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コンセプトの言語化は、Webディレクターの重要な仕事

コンセプトの言語化はWebディレクターの重要な仕事です。制作における数ある工程の中でも、センターピンのように重要な業務の位置づけにあります。

コンセプトを言語化するという作業は、制作着手前にクライアントへヒアリングするところから始まります。コンセプトを決める要素としては、目的、課題、ゴール、ターゲット、強み、などです。

サイトのあるべき姿を想像して、8割程度は言語化して進めるべきですが、制作中にデザイナーやエンジニア、マーケッターなどと議論しブラッシュアップして完成させていくことも重要になります。

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01. Webサイトのリニューアル目的を設定

営利企業のサイト制作の場合、目的のほとんどが、「売上をアップしたい」や「ブランディングしたい」となります。

シンプルに言語化すると、「売上アップ」といった一言で終わってしまうので、弊社のような制作会社の場合は、「中小企業から指名で問合せや依頼をもらいたい」「大手企業から安心して依頼できる会社という位置づけで問合せをもらいたい」のように目的をもう1段階掘り下げると、よりメッセージ性の強いサイトになります。


02. リニューアル前のWebサイトの課題を抽出

「課題=リニューアルを行う理由」になります。クライアントはこれらの課題をクリアにするためにリニューアルを行いますので、「Web解析で明らかになった問題として、離脱率が高く回遊率が低い」や「競合他社とサイトの掲載内容が似通っていて他社との差別化の訴求がない」のように明確に言語化し、クライアントとディレクター以外の制作に関与する人たちにもしっかり共有する必要があります。


03. リニューアル後のゴールを明確に設定

「お問い合わせ獲得件数は15件、そこからの受注率が33%以上の質であること」や「KPIとして、制作実績、会社概要ページを含む4ページ以上を閲覧するユーザーを増やすこと」のように具体的に設定します。

業種にもよりますが、検討期間が長い商材(Webサイト等)では、施策からお問い合わせの結果が出るまでに2~3か月のタイムラグがありますので、具体的な結果とその予備軍を計測するKPIなどを設定しておくことをお勧めします。


04. クライアントにアピールする強みを抽出

漏れなくダブリなく言語化することが必要です。自社の強みや特長に気づいていないクライアントも多いので、協業調査や丁寧なヒアリングにより、言語化してあげるのもディレクターの大切な仕事です。


05. ターゲットの立場がイメージできる人物像を設定

ペルソナとしてもう少し具体的な人物像を設定することもありますが、一般的なビジネスを展開している場合は、その企業が狙うターゲットやセグメントを言語化すれば十分かと思います。


06. Webサイト全体のイメージを設定

サイト全体のイメージになります。アクセスした人たちに、デザインで、ページで、言葉で、サイト全体を通して抱いてもらいたい印象の言語化です。

弊社でいうと、「クリエイティブに期待できそう」「専門性が高そう」「結果にこだわってくれそう」等のいわゆるシズル感の部分になります。


07. サイトコンセプトやキャッチコピーを設定

サイトコンセプトとキャッチコピーの定義は、「サイトコンセプト=この企画をやってみたいというイメージが湧く言葉」、「キャッチコピー=デザインや制作の軸となる言葉」としています。

特にサイトコンセプトはリニューアルの方向性なので、その言葉を聞いただけでワクワクするようなものであることが重要です。


08. まとめ

3~4か月の長期間にわたるサイト制作には、クライアント側も制作側も多くの人が関わります。進行していく中で個人的な好き嫌いや主観などで、「こちらの写真がいい」「この色がいい」といった話になってしまうことも多いですが、上記のようにきっちりと言語化できていると、「自信ありそうな色使いはどちら」「覚悟が感じられる写真はどちら」など、主観ではない視点で議論できます。サイト制作は言語化が命です。



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