色葉

編集のお仕事。いつかのための軽い遺書

色葉

編集のお仕事。いつかのための軽い遺書

最近の記事

ストローみたいな自分軸

高さ30cmくらいの4倍濃縮めんつゆを買ってしまったので、 ふつうめんつゆに換算したら1m越えのめんつゆを買ったことになるのだろうか。みたいな、くだらないことを考えていたら前回の投稿から時間が経ってしまいました。 ヘッダー(?)は、ニッコリじゃが。 新しいやりたいことのために、泣く泣く離れた環境があったのだけど、そのときも「いつでもまた戻ってきなね」と挨拶してくれる人がたくさんいた。 私は、すぐ人のことが大好きになってしまう。これはとても大変なことで、人のことを観察しす

    • 9階建の書店で落ち合う

      9階建てのおっきい本屋さんを、待ち合わせ場所にしてみた。 金曜日の夜、高校時代の友達と適当に喫茶店でも行こうと約束していた。 駅構内で盛大に道に迷い、私が待たせる側になってしまった。 着いて、「どのへんにいる?」と連絡するも、返信がない。 「あの子はあれを読むだろうな」とPOPEYE売り場に行ってみると、やっぱりいた。これぞ友達〜と嬉しかった。まかせろ。 夜=飲みに行く、の共通認識がそもそも無いというのもお互いに心地いいな〜と思う。 何を飲もうが食べようが、最後はコー

      • 毎月、実験して暮らす

        屋根のつららから水が滴る音がメトロノームみたいだなと久しぶりに浸かる湯船でとろけながら聞いている。 雪が降った日の外は「しずか」より「静謐」みたいな感じがするなあと毎回思う。 去年の雪日記。 ふわふわに降ったのに、朝にかけてかちかちのつるつるに固まってしまった地面を辿りながら今日は会社に歩いて行かなければならなかった。 晴れまくっている日に在宅勤務ばっかりしていた罰かもしれない。 20分くらいてくてくと歩かなければいけない。 保育園や学校の前では先生たちが朝からせかせ

        • わすれがたいマダム

          ↑のような4人もいれば、衝撃的な尊敬をした大人もいる。 衝撃的な尊敬、というのは多分テストだとバツだけど、本当にそんな感じなので。 じわあ、と「あの人すごいなあ」と思うというよりは、関わる中で急に圧倒的な大人のかっこよさを実感させられる、と言う感覚。 衝撃的な尊敬をした大人、マダム。(推定60〜) 出版社でアルバイトをしていた時に、よく隣の席になった。 空き時間に数チャートを解いていて驚愕したのが第一印象。 勤務時間中に持参の分厚い手帳を丁寧に埋め、 業務用PCで近

        ストローみたいな自分軸

          音層の中に寝る

          「好きな歌手は?」みたいな質問。 小学校の新学期の自己紹介シートでも、 みんな持っていたプロフィール帳の欄でも、 大学の新歓コンパのさわりでも、 会社に入ってからも、 当たり障りのない質問として幾度となく出くわしてきた。 「まあ誰かしら好きな歌手はいるだろう」前提のもとされるこの質問がいつまでも苦手だった。「フレデリック・ショパンですが?」と場をしらけさせる勇気もなかったし、ショパンもわざわざ挙げるほどの熱を持って推してるわけでもなかった。 それに伴ってみんながカラオケ

          音層の中に寝る

          何者かにされちゃう!

          なんとなく外に出たら、私がカメラでいつも設定する色味、みたいな空だった。へんないろ〜と思った。 空というか街(とは言いがたい田舎だけど)全体がそういう色をしていて、 ちょうど体温と同じくらいの体感気温だったから、ウソの空間にいるみたいと思った。 平日、家で仕事をして1人でちょっとコンビニに行くだけ、みたいな生活を繰り返しているから考え事をどうしてもしてしまう。 「多様化というけど、それは情報過多の中で量産されたり露見したりした『いろんな型』にわざわざ当てはめてしまってい

          何者かにされちゃう!

          19歳の校閲ガール

          「ひとんちを見る」というのが幼い頃から好きだった。 父の働くいろいろなモデルルームに遊びに行った朧げな記憶がある。 新築の匂い、サラサラな床、それをやわらかく照らす陽、「これからあたらしいことが始まりますよ!」感にわくわくした。 自分のとは違う子供部屋のじゅうたんを踏むのとか、 開きそうな扉と引き出しは全部開けたし、なかなか迷惑な子どもだったとは思う。 でも、まだ新品のふかふかさを足に感じたり、開けても何も入っていない引き出しの軽さが面白かったりした。 誰かの暮らし

          19歳の校閲ガール

          令和じいさんと苺大福

          「ふるさと納税の蟹があるよ」 「ふるさと納税のお米持って帰りなよ」 「お年玉もあるぞ〜」 「とろろ(私の大大好物)大量に摺るぞ〜」 「数の子(私の大好物)もあるよ〜」 M-1が盛り上がり、仕事納めのために奮闘し、行きたくない忘年会を丁重に(ストレスを溜めながら)お断りしている間、家族ラインでは年末年始にいかに素晴らしいものが取り揃えられているかのアピールが絶えなかった。 そこまでしないと実家に寄りつかない娘と思われているのかしらと反省しつつ、蟹と米と金と芋と魚卵のために帰省

          令和じいさんと苺大福

          新幹線の運転手になりたかった、編集者になった

          誰しもあるであろう、生まれた時から今までの将来の夢の変遷。いろんな人の聞くのも好き。 私は 新幹線の運転手(はやくてかっこいい) ↓ おもちゃ屋さん(いっぱい遊べると思った) ↓ バレリーナ(このころバレエを習い始めた) ↓ ピアノの先生(このころピアノを習い始めた) ↓ 作家(絵本作りにハマる) ↓ 学校の先生 ↓ 出版(教師たりうるバイタリティが自分に無いことを自覚) という感じだった。 最後のふたつは繋がっていて、「学びのための出版物をつくりたい」と思っていた。義務

          新幹線の運転手になりたかった、編集者になった

          昼下がりの下品な婦人

          おやつの時間くらいに、モノレールに乗っていた。 モノレール、移動手段として使うにはゆったり運転すぎてなにもかも持て余してしまう。別に見る景色もないし。 モノレールが到着して、まだ降車している人々の隙間を縫って乗車し、空席を狙う婦人がいた。指先を揃えて文庫本のページをめくったりしていたが、隙間縫い乗車のせいで全部下品に見えるなーと思った。 100センチくらいの観葉植物を鉢ごと抱えて大切そうにしている坊主の若者もいた。車内で、その植物をいろんな角度から嬉しそうに眺めていて、よ

          昼下がりの下品な婦人

          居酒屋・人間観察・蛇

          待ち合わせまでの時間にかなり余裕がある、みたいな状況が好き。 三軒茶屋で夜待ち合わせたとき、全身ツタンカーメンのコスプレをした男児が母親に手を引かれていたり、「エグぅ」しか言わない金髪ボブがいたり、綺麗に梳いたショートカット&タートルネックマダム×3が互いのペンダントを褒めあっていたりしていた。 金曜夜8時の三茶は、ちょうど「たのしみ!」の人と「たのしかった!」の人が混ざって色々な方向に歩いていて見応えがあった。私は「たのしみ!」の方なのではやくビール飲みたいな〜と思いな

          居酒屋・人間観察・蛇

          途中はいい匂い

          いま、洗った米を土鍋のなかで寝かせている。 お米を洗う時の匂い、香ばしくて優しくて好きだな〜と思う。 途中の匂いっていいよね。ホットケーキになる前のドロドロの生地の匂いとか、お味噌汁作る前の出汁の匂いとか。 日記を書く!と言いながら1ヶ月経ってしまった。 この1ヶ月は、久しぶりでめまぐるしいこととか、新しくて楽しいこととか、腹を立てたり悲しくなったり、デカいカマキリと対峙したりスーパーの営業時間が短くなったり、色々ギュウギュウとしていた。 ふらっと出かけた場所で世界

          途中はいい匂い

          早起きsince2008

          早起きが好き。得意。since2008くらい。 「since〇〇」の平成感、良(よ)いよな〜、変な宇宙柄のコラージュとかバーコードから垂れ下がった「LOVE」の文字とか、手書き風フォントの「恋って言うから愛に来た//」とか、プリ画像とか、ピースマークとか。この話全部通じる人は早く友達になりましょうね。 話を早起きに戻して、 私は大学を出るまで実家暮らしだった。けど、「1人でいたい」みたいな欲が小学生の時からあった。多分それは普段1人じゃないからこそ生まれる欲で、家中に湛え

          早起きsince2008

          ヘマ・ポンコツ期

          ↑世界史にありそう(ない) ちょっとの「あ゛〜」が積もるとベコベコにやられてしまう。 私にはこんな不幸があったんだ!という自慢をしたいわけではなく、本当に立て続けに起こった嬉しくないことを今後の幸せを願って供養しようと思う。 まず、夜中にお腹が痛くて起きた。私としては珍しい。寝相ヒストグラムがあったらほぼ五角形を描くのではという自負があるので、布団が剥がれてお腹が冷えたとかでもなく。なぜか痛くて起きた。 薬を飲もうと思って薬箱を開くと、「期限:2019」とあった。役目

          ヘマ・ポンコツ期

          夏のおっさんコレクション

          在宅勤務の昼休みに、延滞しそうな図書を返しに行こうと思いチャリで爆走した。延滞、してはいけませんよ。 「こんな危険な暑さがあと何日…」と思いながらシャカシャカ漕いでいたら、川沿いの階段で寝そべっているおっさんを見つけた。 もう10mくらい進むと、木陰でカップ焼きそばをくらうおっさんを見つけた。 おっさんコレクション的なゲームかと思うくらいバリエーション豊かなおっさんが道中に現れ、やっぱりこの街はやめられないなと思った。 延滞ギリギリの本を返し汗だくで帰宅してすぐ、既に期

          夏のおっさんコレクション

          継続したいという気持ちだけが、継続している

          継続したいという気持ちしか、継続していない。 日記、家計簿、制作、資格の勉強、期間は様々だけど「やりきった!」というところまで達した記憶がない気がする。 コツコツ頑張れる人って本当にすごいなと尊敬して、憧れて、模倣して、継続できず、終わる。怠惰。 飽き性ってわけではないんだよな〜、継続していないなりに「日記をかきたいなあ」「明日の朝勉強しよっと」「家計簿のためにレシートをとっておこう」とかは、やる。 「書こう」と思って寝て、勉強しようと思いながら朝ごはんを満喫し、溜ま

          継続したいという気持ちだけが、継続している