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思想家の休日

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2020年12月の記事一覧

変身

太っちょのバビロン、融通なんて一切きかない代わりに誰にも従わないし、従わせるつもりなんかないし、ないものねだりでもない。ないものばかりであるし、なくしたものなど追いかけたくもないし、老いてくばかりだし、置いてけぼりでも構わないし、シンボリックなものを駆逐して、自らの真理と騙る数学的なものを脱ぎ捨て、指定され支配されるための時間から解き放たれ、永遠などを謳わずに、自らに帰り着く。そのような喜びだけで

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義理人情

つんざく冬の風、雪やコンコン霰やコンコンと嘆くスピーカーから感染するウィルス、擦り寄る世界の終わりと、無関心な若者と、無駄に年老いた者たちの集合体、この星の尺度が生み出す運命やらが支配する原理、偽装された真理すらあったかく感じるほどに孤独というものは、擦り寄るものを簡単に受け入れてしまい、退屈で体系化されたニセモノの神を崇めたりして、今の苦しみをごまかしたり、傲慢なままに混ざり合う忌々しい日々のオ

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痩せ細る思い出

死にかけの老婆のような椅子、シリアスな昨日をチクチクと縫う曲がった背中を見ている、と突然にゲシュタルト崩壊して、延命器具を外して、窓から飛び出して、もげかけの羽根をばたつかせ、はびこる悪意を乗り越え、死だけが自由を超越する先には、足枷となる生から離脱し、確かなものを創造する、と騙るペシミズムこそ乗り越え、超人として我々は許し生きるのだよ。生きているのも、また夢ではあるが、この瞬間に弾け、修羅をくぐ

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年の瀬の背中

リモコン爆弾を持った老人が時間から解き放たれて、人工衛星を破壊している。月では人工知能でうごくウサギが進化して筋骨隆々になっている始末やし、森羅万象を打ち砕くための壮大な宇宙論を構築する前に、宇宙と名付けられたものから離れて、この世界という過ちや絵空事を超越するべきやし、なんや胡散臭いもんが跳梁跋扈しよる世代間の倦怠感や嫌悪感みたいなんが、罪を騙るだけのネットワークや、虚栄や虚飾にまみれた写真の中

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号哭

痴呆に寄り添う猫、たわけを吐き出す弔いの生身、止めどない涙の後に補給される頼りない愛の和毛、泡立つ主観、モルタルまみれの小歌、ゴミを荒らすカラスを支配するシステムが云々とカタルシスに至るために敵意を剥き出しにする民たち、星を折る音、街のネオンが銀河みたいだ、と歌い出す毛皮を着た健気な君の脳内、重複する金属音に、アレルギーで震える君の永劫と刹那の合間から未だ会いたい、と叫ぶ余韻、あらゆる悲劇の参照を

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無辜

歯切れの悪い別れ話、悄然とした詩が降る夜、不確かな冬が涙に濡れ、願い事すら届かない暗鬱とした世界の制限を受け入れずに、世界中の誰もが咳き込み赤い目をして不安な日々を乗り越えるためだけに惰性に引き伸ばされる瞬間がカタルシスに至るために、君と愛し合ったような日々の間に生まれた諦観なんかを思い出し、その場で砕けた愛ですら今では温もりを感じる。形も無くなった僕らの夏とかが荘厳なものを運び出し、そこで吹く風

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鞘翅

未熟な言葉たちの腑を突く刹那、幼少期のプラグを外し、延々と聖域を破壊するヴァンダリズムに取り憑かれた輩が爬行する街、症状が夕焼けにより赤く染まり、多角的に世界を縁取る家庭的なモノグラムにより、理性は損なわれ、そこかしこで混濁する意識の火花が散り、粉塵爆発を引き起こす間から惰性に放たれることごとくの侵食から逃れるために退廃的な余韻がつぶさに与える影響の強度や、瞬く間に現れるもののサイクルに置いてけぼ

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結末はいつも暖かい

もう何年も孤独なクリスマスを過ごしている。いや、記念日なんてものは、ただ誰かが定め、決められた法や答えのようなまやかしに騙されている暇はない的な発想に寄りかかる、というより、あえて一人を選んで人生の難易度をあげている的な中二的な発想を堅持しながら、誇示する理由を深く掘り進んで、根っこにある矜持なんて引っこ抜いて、粉々になるまで踏みつけたいが、この孤独というものは依存度があるらしく、あてがわれた意味

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悠久

風に揺られ踊る洗濯物、すこしの物音でびっくりして逃げ出す猫、近付けばアイロニーや愛憎を撒き散らす女たちの虚像、裏切りや寒さが続く、決まりきったもののための奴隷とケモノとしたたかな屍の街、起業家たちが押し流す情報という快楽と、常套句と常套手段で誤魔化される日々とのわだかまりにより、破裂寸前の身体、こまかく見ればフラクタルな物である私たちの窮屈な憂鬱、包丁のトントンという音すら心を殴打するように感じら

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散布される愛

勝手気ままに愛を貪り、道理を捨てる。復元可能な愛が加速し、画期的な愛がもたらす真理以上のものを模倣するだけの人々が用いる正誤を蹴散らして、あやふやなままに愛するということが、このままならぬ現状を打破して、ただ愛するということの確かさに触れて、意思に枷を嵌めずに、誘われるままに引き摺られ、そこで愛によりカタルシスに至るための原理を弄り、遠ざかる理解が示す偏りや、リリカルな衝動性により消失していく先々

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ぐしゃぐしゃな結末

やさしいが故に世界を憎む君の末尾と密度、記号化された人類の経路を踏み荒らし、あらがう先に現れる物語を遂行しながら、曖昧な毎日を積み重ねる。応用される事実により高揚感は失われ、そこかしこで補足されるものに捕縛される。そこで苦しむだけの期限を通り越して、取り越し苦労に見舞われるだけの昼下がりに夢現な君の泡沫のセリフが貪婪に嬲る世界との乖離が広がり、理性もなく配布される結末のウイルスが理想郷などを打ち立

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ガリガリの身体

ゆらゆら揺らぐ魂、いつもみたいな君のやましい思い、物憂げな結末に降り注ぐ雨、鮮明な過去から生える花、憎しみをズボラに解消して、セオリーを打ち砕き、真理が寝静まる間に打ち出す真実の素因が印象的な答えを排出し、過去を連想させる安易な欠乏により熱暴走する理の暗い影、生きることに固執するほどに、この命に拘泥する余韻が参照するものが物語を恒常的に怖気付かせ、気ままに愛した今を虐げるだけの惰性な連中が汲み上げ

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機械的な飢渇

モノクロームな君の静謐な青春、粛清された街並みを再現する脳内ですれ違う純白な面影、迎合された罪をマイクロチップに埋め込んで、海馬で斡旋され、リバイバルされるシーンが毒する瞬間に、主観は歪んで行き、逸脱するほどにつたない罪を加速させ、懐疑的に至るほどに、カタルシスに至るまでは簡単で、消費的であるために、生産される意味を攪拌され、使い回されたボスを楽勝に倒しては、次のステージを勇足で進み、啜る意思が周

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名残り

君のワンルームから溢れる和音、野ざらしの記憶が見せる夢に捕食された後、あらがう先には不確かなものばかりが形成され、君の面影も瞬時に消え去るだけである。化学的な伴侶、あの時の燃えるような愛も、今となれば互いを思いやるというよりも、気持ち悪く感じてしまう怪訝な日々、星たちの言語が飛び交う部屋、奇跡ばかりで満ち満ちとしている大気、その場しのぎの詩が絵のようだね、と高鳴る鼓動と同化し、一巡する思いを従え、

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