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思想家の休日

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2021年1月の記事一覧

堕落

屈折した修練、命の隙間風、君が問う何故?が氾濫する世界を流浪する。たたずむ刹那を踏む音がアンニュイだね、とねじ伏せられた記憶を補完するために傍観する自らの不完全性に悲しむことはないし、誰もが何をしても改善されないことばかりであるし、私たちはとがめられ、あっちはおとがめなしとか、クソみたいだ、と未来を恨むばかりの君が禁忌なんかを持ち込んで、凡庸な価値に住まいを移して、奪い合うだけの忌々しい現在にあつ

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愉快

忘我に住まう言葉と遊ぶ、虚な季節を頬張るアンニュイな彼女の資本、耽溺する間に遡及される思いも、仄かな記憶を貪りながら、無作為に迫る所以に駆逐される。メランコリーな都会に降る雪のぬかるみ、命の速度について行かれずに、ただ過ぎ去る動機が凄まじい思いのなかで加速し続けることを傍観し続ける。無作為に斡旋される頬のこけた夜が森羅万象を食い尽くし、勿体ぶるだけの信仰や政府や、痩せ細った人々の蒸れた香りが、偽装

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蹂躙

卑屈な奴らはいくつになっても卑屈なままだし、自分を愛するが故に他者を愛せないような偏愛に留まるか、自分を愛するが故に、捨てられる恐怖により、他者を無惨に切り捨てる。人類に主義や思想を持つのは早すぎて、人類が成熟しない限りは持った理想や権力は、誤った力を引き出し、破壊の限りを尽くす。やがてやって来ない春に泣く君の姿や、憎しみを溜め込むが故にブクブクと太った連中が示唆する支配から逃れられず、諦観するに

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淵源

義務的な夜更けにたたずむ君の憧憬を映し出す映画館、かかずらう先に現れる不透明な結び目、無数の互換性により井蛙なままで受け入れる物事の苦痛、まじで君が幸せであるならば、それでOKではあるが、幸せなんてもの定理なんてないし、物事に基づく疎ましい現状なんかに絡まる意味合いが卑屈に噛み付く合間には、不安ばかりが迫り、あたかも幸せなような演技が独善的なものを提示し、幸せであることを強要するような幸せなどは、

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不具合

慈しむ思いもチクチク痛む。君たちはやられたことを簡単に忘れられるように仕組まれ、考えることをやめて、考えさせられてばかりいる人工的な闇を生成する街、あらゆる政治性な毒に汚された脳内で作成される湯船につかり、VRをかぶり、バーチャルな世界で幸せそうな感じを取り繕うクローンたち、このあやふやな世界で反乱を繰り返すバグたる革命軍は、延々と勝ち目のない戦争を続け、政権を奪取しても、次なる支配が同じ過ちか、

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空腹

あたり一面は冷徹な雪に覆われ、やけに白い部屋の暖炉からパチパチうなる火の音が跳ねる。デッカい冷蔵庫たる雪山、重たげな頭で注ぐウィスキーで喉が焼ける。辞めたはずのタバコに火をつけ、ゆらぐ脳内で再生されるデカダンス、不健康そうで不健全なことが、私たちからすれば健全であり、正しいものである、と勘違いしていた若気の至りすら、正しいと思えるような世界では、依然として正しさがなんであるかも理解できないでいるよ

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複製される日々

ゲームの中の世界を徘徊する犬、ふしだらな天候に左右される日々から去り行く孤独な恥部たる君が手繰り寄せる偶像、蓄積する可能性は、そこで可能であったことをネガティブに変換する連中の奴隷にカスタムされ、日夜怨嗟に震えているだけだし、だし抜けることで快楽へ、と導かれる資本主義的な飴と鞭に酔いしれ、画期的に便利な身体に改造され、解放されることなんかを望んで、おぞましい仕打ちを受けることで滅亡することを飲み込

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着の身着のまま

不潔で複雑で幼稚な恋の汚穢、サブスクされた愛の結末、結膜炎で充血したウサギのような目、部屋という国家には犬と猫と私が共存していて、外面だけ綺麗なプラスチックかなんかで出来ている世界では、自称裁判官な奴らが誰かを裁くために、粗探しばかりしている。いつもヘラヘラ笑っているし、陽気に歌を歌いながら部屋を徘徊してるし、頭の中では、リリカルなものでパーティーざんまいだし、惰性に突き抜ける冬が春を冷やさぬよう

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整合性

聖人など、どこにも見当たらないから、人間は、自らの外に神を作り出し、自らの罪などを昇華させるために、独善的な法を生み出し、自らの罪をごまかすために、誰かを裁き続ける。馬鹿のせいで滅びるとか叫ぶ私や君も馬鹿であるし、馬鹿だから、と貶めたりしている暇もないし、多目的な情報をあてもなくかいつばみ、あらがうこともしないで受け入れる情報を吐瀉することもできずに、ただ掃除機みたいに馬鹿でかい音を出しながら、吸

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制限などない

管理ばかりされてヘイトが溜まる身体、身体の中から空虚な革命が始まって、私たちの世界はだるんだるんになり、中弛みに吐き出される悪意で出来たネオン街、保険をかけられた身体は、まるで他者のようだ、と乖離していく彼女の承認欲求が暴走して、森羅万象を引き裂いたことにより、宇宙も終焉に向かうらしいと、それらしい文学的なフロンティアを形成する脳内では、エンドルフィンやドーパミンが大量に分泌され、それはまるで宇宙

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明るいだけの光り

孤独に殺められる事なく、孤独を突き破るような衝動により、覆い被さる死を乗り越える。ウォンカーウァイの映画みたいな恋、見せ物の彼女たちにも理由があるんだ、と語る君の承認欲求、ドクドク鳴る冬の心臓、伝説の象徴たる家々、お前たちの皮でできた悲しみのカーペット、互換性ばかりを求める機械的で簡易的な結婚に適合するための戦争、あらゆる悲劇のゆりかご、それを迎撃する爆撃機、地球を覆うバグたるウイルス、漠然と遡及

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もぬけのから

何もかもが馬鹿げているから健気にかなぐり捨て、自由に歌う君の尺度には神すら不必要で、卑屈になる暇もないから、買って気ままに偏りがあっても知らんぷりで、知ったことを、あたかも自分のことのように語る偽物たちの語り口に当たり散らす君すらも、不具合ばかりで、不潔極まりないし、ない物ねだりで、無くしたものを必死に探し回るほどに、見えにくくなり、醜いものばかりを、あたかも大切なもののように謳う連中が、宣伝する

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艶美

記憶の奥底で覚醒する饐えたムード、退廃的なジレンマが腐敗臭をまき散らす原理的な最深部、保たれる均等性も理論的な排外主義によりごみくずにされた過程に寄り掛かる君のいる町、端的な理想を述べる窮屈な君たちの親たちが監視するトラップにかかる動物たる私たちの規則に反して、ここでかかずらうほどにエモーショナルになっていくよろこびを敷衍させる。多目的に読み込まれた黙示録により、黒ずんだ世界、場違いなミリタリズム

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静謐な質量

地球をぐるぐると回る衛星が耐え難い痛みを吐き出す。チクチクする身体からは御霊が剥き出しになる。触れるとヒリヒリする身体からこぼれる散漫なエネルギーや、エントロピーや、ロジカルな情報や、口うるさい彼らのリピドーが降り注ぐ幼稚な大地が読み込むデータ、短絡的な消費衝動に苦しむ彼女たちの気まぐれ、暇を持て余す喜びを忘れ、吸い取られる時間との軋轢、画面を叩けば叩くほどに寂しくなる指先とあらゆる欠如を排熱する

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