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日々考えることのはなし

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毎日考える何か、何かが引き金になり考える何かを綴ってみました
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2021年2月の記事一覧

『昭和の匂い』を残す少年

このnoteの記事でに多くの人の人生と多く人の考え方に出会います。 そして私も考えnoteにnoteします。 人の書いた文章でさまざまなことを考えるのは俳句を作る時に与えられる『兼題』と同じです。 noteでの私の琴線に触れる文章に誘われ、以前の投稿を思い出しました。 夏井いつきが選者をされている松山市公式俳句投稿サイト『俳句ポスト365』への投稿です。 俳句の創作は私の過去の記憶の捜索でもあります。 こんな時間を作ってくれる俳句と夏井いつきに感謝しています。

冬に美味しい『さかな』

還暦を昨年迎えたが、若い頃から魚料理をする機会に恵まれた。 大学に入学するまで魚市場の仲買で働いていたことがある。当たり前であるが魚屋の朝は早い、寒くて汚れてまあまあ危険も伴ういわゆる『3K』の仕事だった。 その分、実入りはよかった。先輩方も気前よく飲みに遊びに連れて行ってくれた。夜遅く朝早いショートスリーパー向きの仕事であった。 季節ごとの美味しい魚をたくさん食べさせてもらえた。新鮮なものを生で食べることが一番ではないことも教えてくれた。 この頃から干物が好きになっ

昭和の釣りの思い出

私の育った愛知県東三河はその先はアメリカ大陸へ続く太平洋、内海の三河湾に面し、そして背後には南信州を控える自然豊かな温暖な地域である。 子どもの頃仲間で連れ立ってよく釣りに行った。 釣れても釣れなくてもよかったのである。釣りが目的ではなく、そこにいることが目的だったのである。 夏井いつきが選者をつとめる松山市公式俳句投稿サイト『俳句ポスト365』で一昨年前に出された冬の季題が『鮃』であった。 季語という不思議な記憶再生装置に呼び起こされた私の記憶を投稿した。 ここ大

椿の花のいさぎよさ

街中でツバキをあまり見かけなくなったような気がする。 私が子供の頃、昭和のあの頃はよく生垣にツバキが植えられていた。 堅い実で何にするわけでもないのに、通りすがりに勝手にとってポケットに入れていたものである。 『椿』は春の季語である。 しかしながら『寒椿』は冬の季語である。 いつまでも初心者の私に俳句創作はなかなか難しい。 夏井いつきが選者をつとめる松山市公式俳句投稿サイト『俳句ポスト365』の兼題に昨年『寒椿』が選ばれた。 いつものように記憶再生装置である季語

『ボートレース』は競艇ではなかった

家内の作った玉子のサンドイッチをかじりながらこの文章を書いている。 思えば家内には苦労をかけるばかりで好き勝手な人生を歩いてきた。 あの年も大晦日まで仕事と称して『夫』としての機能を果たすことのないまま思うがままに生きていた。 あの頃は朝まで仕事や、飲んで帰れなくなることもあった。サウナによく世話になった。 でも、私はサウナが嫌いである。 サウナ自体が嫌いなわけではない。サウナにまつわる思い出が辛いのである。 しかしながら、昨晩このnoteで知り合ったボッチトーキ

通天閣は六五歳

写真は大阪天王寺から見る通天閣である。 以前の商売柄、こんなことが気になるのだが通天閣の竣工は1956年(昭和31年)、今年65歳なのである。 人間で言えば高齢者の仲間入りである。 私より4歳年上と知るとなんとなく親近感が湧いてきた。 いつもならば週二回この風景を見ながら合気道の稽古に行くのだが、このコロナ禍でしばらく休みにしている。 稽古と言っても口だけで教えているのでたいして体は動かさないのだが、全く動かさないのは体に悪い。 特に還暦を意識しだした頃から体調の

『色鳥』でおもいだす

父が他界してもうすぐ10年になる。 父もゼネコンで働いていた、腕のよい技術者だったと皆言った、そして父は家にいなかった。 父は高度成長期の勢いとともに幸せなサラリーマン生活を謳歌し生きた人間である。 今では考えられない明るい未来を信じることの出来た時代であった。 寒い寒い冬に父は他界した。 寒さが父を思い出させるのである。 二年も前の俳句投稿サイトへの投稿文章である。 兼題は『色鳥』、色鳥は秋の季語、秋に渡ってくる美しい小鳥のことを言い、花鳥とも言う。 この俳

ボソボソ教会 と 無言館

へんてこなタイトルである。 不思議なことがあった。 このnoteを始めて3週間、初対面であるフィリピン在住のAkira Yoshikawaさんから昨日フォローをいただいた。 趣味の写真を通じてフィリピンの歴史的建造物や教会について紹介されている方である。 パラパラと記事をめくると『ボソボソ教会』で目が止まった。 どこかで見た教会の前景なのである。 でもすぐに長野県上田市にある『無言館』だと思い当たった。 五年以上前に、ある思いがあって当時信州の大学にいた息子とともに訪

ありし日の我が家の『トラ』

美しいものを愛でて

美しいものが好きである。 それは花であり、宝石であり、文章であったりする。 美しいものは感動を与えてくれ、時には心を癒してくれる。 ここで出会う若いサラリーマンたちに以前の自身を重ねる。 私にもこわいものなど何もなく己が思いで突き進む時期もあった。 しかし歳を重ねるごとにどうしようもない現実に遭遇するようになる。 徐々に1たす1が2でなくとも息が出来るようになり、理不尽を理不尽と感じなくなっていった。 その代りに毎晩浴びるほど酒を飲み、暴れてケンカもした。 その頃は花

兼題は『春の夕焼け』だった

遅くに帰り、一人パソコンに向かい『俳句ポスト365』の発表の週であることを思い出した。 お便りコーナーをみて「あぁ、」と声が出た。 もともと俳句のたしなみは無く、大学合気道部の先輩に誘われて始めたのだ。 いまだに先輩方の言葉に逆らうことは出来ない。 この先輩にはずいぶん世話になり義理がある、10年も前に脳梗塞で寝たきりとなり動く指だけで器用にipadを扱い私に指示を飛ばしてくる。 企業戦士として闘い癒えることのない傷を負った。 出来る限り、手足となろうと思っている。 二週間

思い違いの思い込みのはなし

子どもの頃からそそっかしく、思い違いや勘違いをする事が時々あった。 社会人になってゼネコンに勤めて、営業に籍を置く前に現場事務をやっていた。 毎月業者さんへの支払いのために請求書を受け取りまとめ、出来高と合わせて工事竣工時の精算予想をしなければならない。 コンピュータなど建設現場の事務に入って来る前の事だ、書類の全ては手書きで、全て手計算でやっていた。 思い違いの思い込みはその中にある支払い一覧表である。 安全用品を扱う会社で『セーフティトップ』という一読で業務内容を判

稽古はじめます

大阪府も緊急事態宣言が前倒しで解除と決まった。 三月から稽古を始めます。 まだまだ不可測なことはあるでしょう。 しかし、コロナも私たち人間も自然界に生を授かっている仲間です。 必要なことはしましょう。 マスク、手洗い、消毒を。 帰ったらまた繰り返し、うがいもしてね。 合気道の稽古場でお借りしているレンタルスタジオまで、たどり着けるか心配で(ウソ!)仕事を終えて、ひさ〜しぶりに天王寺までやって来ました。 まだ解除前なのに人はまあまあいましたよ。 皆