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デザイナーがカスタマーサクセスチームに入ってとろとろに融けるまでの道のり

この記事はPLAID Advent Calendar 14日目の記事です

はじめまして、PLAIDのデザイナーの右田 @miggy です。PLAIDでは #coffee の店長をしています。現在ラテアート猛特訓中です👨🏻☕️

今回、KARTEのUIデザインを担当していた自分が、カスタマーサクセス(以下、CS)チームへ移籍し、デザイナーとしてCSへどのように取り組み、何をやっている / いたのかを、お届けしたいと思います。

潜伏期 - カスタマーサクセスチームの取り組みを知る

自社のCSチームの取り組みについて把握していますか?

自分は恥ずかしながら、「クライアントさんをKARTEを通じた成功体験に導く取り組みをしている」「オンボーディング、アカウントプランニングといったチームに分かれている」といったような、非常にざっくりとしたことしか把握していませんでした。

CSチームに入ろうと思ったのは個人のWillやデザインチームとしての判断があったからですが (ここは長くなりそうなので、またの機会に記事にできたらと思います!)、CSチームから要望があって移籍したわけではなく、ある種、唐突に移籍宣言したため、明確な役割は用意されていませんでした。

チームの状況を把握できていない、役割が用意されているわけではなく、他にデザイナーもいない、そんな状況下なので、情報はすべて自分でキャッチアップする必要がありました。まさに手探りのスタートでした。

圧倒的な情報不足 😇

情報をキャッチアップするために最初に自分がやってみたこと

- 参加できるチームミーティングには、すべて参加
- CSチームメンバーの近くに席替えし、リアルタイムでチーム状況を確認
- チームに関する社内ドキュメントは、ひたすら読み漁る
- CSチームと過去に一緒に仕事をしていたデザイナーに状況確認とヒアリング

これらはデザイナーである自分が何をすべきか、何ができるかを整理する目的で始めた取り組みでしたが、CSチーム内にデザイナーがいるという認知の向上にもかなりの効果がありました。


低迷期 - 特定業務にフォーカスしきれないジレンマとの戦い

CSチームはミッションごとにさらに小さなチームに細分化されています。その中でデザインの力で貢献できると判断したのがオンボーディングチームでした。

オンボーディングチームは、KARTEユーザーの立ち上がりを支援する役割を持ったチームです。主に導入プログラムの設計、運用を行っています。プログラムはKARTEの概要・仕組みや基本機能の操作方法、活用方法や振り返り方法などを理解してもらうという内容になっていて、セミナー形式で開催しています。

この導入プログラムを再設計すること、セミナーで使用する資料の質をあげることで、オンボーディングの確度は上がるだろうと感じていました。すでにプログラムは設計されていたので、当面はプログラム内容に大きな変更を加えることなく資料の質をあげることにフォーカスすることにしました。

やることは明確になっているのに、ここにジレンマポイントがありました 😱

👉🏻改善サイクルがリアルタイムに回る

プロダクト開発のように一定期間フォーカスし、腰を据えて開発していくスタイルとは異なり、オンボーディングの導入プログラムはプログラム実施単位(週単位)で改善していました。この運用サイクルに合わせることが難しかったのと、局所的な資料の改善 = 本質的な資料の質をあげる、ことに繋げられず、結果的に資料の改善はスタックしてしまいました。

👉🏻CSチーム全体で見るとルーズボールがいたるところに転がっている

フォーカスするとは決めたものの、CSチーム全体としてデザイナーがやるべきことは他にもあり、やらなくてもいいことはほとんどありません。オンボーディングチーム以外のチームのことでも、事業成長に必要と判断したことは対応するようにしていました。ルーズボールを拾い続けたことで、フォーカスに集中しきれない状況を自ら作ってしまっていました。一方で様々なビジネスメンバーと良い関係性を作ることができ、今後アクションする上での土台作りができたことをポジティブに捉えています。

遠回りしてしまい、「低迷期」としていますが、今振り返ると自分にとって必要なプロセスだったなと感じています。「CSチームの取り組みを知る」の解像度がさらに上がりました。改めて腰を据えてオンボーディングチームへコミットすべきと思えたことが、一番の収穫だったと思います。

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ここまででオンボーディングチームでの大きなアウトプット・成果はありません 😫😫😫

低迷期の終盤、CSチームの編成が変わり、オンボーディングチームなのは変わりませんが、人数が5名から3名に変更になり、新体制で導入プログラムを再設計することになりました。

導入期 - ファウンデーション(土台)を作り、オンボーディングチームをドライブさせる

新チームでは、これまでの導入プログラムを振り返り、定量 / 定性データを元にオンボーディング卒業条件を定義し、それをもとにプログラムを再設計していきました。

再設計の詳細については、ここでは触れず、ビジネスメンバーとどのように作り、関係性を築いてきたかについて触れたいと思います。

私自身はビジネスメンバーと同じチームで仕事をする機会は、これまで多くありましたが、現在のチームメンバー(2名)はデザイナーと同じチームで仕事をしたことがほとんどありませんでした。

この状況で陥りやすいのが、以下のようなケースです。

相互理解がない場合、共通言語・認識がないことで発生するチーム内でのポジショントーク。
本人はそう思っていなくても、相手にはそう伝わっていることも多く、そこから徐々にお互いにとって居心地が悪くなり、関わりを避けるように役割を完全に分断し、実態としては別のようなチームになる。

※ あくまでも個人の経験による意見です

こうなると、お互いの生産性を向上することが難しくなっていきます。なにより残念なのが、せっかくのビジネス×デザインのシナジーを得る機会を失ってしまうことです。

デザイナーが社内受託になるというよくある話には、実は上記のような背景があることも多いように思います。社内受託にならないような動き、環境づくりを自ら作りにいくというのは、他職種と仕事をする上では、特に意識して行動する必要があると思っています。

お互いの境界を出来るだけ曖昧な状態にし、ビジネス×デザインが生まれる環境をつくる 😤

個人として意識してやっていたこと

- これまでのオンボーディングチームの取り組みを否定しない
 - 感情的でない、適切なフィードバックをする
- 無理に自分(デザイナー)のフィールドの話に持っていかない
 - 最初はあえて流れに身を任せてみる
 - 出来るだけデザイナーとして振る舞わない。要所はしめる感じ。
- デザイナーではなく、同じオンボーディングチームのメンバーと認識してもらう
 - ビジネスメンバーがやっている導入プログラム講師を自分もやる宣言😱
 - スキルの一要素としてデザインがあるくらいの感覚を持つ
- 出来ること・やること・担当することの範囲を最初から決めない
 - プラスになると思ったことは、デザインに関係なくチャレンジする
 - いつかデザインに還元できる日が来ると信じる

特に他職種とチームをスタートさせる時には、相互理解・信頼関係を構築することを意識しています。頭ごなしに(デザイン観点での)主張をしたり、やり方・進め方に不平不満をいうより、まずはチーム内でわかりやすく成果をあげることが信頼に繋がり、その積み重ねが次の取り組みに活きてくると信じています。この人は〇〇が出来る・やってくれると実際に業務を重ね、認識してもらうことは、説明するよりもはるかに強いです。良い関係性であることでビジネスメンバーからのフィードバックも集まりやすく、それに対する議論も活性化していきます。

こうなると、自然と自分がやりたいこと・主張が当たり前に通るようになり、そこにビジネス視点が加わり、シナジー効果が生まれてきます。

今まさに、その状態になるべく、ファウンデーション(土台)を作っている最中です。つまりドライブさせる準備が整いつつあります。

成長期 - より深くデザイナーがCSチームに関わる環境へ

導入プログラムは新プログラムに移行しました。プログラムはメンバー全員で設計し、資料は自分が担当しています。毎週導入プログラムのセミナーを開催していますが、ビジネスメンバーが当たり前のように講師をしています。チームで作ったプログラムで自分が作った資料を使っているのに、自分は講師をしていない…

プログラムや資料の改善点をダイレクトに感じることができる環境があるのに、それにチャレンジしないのはあまりにももったいない。ということで導入プログラムの講師をやると宣言しました。

そして、その講師をやる日が年内に決まっています😊

ココロノジュンビガ...

講師をやる必要があるかは正直わかりません。ただ、一度も経験していないのと一度でも経験したのでは、見える世界は変わると思っています。さらに、この行動がオンボーディングチームのデザイナーとしての認識からオンボーディングチームの1メンバーへと変わっていくことを期待しています。

チーム内に深く入り、職種関係なく融けている状態、そんな状態をベースとし、CSチームでデザイナーが活躍できる環境をこれから作っていきたいと思います。

まだ一人です🤯


うまく伝わったでしょうか

少しでも共感するポイントがあって、CSチームで一緒にチャレンジしてみたいと思えた方、お待ちしております。

まずはお話しからはどうですか?

それでは、ごきげんよう👨🏻


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2019/12/23 追記:続編も書きました 



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PLAID Advent Calendar 2019 15日目は、ごえさん(@g0e)による、「JSON Schemaのすゝめ」です。


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