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【活動報告】フェムテック振興議員連盟 第20回総会に出席しました(2024/03/28)

こんにちは。メディカル・フェムテック・コンソーシアム(MFC)事務局です。

2024年3月28日(木)に行われた「フェムテック振興議員連盟(以下、議連)」の第20回総会についてご報告いたします。

今回の総会では、

  1. フェムテック製品の販売における適正性を確保する施策

  2. 女性の健康研究ナショナルセンターにおけるフェムテックの振興につながる取組

  3. 女性の健康に関する労働損失の新しい推計結果

について、各省庁にヒアリングを行いました。


はじめに(会長・事務局長の挨拶)

冒頭に、議連会長である野田聖子議員から、ご挨拶と現在の課題について次のお話がありました。

関係者がテーマを持ち寄り議論するのが、この議連。

目下の懸念はサプリ(摂取による健康被害)。議連でもサプリを推進しようと思っていたが、昨今問題となってしまっている。フェムテックの領域でも一つでも質の悪い製品があると、全体がダメだという印象を持たれてしまうので、本日は製品の品質確保について施策を聴取したい。

また、経産省もフェムテックを進めることによる経済効果を出しているので、フェムテックの重要性を理解してより一層推進していきたい。海外ではフェムテックの普及が当たり前のことになっている。日本でも、女性活躍のために慎重さを残しつつ、守りに入らずメリハリをつけて推進していきたい


議連事務局長の宮路拓馬議員(左)と議連会長の野田聖子議員(右)

続いて、議連事務局長である宮路拓馬議員から、今回の総会について次のような説明がありました。

吸水ショーツにはクオリティを伴わないものもあると聞いている。悪貨が良貨を駆逐するようなことにならないようにしたい。

野田議員から経済的効果についても言及があったが、機会損失、医療負担が6,800億円近くあるという試算から議連が始まった。不妊や更年期などの損失についても経産省に改めて試算をしてもらったので、今回報告いただく。

ヒアリング

続いて、各関係省庁から以下の事項について説明がありました。

厚労省 厚生科学課

  • 薬機法制度

  • 各製品の自主基準等の策定状況

  • 「女性の健康」ナショナルセンター機能の構築


消費者庁 表示対策課

  • 景品表示法の概要

  • 景品表示法違反の事件処理手続


消費者庁 消費者政策課

  • 生理用品等に関する消費者生活相談の事例


経産省 ヘルスケア産業課

女性特有の健康課題に関する、

  • 経済的損失の試算

  • 職場における支援の状況

  • 従業員への支援策の必要性


経産省 経済社会政策室

  • 企業における女性登用の重要性


メディカル・フェムテック・コンソーシアム

MFCの青木勇気 常務理事から、下記について説明しました。

  • 「Femtech Tokyo」「Femtech Fes!」といった大型イベントと連携した、薬機法関連の啓発活動

  • イベントでの講演事例

  • セミナー・研修による啓発活動


日本航空株式会社(JAL) 政策業務部

また、事業者の取組事例として、日本航空株式会社様からfermata株式会社様と協力した従業員向けのフェムテック製品の展示イベントについて説明がありました。


出席議員からのコメント・質問

上記の説明に対し、出席議員から以下のようなコメントがありました。

宮路拓馬議員

「Femtech Tokyo」やショッピングサイトにおいて、効能効果を正しく提示していない商品が散見されており、都道府県の薬務課への報告はあるが、厚労省まで苦情が伝達されているものはあまりない、または把握していないという状況だと理解した。

消費者庁については、効能効果を不当に謳うケースについて、業者が自主的に削除しているということもあるだろうが、懸念しているほどそういった声が上がっていない、ということはよかった。引き続きウォッチしたい。

女性の健康ナショナルセンターについては、期待している。官民の協力が重要であると思うし、ナショナルセンター側においては待ちの姿勢ではなく、積極的にイノベーションを進めていってほしい。

経産省の試算について、更年期症状が一番大きいことがわかった。

Q:令和3年10月の吸水ショーツの通知後どのようになっているか。
A:【厚労省】個別の品目については回答しかねるが、開発中の品目もあると聞いている。

三原じゅん子議員

久しぶりに参加したが、いろいろなことが進んだと実感している。
経産省の試算について、男性と比べて女性の賃金が低いことを踏まえると、もっと損失があるんじゃないかとも考えられる。

小田原潔議員

最近、『存在しない女たち』と『バナナ、ビーチ、軍事基地』という2冊を読んだ。国家・産業・制度は、健康な男子が作っていて他の属性を無視している。建物などの設計段階で女性・妊婦・子ども・障害者の意見を聞くことがコスト面でも望ましい。

野田聖子議員

これまでは生理について議論できる男性が少なかった。生理そのものがネガティブにとらえられていたから。家父長制に基づくと、生理がない方が偉いということになる。日本の文化を改革していかないといけない。

そのためには、男性は、母の生理があったから今の自分が存在できているのだと認識してほしい。男性は毎日精子ができるが、女性は月に一回生理が来るもので、分母が異なる。

フェムテックの粗悪品について議論があったが、質の悪いフェムテック製品や企業は厳しく見ていかないといけない。フェムテックのイベントが隆盛だが、イベンター自体は専門性がなかったりする。イベントの質なども集中的に確認できるようにしないといけない。

たとえば、免税店にフェムテック製品を入れたりすることも考えていかなければいけない。

神田潤一議員

経産省の試算について、経済損失をはじいたのは大きい。ポジティブインパクトが1.1兆円とあるが、1.1兆円を実現するにはどのくらいコストをかけるべきか、などがわかると政策効果がより見えてくるのではないか。

経産省ヘルスケア産業課からの応答
1.1兆円は、プレゼンティーズムやアブセンティーズムが解消すると生まれる試算ということ。

なお、当日は島尻安伊子議員と堀内詔子議員も出席されていました。

次回の総会では、いよいよ更年期の悩みに関して議連の第3次提言書をとりまとめます。

最後までお読みいただきありがとうございました!


おわりに(MFCのご案内)

法人・個人とを問わず、フェムテック業界を盛り上げていきたい方、MFCの活動趣旨にご賛同・ご支援いただける方は、ぜひご入会をご検討ください!

また、取材や講演、医療監修などのご依頼や、ご入会に関するご相談・お問い合わせについても、下記URLからご連絡ください。
https://femtech.or.jp/inquiry/

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