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【活動報告】フェムテック振興議員連盟 第10回総会に出席しました(2022/02/24)

こんにちは。メディカル・フェムテック・コンソーシアム(MFC)事務局です。

今回は2022年2月24日に行われた、フェムテック振興議員連盟第10回総会への出席についてご報告させていただきます。

「フェムテック振興議員連盟」の第10回総会が開催され、MFCからも、松本理事長をはじめ、メンバーが出席しました。


一つ目の議題として、千葉工業大学変革センター長の伊藤穣一氏より、個人の健康データの適切な管理と、その下でのデータ活用についてお話いただきました。

データというもの全体の特性をお話いただいた上で、医療データ等について、匿名にしたとしても、その人に関する他の複数のデータと結びつけると、個人が特定されてしまう場合がありえます。

そこで最近話題になっている新しい技術として、プライバシー保護技術(PET)が注目されており、今回は4つの主なPETについてご紹介いただきました。

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この中でも、「確率的コンピューティング」について詳しくお話いただきました。

確率的コンピューティングは、データの分析を行う際、実際のデータを使う代わりに、実際には存在しないが、その集団に属する人々の特徴を備えている「合成データ」を作り、その合成データをモデルとして分析することによって、実際のデータを使った場合とほぼ同じ検証・分析をすることができるという技術です。

臨床試験モニタリングや、遺伝子組み換え、新型コロナウイルス、アンケート調査などの検証や分析が、個人のデータの漏えいを心配せずにできるとのことです。

今後は、合成データを作る技術を活用し、対象のデータが本当に匿名化されているかを検証できたり、モデルそのものを取引するマーケットが生まれたりする可能性についてもお話をいただきました。

また現在は、プライバシーを保護することと人工知能を活用することが対立しているが、PETなどの技術を理解した上で政策や法律を作ることができれば、プライバシーを保護しながら人工知能を活用するということができるようになるとのことでした。


その後、質問や意見交換が行われました。

フェムテックは、新しい分野であることに加え、プライバシーを守る必要性の高いデータを多く取り扱う分野なので、PETを導入しやすいという視点から、今後の展開について議論がなされました。

その中で、議連の会長を務める内閣府特命担当大臣の野田聖子議員からは、プライバシー保護とデータ開示のバランスの難しさに触れた上で、特にフェムテック分野において、きちんとコンセンサスを取り、これまで隠すべきとされてきた情報についても、プライバシーとのバランスを考慮しつつも、活用していくメリットがあるのではないかとお話しいただきました。


二つ目の議題として、内閣府より、当事者の健康課題への意識を高める取り組みについて説明がありました。内閣府の職員に対し、子宮頸がん検診、乳がん検診を受けられるような環境整備や、職員全体の理解を促進するための研修を実施していくとのことです。


最後に、議連の事務局長を務める宮路拓馬議員より、まず女性の健康に関するヘルスリテラシーを高めること、その先にデータをどう活用していくかということが課題であり、今後の取り組みについて提言の中でも示していきたいと総括いただきました。


過去のフェムテック振興議員連盟についての記事はこちら↓


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