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緊急依頼 大型不明兵器破壊  ジャンクスター戦記より

発 プラネット・オブ・インフィニティ 第三情報部
宛 レンドアラ・オルタフィン

緊急依頼です。当社偵察ドローンの観測により、廃棄された幸星公社のコロニー跡地で隠蔽された大型の陸上艦と見られるものが発見されました。
貴方には可及的速やかに現地へ向かって頂き、データ採取後これの破壊を依頼します。
今回、幸星公社支配域深部であることを考慮し、開発中の強襲用パッケージが無償にて貸与されます。

良い返答を期待しています。

☆☆☆

アルテラ7、エリアAE-9。二大コーポ支配域境界付近。
陸上輸送艦のハッチが開いてゆき、画面がほんの一瞬のホワイトアウトの後、砂礫の折り重なる荒野が眼前に広がる。
『背部パッケージロック。コントロール移譲。そちらはどうですか』
「異常なし。ケーブルイジェクト。なんかこう、見た目はミサイルの先に磔にされる罰ゲームみたいだな」
『はは、怖い』
手元の計器はオールグリーン。機体ヒールのロックが外され俺の愛機「AD-パルスアート」は滑るように外部甲板へ進み出た。
腰部散布機雷ユニット接続。肩部無誘導ロケットユニット接続。機体前部フェアリング装着。
「あー……手持ちはライフルをくれ。両方だ」
『え? でも今日は対地攻撃仕様ですよね?』
「いいんだよ。なんか“騒ぐ”んだ」
『rogrog』
バトルライフルをツインで把持。
「レン、出るぞ」
その判断は、当たることになった。

☆☆☆

無人サーマルキャノン砲弾が迫る。慣性制御デバイスが暗黒色に発光し、水平方向きりもみ状に俺のパルスアートが機動しそれを躱すが、次に、次にと砲弾の仮想射線が俺を捉える。
「キリがねえぞコラァ!」
フェアリング喪失により空気抵抗は激増。想定される陸上艦は目の前だが、すでに強襲用パッケージの噴射限界は近かった。
『! 敵陸上艦、動きます!』
「建造中じゃなかったのか!?」
『確認。艤装は完璧で……は……なん……!?』
真横にロール回避すると共に、俺は装備をパージし急上昇。迎撃VLSミサイルを纏めて射抜くと共に、件の陸上艦を見下ろした。
「な……」
そこには、巨大な……あまりにも巨大な上半身を生やした陸上艦が鎮座していた。

【続くのか?】

資料費(書籍購入、映像鑑賞、旅費)に使います。