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思想家の休日

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2022年6月の記事一覧

荘厳な夏

公僕や下僕の群れが云々とアイロニーをうながす間に、乖離していく階級から加速していく動機が季節感を喪失し、似たような瞬間を泳ぐ魚からあふれる思想の香りが、機械的な気配を呼び込み、バビロンが掲げる安易な終わりに入り込む背徳が、軽薄なプロパガンダに関与し、体系化したペシミズムが、世界の終わりなんかを謳う間に、解答を持たぬメタファーにより、悲観的になるだけの汚物たる観念が生み出す雰囲気に突き刺さる可能世界

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恋の高気圧

変形していく面影を呆然と眺めるアリスの後ろ姿を俯瞰で見るために、乖離したのだ、と語る大義を失った彼女たちとの互換性を拡散させる黒い雨により、根絶やしにされた鳥たちの極彩色に縁取られた隠語を捲し立てる勝利を謳うだけの、革命家たちのコギト、あらゆる不衛生さを降り重ねた世界の層、短絡的な悔悟を国家的なもので形成し、不安ばかりを与えるのが、社会や国の役目であると宣言するテレビの中での対比やら、約束も守れな

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常用

爛れた朝に育つ花を眺めて一日が終わって、目的もなく縋るだけの秋に遺棄され、冬に乖離した君の破瓜型の焦燥感と夢の藻屑、スモッグに羽化する蝉たちの鳴き声が反響して、静謐な予感に蠢く蚕たちが吐き出す繭、濫觴した愛が、思想を超越して、宇宙空間を少しづつ食べ、多目的な衝動が雨後に初潮をむかえ、向こう見ずな少年たちが受理する苦悩と、あいまいな夏の青と、周遊し続ける脳内での豊かさと、屈折した彼女の性病と、無謬な

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霞む

プリオンにより萎縮する脳内、過程に迫る制限の藻屑、踏みつけられるだけの身体に格納される絵空事、服従するだけの幼稚な撹乱、反乱を繰り返す意識と虚像との対立、大義なんてものがないから、物語の中で価値観を横柄にすなどりながら、理不尽な今を消費していき、シンボルたるネズミたちの信仰心により、崇められるゴミやほこりたち、倫理観もないから、誰もが神になるのだし、咆哮を繰り返す過信ばかりの人々が流動する景色を見

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窮地

奇声を上げる猿の群れ、報いを受けるための宣言を受け入れるだけの人々の無知な術、そのような術に弁解を続ける彼女たちの虚空、運命を記号や数字に変え禁忌を伝え、すがるだけの彼ら、不信感を募らせ、気配を撹乱する歪な論理を繰り返すだけの旋律を追い、延々とたずさえる喪失感により動機が吸収され、寂しさを謳うだけの陽気な連中の他愛ない闘争、甘美な結末に漂う高貴さ、記憶を片結びして、何度も同じ場面を同じように感じな

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元凶

私の手から離れれば、それはもう思い出す必要もなく、歪んだ思想は、間違ったものを生み出し、見境なく誰彼構わずに傷つけるし、他者を道具にしている偶像崇拝の連中が示唆する苦しみなどは、所詮は、誰かの足を引っ張り、自分の元へと引きずり込もうとするための、独善的な言葉や愛を用いて、君の純粋さを引き裂くような正義が打倒としている悪などは、正義を建前に、あらゆる暴挙を果たすための、神や紙幣や貨幣や価値なのだ、と

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理不尽

支配している馬鹿な連中を引き摺り下ろしても、所詮は力を欲しがる奴が次々と支配を続けるだけではあるが、当たり前のものを当たり前のように愛することもできないでいる日々からの革命を目指して、空っぽな自由や理想に利用されないように、たとえば私が書いたものにすら君が騙されないように、私が思い描くものは私のものであるし、君が思い描くものは、君のものであるという線引きすらしないで、共同体を謳うような輩は信用なら

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意識の根幹

電脳世界の中で蠢く毛虫、ケミカルな秘密警察たちが彷徨う原理的な家庭、軽薄な論理を駆逐するために得る知識を屠るための哲学書を読み漁り、紀元前から迫るゼリー状のアプリオリな者どもの祝福に耐え、モラルが堅持する憎しみにより生み出された国民たちが謳う普遍性により、政治とは腐るのだ、と妥当な余韻から生まれるチグハグな論理が不吉な記号から、季節的な汚穢を定期的に受け取るポストたる私のコンジローマ、迎合される罪

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悪手

子供たちは、いつまで経っても孤独なままである、と嘆く雲の上、叙情的な春と離れ離れになり、はびこる愛は、バビロンに買い取られ、情報の道具にカスタムされる頃、浪費されるだけの少年が焦熱し、証言台に立つ頃、尤もな孤独にそぐう価値などを崇める彼女の主体性により、純粋な愛などは、滅亡したのである、と知った口で語る君たちの預言者は、単なる嘘つきであるし、正義が独善的なカタルシスに至るための答えが体系化した途端

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継続

分娩台で吹き荒れる強風、吉報なんてありゃしないけど、生き抜く、と嘯く赤子、原始的な離床により、近隣を恐怖に陥れる子供たちの旅立ち、あらゆる制限を超越するために、私たちは際限なく破壊的な衝動を先へと進めているなど、と焚きつけるメディアの手法、そのようなまやかしから独立しない限りは、誰もが誰かの餌になり、誰かは誰かを貶めるためだけに、ためらわずに批判の道具になるし、自分があたかも立派で普通な者であるな

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軽傷

移ろう季節の変わり目、メダカに乗るシンドロームから、過負荷により性質が変化する脳内、多弁的な彼が適応すべき、世界や社会から遠ざかる我々がすることといえば、他人がすることばかりに目を向けるような輩に賛同し、同じように似たような誰かを批判し、貶めるためだけに集うことに現れる集団心理の道具として、偶像を謳う君が歓喜するためだけに催される快楽的なカタルシスに向かうためだけに、発散させるための儀式的な転用を

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抵抗

不器用な考察を続けては、軽薄な理論を謳う窮屈な思想を破棄し、観点をずらすほどに現れてくる本質が強要する思いに分散してくる過程や、迎合されるだけの忌々しい祝福により、凍りつく犠牲的な観念や、慟哭を続けるつたない理想が修復されずに、その場で悶え、朦朧とする意識が儀式的なものにより、王冠をかぶせられ、あたかも王のように仕向ける先々では、無機質な夢をかいつばむ意識的な周辺を彷徨う泡沫の悟性にはびこる代償や

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傀儡と酒器

女王たちは、自らの不信感を隠すために、宝箱をひっくり返した大きな音で、誤魔化す自らの罪を責任転嫁するために、世界や社会や市民に枷を嵌め、意思を快楽や退屈で酩酊させ、屈折しているが故に何も守るものがない私は、物語を攪拌させ、小さな世界でせせらぐ意識を集光させ、その集めた光のメタファーで、すべてを焼き尽くす。多様性を歌い上げる自傷趣味の女の子が、ノコギリで切り落とす樹齢数千年の大木が有する価値の中で、

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梅雨の晴れ間

こんな晴れた日に消えたいなど、と考える君は、こんな晴れた日だからこそ、ゆるやかに死ぬよりは、いっそ一気に散った方が美しい的な希望的観測を歌い上げるカートのようだね、と涅槃で笑う君の足跡の自由が、銃刀法違反なんかで捕まる間に、曖昧にそぐう価値などが偶然を謳い、頑是がないような雰囲気を醸し出すが、頭の中では、構造的な悪魔を育てては、鬱屈としている昼下がり、この中途半端な暑さこそ、人を人では無くすのであ

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