ジョン・ウィック

基本怒りの感情は外側にぶつけずに内側に向けるタイプなのです。例えるならゴジラやドラゴンのように咆哮して怒りを鎮めるのではなくて、焚き火の火が徐々に徐々に小さくなっていくような感じ。だから怒りのモヤモヤが消えるのには時間が長引いてしまう。だからなのか分からないがこうなってしまったのも俺のダメな人間性が原因なのでは無いかと考えてしまい、ちょっとした自己嫌悪に陥ってしまう。

だから怒りを咆哮の如く外に向けれたらどんなに楽なんだろうと思う時がある。大声を出したり、少し抵抗はあるけどムカつく相手と真正面から罵り合ってしたり。その方がストレスを抱えずに済むし、多分その方が楽に生きていけるような気がする。

前にも書いたけれど僕は割りかし意見とかを発信するのが凄い苦手なのです。僕はこう思っているけどもしそのような事を言ってしまえば「何こいつ?」とか「センスねぇなあ」なんて思われたらどうしようと考えてしまうため、出来るだけ自分の気持ちを押し殺して相手に乗っかるという術を使い今まで生きてきた。

今はこんな生き方は何も楽しくない事に気付いたからなるべく自分の意思や意見を発信しているけれど、20数年間前述のように生きていたため中々強制するのは難しい。だから怒りを外に上手くぶちまける事ができないのもそういう事なんだと思う。

あと、怒りに任せた行動が少しダサいと思っているのだ。よくSNSで身の回りで起きたイラつくことや腹が立った事を書き込んでいる人をよく見かけるけど、あれは何が目的でやったらのだろう?友達とかに“最近腹立つ事あってさー”なんて話すのは分かる。けど、SNSというどこの誰が見てるか分からない場所に吐き出す意味が全く理解できない。多分見てる人は事の詳細なんか知らないから同意も出来ないし、書き込んだ方は“大丈夫?”待ちなのが見え見えで、見てるこっち側が恥ずかしくなる。あとは怒った勢いで椅子蹴ったりとか何かダサいし恥ずかしいという多分僕特有のねじ曲がった考え方が邪魔してるのもあると思う。

けどいつか言ってみてぇな。クソが!!ボケナス!こらぁ!!とか。何かなよなよしてる自分が汚い言葉を吐きながら大声で怒鳴ってる姿を想像するとなかなか笑えてくる。多分相当後になるだろうな、、、

「ジョン・ウィック」は伝説の殺し屋だったジョン・ウィックは足を洗い愛する妻と平穏な日々を送っていたが、妻を病気で亡くしてしまう。妻が最期に贈ってくれた犬と共に新しい日々を送ろうとした矢先、家に強盗が押し入り、ジョン・ウィック自身もボコボコにされ、終いには愛する妻から贈られた犬を殺されてしまう。愛していたものを全て無くしてしまったジョン・ウィックは大激怒!!ほんで強盗の素性を調べてみたら雇われていたマフィアのボスの息子だった事が判明してまた激怒!もう怒りで止める事ができないジョン・ウィックの復讐映画だ。

ジョン・ウィックの場合、“怒りを外にぶち撒ける”とはまた別の範疇の話かもしれないが、まーーキレるキレる。そんでもってめちゃくちゃ強いんですわ。最愛の妻と過ごしていた間は殺し屋業は休止していたのにも関わらずそのブランクを感じさせないくらい強いのです。その強さにもう笑ったしまうほど。

やっぱ愛犬を殺されたのが相当頭に来たのが分かるのが、敵との戦闘シーンで敵に銃で心臓付近を2発くらい撃ち込んだ後、まーそれでも致命傷になる傷なのにジョン・ウィックはさらに脳天にまでちゃんと打ち込むのだ!!運良く生きちゃったなんてのが無いように確実に殺しにかかってるのだ!もう敵を生かすことなんて考えはさらさら無く、敵を全滅するしか気が済まないんだろうなと思う。

そんな怒りに任せた戦闘シーンは韓国映画のような痛々しいアクションではなくてスタイリッシュで劇中歌との相乗効果でめちゃくちゃお洒落に仕上がっているのだ。それはやはりジョン・ウィックを演じているキアヌ・リーブスのポテンシャルの高さがそうさせているのだろう。

怒りを外にぶち撒ける事は少しダサいとかって思っていたけれどこのジョン・ウィックのように張り切ってしまえば案外爽快なものなんだと思った。実際見た後は心のモヤモヤとかは一切なく、何とも清々しい気持ちになっていた。

よし書き終えたし、トイレ行って寝ようと立ち上がってトイレに向かって歩き出した時、壁に小指をドンっとぶつけてしまった。

「痛っ!!クソが!!」と叫んだ

あ、外に吐き出せた。何か清々しい。




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