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朝の時間(或は時空の創り方)

土曜の朝の、朝の時間をどう過ごすか。
こぢんまりとした堀端のカフェで、モーニングを食べる。
6席しかない店には、食器を扱うカチャカチャとした音と、控えめなピアノ曲。
丸眼鏡に生成のシャツの男性と、黒いコットンのゆったりとしたワンピースの女性が、静かな視線で客を出迎える。

女性の店員が、チョコレートのような甘い香りのコーヒーに、小振りだけれど分厚いバタートースト、ゆで卵をセットする。
トーストにはお好みで蜂蜜をどうぞ。

皆が背中合わせの店内で、皆が同じ時空を共に味わう。

美味しいものは沢山あるけれど、静かな時間を味わえる、それはどこにでもあるわけではない。

誰かの魂が求めた、理想の世界。創造された、世界。

皆がその空気を壊さないように、存在を押し込める。
独立した時空の中で、土曜の朝の時間を過ごす。

1日が少し、軽くなる。


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