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小松菜の夜

特に旬ではありませんが、いつでもスーパーに鎮座するこの小松菜がわりと好きです。
もちろん、子どもの頃は好きではありませんでした。
今ではそれがいいのですが葉物野菜のあの若干残る苦味が嫌でした。
年齢はそんな事も克服させてくれました。
いつもは胡麻和えのおひたしか、油揚げとで煮浸すのですが、中華風にしてみました。
冷蔵庫にあった豚ひき肉と厚揚げ、中華だし、オイスターソース、少しの砂糖で味付けです。
どうしても水分が出てきますから厚揚げに片栗粉を少しまぶせました。

小松菜の茎を齧っていつも思い出すのは母の作ってくれたおひたしです。
小松菜もホウレン草も母の作るおひたしはクタクタでした。
主菜ではない副菜です。
職業婦人であった母が忙しいなかわざわざ作ってくれる二品目に感謝をしなければならなかったなと今になって反省します。
男の私が料理を始めて気付いた事にそんなことがあります。
母ばかりではなく世の女性に感謝します。

でも、昨今のセンシティブな世の中でこんなことを言う事が『セクハラ』だと非難されるんでしょうね。
でも私は構いませんよ。
それが母の思い出であり、食への感謝につながるのです。

作り、考え、食べて感謝する。
そんなセットを享受できるようになったことの方が映画館で割引を受けることが出来るようになったことよりも嬉しいのです。


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