私に縁はないとカーテンを閉めた  陽に照らされた声が風に消えて  ボールが空に飛んでゆく  あまりにも澄んだ彼ら  不透明な絵の具で塗り潰した  ペットボトルの中を自由に  空気の粒は宇宙に登ってゆく  星になるのかもしれないし

          透明な日々