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[大学]物理の人でも役に立つ化学の教科書,有機化学&物性論ヘルプな方向け

イントロ モチベーション

わたしは物理学科出身です。
物理・数学がいまでも大好きです。
大型書店にいけば、数学と物理の書棚に寄ってしまいます。

その"数学と物理"の隣には、化学コーナーがあります。
最近まで、この隣接する化学コーナーへ行ったことがありませんでした。

というのも、化学が嫌いでした。

もともと、学生時期は化学が苦手でしたし、興味を持てませんでした。社会人になって、学び直しをしてからは、「化学もありだな」と考えるようになりました。むしろ、いまでは面白いと感じます。
※ 後日記事を書く予定です。

こんな、"物理と数学"ざんまいのわたしですが、
化学もみておけばよかった教科書をセレクトしてみます

というのも、物理のわたしからみて、使える化学の教科書はたくさんあるのです。失礼な言い方申し訳ありません。化学の人は、化学というメインの専攻があるわけですし、"物理と数学"にそれほど注力できる余裕はありません。そのため、化学のための"物理と数学"をちょうどいい塩梅でつまみ食いしているんです。このつまみ食いが、意外に"迷える物理学徒"にも美味しいのです。

有機化学

大学の化学では、有機化学がもっとも書籍が充実しています。化学分野の人気度をわたしは詳しくは知りませんけど、傍からみてそうわかります。そのため、有機化学の教科書は、それぞれに難易度や内容にバリエーションがあります。それらの中には、物理学の側面からでも興味深い内容が載っています。

上級者向けとされる有機化学の教科書の定番です。この本は、分子軌道論で議論が展開されるのが特徴です。(大学)化学での原子のイメージは、量子力学や物性論を学んだ人からすれば、貧弱に感じなくもありません。しかし、この本では、物理の人からみても安心できる原子・分子の扱い(分子軌道論)がなされているのです。ただ、有機化学の最高峰の教科書だけあって、メインで取り扱われる有機化学の内容は難しいです。まずは、上巻のはじめ辺りを参照してみましょう。
※ 分子軌道論は化学では量子化学に分類されます。(後述)

(大学)有機化学を通して学ぶのであれば、こちらを使われたほうがいいでしょう。

こちらも、物理の人から見ても妥協できる、原子・分子イメージで説明されています。またブルースは生化学(分子生物学)寄りの記述になっているのも特徴です。これは、わたしが生化学(分子生物学)をやりたかっただけの基準ですけど。化学・生物の本は非常に厚いです。1000ページ越えはざらにあります。そのため、多くの書籍を参照しながら学ぶことは不可能です。目的にあう書籍を始めから選び、最小コストで消化していかなければなりません。将来的に分子生物学を知りたいのであれば、ブルースを選びましょうってことです。「ボルハルト・ショアー現代有機化学」「マクマリー有機化学」もありますが、これらの特徴はなんだろう?

大して「物理ための」とはなりませんでしたね。
※ 有機化学だけを扱った記事を書きたいと思っているのです。

次は、物理でも活かせる分野です。

固体化学

※ 物性論、固体物理学をここでは固体物理と表記します。

「固体物理」ではなく、「固体化学」です。数式がほとんど出てこない固体物理といっていいです。固体物理のように理論重視ではなく、具体的なマテリアルに特化しています。「数式がほとんど出てこない」のですが、固体物理の必須項目である、結晶構造やバンド理論、伝導、磁性は当然取り扱われています。そのため、数式をあまり使わず解説され、具体例が豊富なんです。この特徴は物理の人にも有用です。

この本、化学の人には有名な本らしいです。1989年出版ですが、いまでも売れてます。「キッテル固体物理学」を、数式を少なめにし、解説を多くしたような本です。固体物理がつかみ取れていない人には、非常に参考になる書籍です。ただ「キッテル固体物理学」ほど固体物理全般を扱ってはいません。

固体物理の応用例として参照できる本として、

数式は載ってはいますが、計算過程はなく、結果だけが書かれています。一見わかりにくそうですが、固体物理を一度なりとも学んだ方であれば、まとめを読んでいるようで、逆にわかりやすいです。特にウエストでは物質での例が豊富に扱われており、理論計算しかしていなかった人には、その理論の実例をみることができ、大いに参考になるはずです。

無機化学も固体物理の応用例として利用できます。無機化学の定番は

です。固体化学との違いは、個々の元素に着目している方が無機化学です。「シュライバー・アトキンス」では無機化学の基礎部分である、原子・分子構造が、固体物理の本よりも詳細に説明されています。本の大部は各々の元素についてであり、こちらは辞書的に使うのがいいかと思います。どこを開いても面白いのです。

わたしはコンパクトなこちらも使っています。

今日はこれまで

この記事に追記するかもしれませんし、新しい記事に書くかもしれません。

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