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劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ

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劇場版おっさんずラブのシーンごとの考察をまとめたものです。
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#劇場版おっさんずラブ 香港聖地巡礼(ロケ地巡り)に行ってきた

#劇場版おっさんずラブ 香港聖地巡礼(ロケ地巡り)に行ってきた

劇場版おっさんずラブが好きである。何十回観たか分からない。
そんな私が2019年の夏からずっと抱いていた野望がある。

それは、春田創一(田中圭)が降り立った、香港の聖地を巡礼すること!!

劇場版公開直後の2019年はデモの激化で、そして2020年からは新型コロナウイルスのまん延により長らく香港に足を踏み入れることができなかった。

しかし、2023年5月、ついに日本の入国(帰国)制限は撤廃され

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#劇場版おっさんずラブ を久しぶりに見たけれど改めてこの作品が描きたかったものを考えた話

#劇場版おっさんずラブ を久しぶりに見たけれど改めてこの作品が描きたかったものを考えた話

「劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD」、私はこの作品が好きだ。

おそらくこれまで優に50回は見ているだろう。
しかし、この1年ほどの間、ご無沙汰していたのだ。自分の中である程度、この作品に対する理解が進み解釈が固まっていたし、ドラマから4年、劇場版の公開から3年が経つ中で、私にとっておっさんずラブは、「宝箱」に仕舞いいつまでも大切にしておきたい、時々蓋を開けてはその輝きを楽しむ、そう

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劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S13:バスの中、春田とジャスティス】

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S13:バスの中、春田とジャスティス】

■男子校のノリみたいなやつ 劇場版は、志尊淳演じる山田正義の存在が素晴らしい。香港から帰国した春田が出勤途中に偶然出会う彼は、春田と何かと馬が合い、「お兄ちゃんみたい」と慕う。このバスの中のシーンでも、二人は高校時代の部活がバスケットボール部で、ポジションはポイントガードだったけれど補欠だったという共通点を見出し、意気投合する。春田と気が合う後輩というポジションは、連ドラ1話の牧を彷彿とさせるので

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劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S11:感情が交錯するスタートミーティング】

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S11:感情が交錯するスタートミーティング】

■各キャラクターの感情の交差点 劇場版の中で好きなシーンを選ぶとしたら、その中のひとつに間違いなく入るのがこのGenius7のスタートミーティングである。
 プロジェクトチームを始めるにあたり、社員を一堂に集めお披露目するといういかにもコメディでリアリティの薄い場面にもかかわらず、そうした違和感を感じさせないテンポの良さ。そしてなによりも第二営業所の面々、本社の狸穴、牧をはじめとするGenius7

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劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S9:春田家の二人】

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S9:春田家の二人】

■好きだからこそ、すれ違う二人 劇場版の面白いところは、台本に描かれた台詞が必ずしもキャラクターの本心を表現しているわけではないところだと個人的には思う。心のうちに秘めた想いがあっても、相手への気持ちが強すぎるがゆえに、それを素直に表現できない。そうした心の揺れがリアルで、春田が、牧が、その時々に何を考えているのかを全部知りたいと思ってしまうのだ。
 
 春田家は、ドラマおっさんずラブにおいて、春

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劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S7~8:わんだほうと牧の変化】

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S7~8:わんだほうと牧の変化】

■あいつすっげー変わった。この1年で何があったの? 劇場版においては春田も変化したけれど、やはりこの映画では牧の変化を見逃すことができないし、牧の変化こそが、この映画を理解するうえで最も大切だとすら思う。

 劇場版おっさんずラブのテーマは「夢と家族」だそうだけど、この「夢」という概念をおっさんずラブの世界に持ち込んだことにより、連ドラから一気に世界が広がったように感じた。連ドラが第0章ならば、映

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劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S6:第二営業所での再会】

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S6:第二営業所での再会】

■第二営業所の面々が、天空不動産の世界をリアルにする 第二営業所のシーンはいつ見ても楽しい。特に劇場版はそうである。何回見ても何か新しい発見がある。各俳優陣がそれぞれの役を愛し、徹底的に演じ込んでいるからだと思う。

 栗林歌麻呂は、春田が帰ってきたことがとにかく嬉しいのか、いの一番に抱き着きに行く。「休みなんていらないでしょ。働いて働いて」と軽口を叩けること自体が楽しくてたまらないし、ドラマのと

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劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S4:牧が春田の部屋へやってくる】

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S4:牧が春田の部屋へやってくる】

■林遣都の瞳の動きに目を奪われる 劇場版を見て、いの一番に衝撃を受けたことを挙げるとすれば、あの牧凌太が「你好!」と茶目っ気たっぷりに香港の春田の部屋へ現れることだろう。インターホンを鳴らしても返事がない家主を待つことなく入ってくるその様は、今の彼と春田の関係を否応なく伝えてくる。おそらく合い鍵を持っていて、インターホンを鳴らして「お邪魔します」なんて言う間柄ではないのだ。その春田の隣に自分の居場

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劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S3:香港の街を駆け巡る春田】

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S3:香港の街を駆け巡る春田】

■春田創一は、街とともに生きていく 春田が指輪=Foever Loveを買い、一息ついたあと。その指輪を置いた台座だと思っていたものは、実はオートバイの後部で、無情にもそのオートバイは走り去ってしまう。慌てた春田は急いで追いかけるものの、雑多な香港の街並みを上手く通り抜けることができず、一度は見失ってしまう。
 この香港パートにおける春田が指輪を追いかける一連のシーンでは、ついアクションにばかり目

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劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S1~S2:春田、香港で指輪を買う】

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【S1~S2:春田、香港で指輪を買う】

■Forever Love=永遠の愛 映画の予告で、まるで結婚を約束するようなその指輪を神妙な顔で握りしめていた春田を見たときに、私はこう思っていた。牧はあんな「いかにもな婚約指輪」を春田から渡されて喜ぶのだろうか、と。
 牧の性格の受け取り方は、「OL民」と呼ばれるおっさんずラブのファンの中でもかなりばらつきがある。個人的には、春田から結婚指輪を差し出されて喜ぶというよりは、どちらかと言えば困る

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劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【概要】

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 感想まとめ【概要】

「劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD」のDVD、ブルーレイが間もなく発売になる。

昨年の夏、私はこの作品を観るために、連日のように映画館へと足を運んだ。その結果、鑑賞回数は約40回となった。

2018年に深夜ドラマとして放送され、その年の流行語にまで選ばれた「おっさんずラブ」の、ファン待望の続編、そして映画化。

この映画について、例えば2018年のドラマが数々の賞を受賞したように

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