平均年齢70歳の男の料理サークルで講師をしています。②講座のレシピ

とても重い気持ちで引き受けた市民センターの講座。
それもシニアの男性向け。

私は主婦向けの、それもお洒落なものが好きな女性に響く料理が得意分野。
イタリア野菜のプロモーションのためのレシピを企業から依頼されて作ったり、インバウンド向け動画のスタイリングをしたりもしています。

シニア男性は全くの分野外です。
正直、何を作ったらいいのか、全く思いつきませんでした。


「告知に早速反応して何名かお申し込み頂きましたよ」
打ち合わせの時に職員さんから言われました。
「中には自ら申し込みにいらした方もいますが、奥様が申し込んで行かれた方もいます。どちらかというと奥様に促されて来る方が多そう。」

やる気のない人に教えることほど難しいことはありません。
ましてや好みの分かれる「食」です。
何十年も自分の家の味に慣れてきた人が「美味しい」と思う料理ってなんなんだろう???
それも、包丁が使えるのか?火加減調整できるのか?スキルが未知の人たち相手なんだ。。。
引き受けた後悔が頭をもたげます。

でも、中途半端にするわけにはいきません。
「美味しい」「楽しい」と言ってほしい!
喜んで帰ってほしい!
もしサークル化できたら職員さんたちにも喜んでもらえる!(その後はやらないけど)


自分の中でターゲットとコンセプトを以下のように決めてレシピ作りを開始しました。
・現役時代まったく料理をして来なかった。奥さんに任せきりだった男性
・簡単なことからやり始めて、「これなら作れる」と思わせるレシピ
・ちょっと意外な要素を取り込んで、自宅で作った時に奥さんに驚いてもらえるレシピ

60代後半から70代、と聞いて自分の身内を想像してみましたが、自分の夫も含め料理をしている姿を想像できる男性が身内では誰もおらず・・・。
最終的には妄想のみ。

これは性別年代限らずなのですが、料理教室への参加理由って、
「料理ができるようになりたい」人と、「料理をするのが好きで参加する」人、両方なんですよね。
できれば前者に合わせてあげたいけれど、後者に満足して頂けなくなる。
なので両方の方に満足して頂けるようなエッセンスを常に入れておく必要があります。
この講座も絶対両方いらっしゃると思っていました。

しかし、自分がシニアの男性(夫)に何を作って何を食べてもらいたいか?
そして「市民センターの料理講座」に参加する人ってどんな人?
ということを考えた時に、
決してマニアック料理ではなく、簡単・シンプル・美味しい、そして片付けまでちゃんとできることが重要!!(台所を使わせる妻として)
と思ったのです。


というわけで4回講座のレシピはこちらに。

1回目「なんちゃってとんこつラーメン」「レタスのサラダ 野菜ドレッシング」
豆乳を使って作る濃厚なスープでラーメンを。家にひとりでも自分で作って食べられる一歩になるレシピ。野菜のドレッシングは作り置きができて簡単で美味しい。
 
2回目「納豆ドレッシングのわかめサラダ」「だしかけうどん」
「まごわやさしい」を伝えつつ、海藻を料理できるようになってもらう。うどんは山形の「だし」をたっぷりかけてヘルシーに。

3回目「厚揚げの南蛮酢かけ」「ノーカロ煮物」
低カロリー低コストなおかず。厚揚げはごはんにもお酒にも合う1品。煮物はこんにゃくときのこで1アクションで作れる。

4回目「お豆腐白玉」
最終回は簡単に作れるものにしてサークル化のお話しを職員がすることに。


レシピは後述いたします。
講座は夏だったのでさっぱりとして簡単に作れるものが中心。
これなら作れそうですね!と職員さんからも太鼓判を押してもらい、
当日を迎えるのでした。



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