マガジンのカバー画像

思想家の休日

1,380
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

無味乾燥

多種多様な者たちの愛や恋が枝分かれし、この超大な宇宙は形成されている、と白髪混じりのカラスが語る静謐な今朝、潔白なのは、生きとし生けるものすべてであるし、誰にも罪などはなく、罪とは裁くために作られたものであるし、悪も正義が利用するために作り出された代物であるし、代償がうんぬんとうるさくつきまとう蛆虫たちや、世論がなんだ、と胸ぐらを掴みかかるルサンチマンどもから離れ、ひとり恒常的な夢を見て、地獄の季

もっとみる

早まる明日

神々しく貪る何故、同等のものなど存在しない、と風、溶かされた日常をなつかしむツバメ、メタファーに鎮座し、擦り寄る夜風をフォーマットする刹那、なじる言葉の破片が突き刺さり、変化を厭うばかりの君がのさばる空間で裁かれるだけの観念を浪費する羊との戯れ、夕食にまたがるハーモニーや、悠遠にこしかけ、安直な夢とたそがれ、襤褸を着込んで、捕捉されるだけの君の季語と遊ばせる時折の青春に制限などなく、君との愛とは、

もっとみる
やわらかな身体

やわらかな身体

春に戯れるもののけたち、桃で出来た太陽や、体温すら柔らかい一日の始まり、唐突にぶつかる予感が刹那をかじり、臨月の山々が出迎える理想論なんかを読み漁る他者たちの相関、課せられた意識上の花を剪定する老婆の黄色いリボンをながめ、規約なんかを謳う君との契約上でしか結ばれない儀式的な制約により、この約束すら法的に加工され、意思を硬化させるだけに満たないような未来が嫌いになり、塗り替えられるだけの日々に保たれ

もっとみる

悲劇たちの墓場

死んだ思い出たちの墓場、ああなれば良かったとか、こうすれば良かったがすれ違う末路、悪態をつきながら、なあなあにふれあうだけの儀式的なものを捨て去り、去り行くままに気ままに通り過ぎていくものなどは、通り過ぎるためにあるものであり、そこにあるものすら不確かなものであるし、確かめる術すらなく、すべては無機質なものであるし、あらゆる変化を咎めるだけの、偏見などが横行して、横溢する罪がお家にまで入り込み、瞬

もっとみる

視線

悩みを押し上げるような春の気だるい陽気に苛まれる彼女が遡及する窮屈な事柄、怠惰な花粉によりグシュグシュになった鼻、赤々と実る鼻の先、耽溺する夢の後から生える裕福な面影に出す便りが、自分のもとに不在届として帰り続ける後から乖離していく君の支配的なノイズ、私は依然として超能動的でありたいのにも関わらず、所詮は情報のパブロフの犬であるし、口裏合わせるためのパズルに必死であるし、あらがうほどに食い込む苦痛

もっとみる
プラグイン

プラグイン

国のゆがみを治す整体師、空を汚し、晴れ間をたべる子供たちの楽園、絶え間ないものは、たゆんだままだし、リリカルな母親たちは、父親を捨てて、また新しい人と恋をしては、戦争みたいなセックスをして、紀元前からあふれていただけの物質を消費しながら、折檻みたいな愛に気がフレてしまい、バラバラになった精神を寄せ集めにしてもう一度つくりなおした身体は、幼気なフリをしているが、その実は内面から腐り切り、狂ってしまっ

もっとみる

たばねる

馳せる思いが重複し、今を詰まらせていく。世界はすばらしいということすら、誰もちゃんと教えないなら、卑屈な人間や、私のように理屈っぽい者を生産製造するのか、と擦り寄る価値が瞬く間に意識を奪い、今に膠着させ、何かに拘泥させる間に些細な出来事が旋回して、意識の上をグルグルと周る。あらゆる変化を恐れる鳥がついばむ記憶の残りカスが散らばる街角、加算する理由が灰に埋もれ、運命的なものを騙るような連中が仕向ける

もっとみる

余暇

言葉を相続する先、跡形もなく消え去った君の加減、豊かなのは、何もないことであるとか、あたかも答えのようなものを吐き出す君のよそよそしい態度に、散漫な精神は形式的なものに制限を加えられて、自分を嫌いに鳴るようなあたりから散らばるノスタルジーなものが降り注ぎ、そそくさと逃げ去る後には惨憺たるものがやってくると語るペシミストたちも、所詮はアナクロニズムだ、と排除されたことに対する原初的な怒りに呼び覚まさ

もっとみる

繁栄

書くことは止むことはないし、理により、病むことすらなくなる。あらゆる考えは波状に乗り、さらなる反響を与え、次々と共鳴し合う。あらゆる出来事がもたらす閉塞感は続くが、そのような閉塞感は外からの攻撃は強く、自らが苦しみを打破しないかぎりは、閉塞感は永続するし、ここでもたらすべき革命論に陽動され、あらゆる出来事を刷新し、新たな世界を作るためだ、と綺麗事を並べ、自らの行動を肯定するための戯言に参列する幽霊

もっとみる

春の虫

ほころびが生じると滅びる。すべてはそのような繰り返しの様相だ、と伝える情報が騒々しく、つたない競争の果てには、誰も幸せにならずに、幸せを求めるばかりで、求める幸せなどはもつれるばかりだし、惰性で引き伸ばされた命は言い訳がましく、加算される動機なんかが艱難辛苦に浸り、徒らに消費される日々に去り行く意味などが君を縛りつける間に打算的に消費される日々で強要されるものに押さえつけられては、その場で適応する

もっとみる

朝の匂い

思い出も潰えた爽やかな朝、嫋やかな愛を紡いで、野菜で出来た道を越えて、理論武装した人々の文言が降る未開発な町でノスタルジーの灰汁をすくい、人々をカットアップしては、失意を攪拌させた小説に閉じ込める雨に濡れ、二度とない今日が恐怖を生み出して、復古する面影からエクソダスする空の青さに震える猫が咥えたエビが跳ねる角度にこそ、宇宙の秘密の確信に迫る答えが詰まっているのか、と砂糖いっぱいのコーヒーの上を泳ぐ

もっとみる

共鳴

脱色した春を舞うつがいの鳥、この命の袂を分つものなどなく、ただひたすらに紡ぎ続けた先には永続されるものであふれ、大切な情報の核に住まう虫たちが育つ合間に、曖昧な今とは消費されるためだけに生産され、そこで精算されるものが、際限ない苦しみなどを持ち込み、痛みを分つなど、と謳う隙間に色彩は曖昧になる。欲望の逃走線を追う権力的な荘厳さに寄りかかる出自で決まる命の価値、オルタナティブな理論を組み立てるディス

もっとみる

かみつく

記憶にも残らない跡形に触れて、殺伐として物騒な日々にはびこるバビロン特有の悪意なんかが吐き出す屈折した思いが憎悪に変わり、延々と計算を続ける奴らのちぐはぐな論理に抱かれている彼女たちの挿入歌が降る夜、機械的な汗が愛を騙り、理性なんてないから制限ばかりを謳って、主観を取り違えるだけの君の歪な日々に模造される時折に病理なんかを生み出しては、絶え間ない痛みを補完するための空疎な身体が徒らに消費されて、区

もっとみる

集う

擦り寄る保身に寄りかかり、関わるすべてが誤魔化すだけの今に自覚するものなどのどれもが、何かの道具であるし、何かを信じていても、何かに利用されるばかりであるし、どれをとっても、似たような物であるし、何が必要かすらわからずに、偶像を携え、延々と放棄される主観がこじつけるものに横暴に支配され、おぼえもないままに物語に固執するような先々で破棄されるだけに至る自己が老いるなどという偶然とは、おぼろげなもので

もっとみる