ビールで測ろう
田舎なので定時出勤をこなすためには早起きしなければならない。
今日は向かい風が強くて、目をシパシパさせながら歩いていたら横断歩道で待つ女性が限界まで肩をすくめて寒がっていたので、だよね〜と思った。
電車で4人向かい合わせの席に座ったら前にいる作業着をしたおじさんからものすごいタバコ臭がしたので寒がっているフリをして鼻までマフラーで覆った。
数駅たってそのおじさんが降りても臭うため、残り香すごいなぁと思っていたらタバコ臭の源は右隣に座るスーツをピシッと着た紳士だった。見かけで決めつけるのは良くないことを学ぶ。
帰ってきてから根菜を煮た。
火の元を離れたくない(ほこ)立ち続ける気力はもう無い(たて)の葛藤を数秒したあと、座ってコンロの火を眺めることにした。
室内で炎をじっくり見られてよかった。あったか野菜もおいしかった。
引越し先を探すとき、令和なのに「ガスコンロ」にチェックマークを入れて探していた。
「できれば」の欄では「コンロ2口」にもチェックマークを入れた。火の元にこんなにこだわってしまったんだから、ちゃんと自炊しなきゃと改まる。
暇なので突然、自分が持っているグラスに果たして350ml入るのか知りたいと思った。
ビールで測ったら350ml入らなかったし、慎重に入れたせいでとてもマズそうな見た目になってしまった。申し訳なさそうに残っている泡が引き立たせている。
そういえばレポートやらなきゃなあ、と思いながら日記を書き始めたら「書いた」という事実だけに満足して布団の中で溶けてしまった。レポートやらなきゃなあ。
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