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展示会デザイン成功のポイント5つとデザイナーの役割

はじめまして。ログラスでデザイナーをしています、Moekaと申します。
昨年、幕張メッセで開催された「Japan IT Week 秋」にて初めてのブースデザインに挑戦しました。

開催期間中は「ここのブース素敵なので写真を撮らせて欲しい!」「目が引かれたので立ち寄ったんです」などと嬉しいお言葉をたくさんいただきました。(設計してくださったSUPER PENGUIN様のお力があってこそ!)
まだ知名度の低いスタートアップ企業として、信頼感のある印象と企業のブランドイメージを残すことも達成できたと思います。

どのようにして結果を出せる展示会ブースを作っていったのか、デザイナー視点のノウハウとして綴ってみます。
ちなみに私はWEB・グラフィック・UIなどのデザイン経験はありますが、展示会デザインは初心者です。これから展示会デザインに取り組むという方の参考になれば嬉しいです。

背景

企画・戦略や展示会の申し込み、小間位置の検討など全体のマネジメントをしてくれたのはマーケティング部です。責任重大な役回りに大感謝!
ログラスの展示会出展は数回実績がありましたが、今回は6小間というかなり広いスペースを確保しての出展でした。
準備期間は約1.5ヶ月(施工会社決定〜開催日まで約2ヶ月)

関わったメンバー
・マーケティング部
・呼び込みと商談をするセールスメンバー
・名刺や進捗を管理してくれたインターン生
・デザイナー(社員2名、業務委託1名)
・設計・設営業者

この展示会での取り組み・目標
「インバウンドで質の高い商談につなげる」ことに挑戦。
・積極的な呼び込みは行わず、興味を持ってくださった導入対象の方々に最善の対応をする。
・声掛け・デモ実施から、確度の高いお客様には初回商談まで行う。
・少ない人数(コンパニオンなどもいない)で活気のあるブースをつくる。


展示会を成功に導く5つのポイント

01|デザインすべきものを整理する

まずデザイナーチームが取り掛かったことは、「デザインすべきものはなにか」を決めることです。

  • ブースの壁面

  • パンフレット

  • ノベルティ

  • スタッフのユニフォーム

  • デモ画面

そして、どこにどれだけ時間を割けるか整理しました。
過去の展示会で利用したパネルやチラシを流用することもできましたが、全てのデザインを新しく作り替え、トータルデザインすることで大幅なクオリティアップを狙います。

02|ブース設計で戦略を練る

本展示会は日本最大のIT展示会といわれています。
ログラスはその中でも最も大きい小間数を、出入り口にわりと近い良位置に確保していました。
なんといってもそのような規模での出展は初めてだったのでプロのお力を借りるべく、いくつかの制作会社にお見積りとプレゼンをいただくところから始まります。

社内で検討を重ね、人間の行動心理を突いたご提案をしてくださったSUPER PENGUIN様にご協力いただくことに。(細部へのこだわりに大変共感しました)

かなり緻密な模型も作ってくださり、想像がとても膨らみました

SUPER PENGUIN様の薦めで、目立つ(展示会では珍しいため)白ベースの壁面デザインに決定しました。
そして「インバウンドで質の高い商談につなげる」ことをかなえるためのブースの型が決まったら、壁面ごとの果たす役割を考えながら細かな要素を考えていきます。
入口付近から見える箇所にはアイキャッチやタグライン。
人通りが一番多い正面や、通りすがりに目につく場所に入れるべきコンテンツ。
内部での説明時に見せたいポイントなど。
約10箇所それぞれに適した情報は何か、人の流れをシミュレーションしながら整理していきました。

【ブースデザインの一部となるパンフレット】
パンフレットは外壁に差し込み、ブースの一部となるようなデザインに。
ログラスのコーポレートカラーである青い表紙にすることで、「青いクジラの会社ね!」というイメージも持ち帰ってもらいたいと考えました。

白いブースのアクセントとなる真っ青な表紙

全てのクリエイティブに全力で挑みたいですが、リソース不足が課題として上がります。(これはいつもぶちあたる壁である)ということで、私が尊敬してやまないグラフィックデザイナーに副業を依頼し、パンフレットの制作は全て委託することに決定。足りないリソースの確保に成功しました。

03|ノベルティとユニフォームについて

ノベルティの役割はいくつかあると思います。

  • 集客や名刺交換を促すための等価交換

  • 数をばらまいて認知度向上を図る

  • ブランドイメージを高める投資

などが挙げられますが、当初、積極的な呼び込みをしない我々にノベルティは要らないのではないかと考えました。
とはいえ、全く声かけしないわけではありません。
興味を持って足を止めてくださった来場者に声をかけるタイミングで、手持ち無沙汰になってしまうのではないかということも懸念しました。
さらに、インバウンドを意識したときにブースに入ってくるきっかけや魅力となるものをなにかしら置いておきたい。

結論として、紙袋を作りました。理由は以下3つ。

  • 声かけチームが数多く所持していても邪魔にならない

  • 広げれば自立するためブース内に飾りやすい

  • 来場者に持ち歩いてもらうことで宣伝効果を図る

ただ、このノベルティが出展効果に貢献したかと問われたら…..NOです。
「可愛い!欲しい!」という声もいただき嬉しかったのですが、そもそもバッグというノベルティを配っている企業が多い。
他社の一番デカくてカッコいいバッグに内包されて終わりです。
これは学び。(そもそもの想像が足りなかった反省点)

手持ち無沙汰の心配も杞憂でした…トークスキルが全てをカバーしていました。(すごいんです、うちの声かけチーム!)

次回は、贈呈後の長期接点に活かせるようなノベルティを考えたいです。

ブースの引き立て役になった真っ青な紙袋

大奮発して制作した紙袋なので質と見栄えは良く、個人的にはお気に入り。社内でも好評なので、他の機会に活用することにします。


次に、ユニフォームについて。
お揃いのTシャツで企業の色を出すことを当たり前のように考えていましたが、SUPER PENGUIN様からアドバイスをいただき、ジャケットやそれに準ずるオフィスカジュアルに統一しました。

ユニフォームを統一しなかった理由は2つ。

  1. いかにも”スタッフです!”という人たちが固まって声かけしていると威圧感がでて来場者に避けられてしまう

  2. 早朝やお昼時など来場者が少ない時間帯は、サクラとして紛れることができる(本当は秘密にしておきたかったポイント)

とくに、②はかなり有効だと思います。
スタッフしかいないようなブースは人気がなく敬遠されがちですが、常にお客様がいるブースは、自然に立ち寄りやすい雰囲気になります。

※今回のような「積極的な呼び込みをしないログラスの施策」の場合です。名刺の獲得数を伸ばしたり、商品説明やセミナー開催に特化させたりする時には、ユニフォームを統一して活気と雰囲気作りをするのもアリかと!

しかし、弊社はオリジナルTシャツ大好き人材が勢揃いしているので、チームワークとモチベーションを上げるために展示会限定Tシャツを制作してメンバーに配りました。笑
こういった「やる気に満ちたチームの雰囲気づくり」への投資も大事だと考えます。

04|現地でのデザイナーの役割とは

【設営時】
パンフレットやノベルティの設置、スタッフルームの設備などをマーケチームと仕上げます。
現地での作業で、やっと足りないものにも気付いたりします。
忘れがちな備品も含め、メモ↓

備忘録
・掃除機(数日間に及ぶ場合)
・ゴミ袋
・除菌類
・文房具(紙、ペン、はさみ)
・養生テープ、ガムテープ、油性ペン(貼り紙をしたり各自飲み物に名前を書いたり)
・名刺管理ボックス
・棚、机、椅子(スタッフルームで使用)
・電源、テーブルタップ
・各種充電器
・ネットワークは有線を推奨!

【当日】
開催当日もスタッフとして参加。
全体を見渡して「ブースの外観・内観の見栄え、空間の雰囲気が常に良い状態を維持すること」を徹底しました。

  • パンフレットやノベルティの数は足りているか。

  • 並べ方はどうか(実は綺麗に並べるよりも乱雑に置いてある方が手に取りやすいという人間の心理を利用してランダムに並べたりした)

  • (当たり前ですが)ブース内は綺麗に保たれているか。

別の視点もあります。
マーケやセールスのメンバーはお客様の対応や数字の目標を常に追っているため気を張っているし、日常とは違うイベントということもありアドレナリンパワーでどうしても頑張りすぎてしまい、知らないうちに疲れが出ていることも…。
そうなる前に、しっかりと休憩をとってもらうことも大切にしました。

とにかく、来場者に好印象を与えられる空間づくりを意識して観察していました。
現場での気付きは、次回のための振り返りストックとして専用のSlackチャンネルにすぐ投稿できるようにしていたのですが、これはとても良かったです。

05|毎日の振り返りを行う

3日間の開催期間中、毎日閉館後にスタッフ全員で反省会しました。
「ここの導線が動きづらかった」「この声かけは効果的だった」「あそこは誰かがフォローした方がいい」など、翌日に向けた話し合いです。
そこから得た改善点をもとにオペレーションを変更したり、資料の配置を変えてみたり、机上の空論でどうにもならなかった部分を現場で組み立てていきました。
少しの変化で動きやすさが格段にUPするので、現場の声の大切さを身に沁みて感じました。

デザイナーひとりでは限られた成果しか得られない

たくさん試行錯誤しましたが、まだまだ出来ることはあったなーと反省点は山積みです。(スペースを有効に使い切れていなかったかもとか、壁面はもっと情報整理して大きさも工夫できそうだった…などなど)

当初想定していた通りに機能しなかった点も多々あります。
展示会終了後には全体の振り返りを実施し、参加していた社員全員から様々なフィードバックもいただきました。
自分では気付かないような視点でのコメントは、多種多様な職種のメンバー全員の力が揃っていたからこそ得られた財産です。
大きな成果を得るためには、デザイナーひとりで抱え込まず、周りを巻き込みながらアクションしていくことが重要なのではないでしょうか。

おまけ(個人的に大変だったこと)

今回、限られた色の中から壁の色を選択せねばならず、コーポレートカラーとの融合に悩みました。
統一感を優先するためにこれまでのCMYKカラーは一度捨て、ロゴの色を変更することに。
壁の色を基準に、ノベルティの紙袋はPANTONEから近いものを選び、その色をCMYKに変換して微調整をしたものでロゴを作り直しました。
(無限と思われる色味と睨めっこ状態で、何が本物か見失いかけました…)
結果、以前よりも印刷物に適した高級感のある色に落ち着いたので大満足。
ノベルティや、名刺などにも新しいCMYKカラーで展開しています!

青:C100 M92 Y0 K0/黒:C20 M0 Y0 K95

We are hiring!!!

ログラスでは、デザイナーはもちろん、全職種にて採用絶賛強化中です!
少しでも興味があれば、ぜひカジュアルにお話させてください。


Loglassのプロダクトデザイン(デザインシステム)についてのnoteもありますので、ぜひ!


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