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おうち図工室02:娘、本屋さんになる 後編 開店したよの巻

前編の開店準備の巻はこちらから

※当日の様子の写真が、店長の写真しかありません。肖像権を勉強したばかりの店長の意向です。
※出展ブースのことを、お店と表記しています。

10月29日 前橋BOOK FES 当日
前橋までは夫の運転する車で向かうので、朝早くに起床。
悠々と群馬について本で調べ始める店長のお尻を叩きながら、車に乗り込む。搬入時間前に着くように、早めに出発した。いつもバタバタしている我が家にしては上々の滑り出しである。

しかし紅葉シーズンを舐めてはいけない。
高速までの道までも渋滞していて、なかなか進まない。
なんだかんだで搬入時間終了10分前くらいに到着し、大慌てで準備することになってしまった。
親子3人であわあわしながら本を並べ終え、ひと段落したところで、糸井さんが出展者一人一人に挨拶しながら通りがかる。親子揃ってご挨拶できた。
いよいよ、前橋BOOK FESが始まる。

店長のサポートと対応であっという間に時間が過ぎていく。家ではノリノリで接客の練習してたのに、蚊の鳴くような小さな声の店長。これを書きながら、あの時なんか緊張してたよね、と店長に聞いたら

お店に来た人がみんな「ありがとう!」って本を持って行ったり、「ありがとう!」とか「すごいね」っておまけを持って行ったりして、うれしいけどはずかしくてなんだかよく分からない気持ちだった

だそうだ。家族、学校、習い事の場以外で、面と向かって褒められたり喜ばれたりする機会がないから、こそばゆかったらしい。

お店には、親子連れがたくさん寄ってくれた。
それと、多分お孫さんに渡してくれるんだろうか、という高齢の方も。

寝る前の読み聞かせで何度読んだか分からない絵本。
繰り返し何回も読んだ昆虫や生き物の本。
怖くて読めなかった本。
難しくて挫折しちゃった本。

みんな、新しい持ち主に読んでもらってね~!と送り出す。

本の受け渡しのやり取りで小さな交流が生まれていく。
開始早々に本とバッジをもらってくれた、店長と同年代の女の子。しばらくしてお店に戻ってきて、自分で折ったくす玉をくれた。
お互いに照れまくって言葉を発せず、二人でもじもじしている姿に、マスクの下でにやけるバイト。

お店に来てくれた小さな子を連れたお父さんは、他の出展者の本を覗きに行ったときにバッタリ会って、
「あ!店長、さっきはありがとうね」と声をかけてくれた。
店長のその時のデレ顔ったらもう…!マスクで半分見えなくても分かったほどです。
家族以外で、しかもお店を離れているのに、初めて呼んでもらったんです。店長って。
きっとずっと覚えている瞬間のひとつになるんじゃないかな、と思う。

Twitterを見た前橋在住の方が、子どもと一緒に遊びに来てくれるなんてことも起きた。ハリー・ポッターの本をトレードとして持ってきてくれて、ハリポタ好きの店長大喜び。前橋のお菓子の差し入れもいただいてしまった。
前橋を訪れなかったら会うことはなかったんだろうな。うれしかったです。ありがとうございました。

本が半分以上旅立ったころ、フェス開始からずっーーと甘い匂いに我慢していた店長が、わたがしを買いに行く。
わたがしの完成を待つ店長の後ろ姿を眺めながら、最近また背が伸びて、すっかりお姉さんだよ。もっとゆっくり大きくなって、なんて思う。
そのくせ、できないことがあれば『がんばれ』『しっかりして』と思うんだから、勝手だ。

途中、お店をパパバイト(人見知り)に任せ、店長と二人で本を見に行く。
店長が好きそうな本をいくつか譲ってもらい、ブースに戻るやいなや、店番そっちのけで本を読み始める店長。

お昼をすぎしばらくして、店長の体力と気力が限界に。気づけばお昼ご飯も食べていない。本当は、講演やワークショップなども全部見て回りたかったけど、並べた本が全て旅立ったところで、遅い昼食をとりながら帰ることにした。

帰りの車で、あ~楽しかったね!と笑顔の店長。

来年は交代制にして、もっと自由時間がほしい。
もっとお客さんとお話できるようにしとく。
もっと本を持って行けばよかったな。
1人1冊です、ってしたらもっとみんなに本が渡せたかな。

などと反省会をしつつ帰路につく。

1ヶ月、夢中になって楽しんだ娘の本屋さん。
工作で楽しむごっこ遊びはいつものことだけど、前橋BOOK FESという場で、家族以外の人がお客さんとしてやってくるリアルなごっこ遊びは、娘にたくさんの経験をくれた。
一番良かったことを娘に聞いたら、

「ありがとうがいっぱいもらえたこと」
「自分もみんなも、楽しそうだったこと」

だそうだ。

今年も参加する!と意気込む娘は、もう準備を始めている。
今年も本屋さんで参加するのかはまだ分からないけど、またきっと新しい経験をするんだろうな。

楽しみにしてます。

でも、本の箱がもう3箱分になってだいぶ場所取ってるので、早めの開催でもうれしいです。なんて。


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