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「企業向けバスツアー/亘理コース ③研修・まとめ編

ボランティア活動後は、わたり温泉 鳥の海へ移動。亘理町の郷土料理「はらこ飯」の昼食をとっていただき、午後の研修を行いました。

●みやぎグリーンコーストプロジェクトの取組

はじめに、宮城県水産林政部森林整備課班長 橋爪より、みやぎグリーンコーストプロジェクトの取組についてご紹介させていただきました。

宮城県水産林政部森林整備課より取組みの紹介

東日本大震災の津波により、伊達政宗公の時代から培われてきた宮城の海岸防災林のほとんどが被災し失われたこと。県として復興・再生に取組むのは当然のことながら、企業や民間団体から多くの支援の申出が寄せられ、各市町も交えた連携協定の枠組みができたこと。そしてその協定に基づき、28団体・38協定(令和4.4現在)で約142ヘクタールの海岸防災林の植栽・保育を実施していること等々。

また、震災前のような立派な海岸防災林となるには、40年以上の年月を要します。そのための長期的で持続的な保育管理は今後の一番の課題。解決に向けては、本プロジェクトをもっと知っていただき、来ていただき、参加していただくための取組強化を、さらに図っていく旨をお伝えしました。

続いては、既協定団体様2組の取組事例のご紹介です。
●特定非営利活動法人 わたりグリーンベルトプロジェクト
 代表理事 東 聖史様
「自然を基盤とした持続可能な森づくりを目指して」

特定非営利活動法人 わたりグリーンベルトプロジェクト 代表理事 東 聖史様

こちらは東日本大震災をきっかけに、地域住民やボランティア、行政、民間団体等の連携による“町民主体”の海岸林再生を目的に発足された団体です。亘理町で約17.31ヘクタールの協定を締結いただき、広葉樹を含む苗木の育成・植栽、その後の生育状況調査、継続した保育活動に取り組まれています。

午前のボランティア作業を行った吉田浜の歴史を振り返ると、周辺の地名なども含め、海岸林と人々の生活の長く深い関わりが見えてくるのだそう。1960年代半ばまで集落の一大イベントとして行われてきた「ごんのさらい(松葉かき)」があったり、日常生活・食文化を含め、人の暮らしが海岸林を支え、海岸林が人の暮らしを支えてきたことが海岸林存続に繋がってきたなど、興味深いキーワードを沢山ご提示いただきました。

東日本大震災を機に一変したこの海岸防災林の再生事業においては様々な課題も見えてきて、今ある自然をどう活かし、守り、育てていくか、現在はその管理と利活用の可能性について模索されているとのこと。今回ツアーに参加された皆さまへは「協定締結から管理と活用の実践までを順序立てて考えると、少し遠く感じるかもしれませんが、そのプロセスこそが大切。木を育てるだけではもったいない。海岸林の魅力をぜひ活用してください」とのメッセージをいただきました。


●株式会社七十七銀行 
 総合企画部副部長 兼 サステナビリティ推進室長 鈴木 拓郎様
 総務部総務課課長代理 奥谷 寛之様
「七十七銀行のSDGs達成・脱炭素に向けた取組み」

株式会社七十七銀行 総合企画部副部長 兼 サステナビリティ推進室長 鈴木 拓郎様

こちらは、創業より受け継がれる「地域の繁栄を願い、地域社会に奉仕する」という行是の理念に則り、グループ全体でSDGs(持続可能な開発目標)の達成に取組まれている企業です。2018年6月、仙台市で約0.20ヘクタールの協定を締結いただき、苗木の植栽と継続した保育活動を実践されています。

協定の締結をいただいた2018年9月には、新入行員約150名によるクロマツ1,000本の植樹活動を実施。2019年~2020年は悪天候やコロナ禍の影響で活動を中止したものの、2021年10月に再開。2022年10月にも、前年に続き行員ボランティアによる下草刈りの森林保全活動が行われたとのご報告をいただきました。

2020年に策定された「七十七グループのSDGs宣言」では、①地域経済の活性化、②地球温暖化・気候変動への対応、③一人ひとりの活躍支援、④ガバナンスの高度化が重点課題。森林保全活動は、「地球温暖化・気候変動への対応」に向けた取り組みとして重要な活動のひとつとなっています。

株式会社七十七銀行 総務部 総務課 課長代理 奥谷 寛之様

「東日本大震災では銀行の店舗も被災したが、近年は震災を経験していない新入行員も多い。風化しないよう社内でも伝えていかなければなりません。そういった意味でも今後についても、若手の参加をもっと募りたいですね」また「モチベーションを上げるための勉強会も行っています。その積み重ねが、今後一人ひとりの考えや行動に繋がっていくと思います」とは、研修会を終えての鈴木様。
「脱炭素への取組となると難しく聞こえますが、まずはひとりひとりが出来ることをやる事だと思います。地域の清掃活動でもなんでも、それが第一歩になります。地域の銀行として、お客様の脱炭素支援にも力を入れてまいります」とのことでした。

以上、3回にわたり「企業向けバスツアー/亘理コース」開催の様子をお届けしました。

今回のツアーでは、地元や縁のある地域で「できることはないか」と情報にアクセスしていただきご参加いただいた方が多くいらっしゃいました。今後もさらに多くの方々に共感・参加していただけるようより良い情報発信に努め、企業様と繋いでいく。そんな役割も担っていきたいと考えています。

そして、みやぎグリーンコーストプロジェクトでは、この取組へのご賛同と推進するためのお力添えをいただける企業様・団体様を引続き募っています。一緒に、みやぎの海岸線の未来をつくりませんか。

詳しくはみやぎグリーンコーストプロジェクトのHPやYoutubeチャンネルをご覧ください。



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