燃え尽きた
後に私が恋愛依存症と自覚するまでに至る、共依存関係となる彼との出会いは突然だった。
高校1年生の春。
念願の志望校、着たかった制服、そして恋愛…!
と心躍らせるどこにでもいる高校生だった。
しかし、完全に燃え尽きていた。
中学で好きだった男の子がいた。人並みに告白してくれる男子はいたが、好きって何かもよくわかっておらず。付き合って振られる女子の話や男子の話を聴くたびに、「そんなの絶対無理」と思っていた。
「捨てられるくらいなら、最初から付き合いたくない」と思っていた。
しかし、好きになってしまった。
よりにもよって、友人の好きな人を。
はじめは、友人が好きな人について打ち明けてきた。
「しおりは同じクラスだから、何が好きか聞いてきてよ」
そんな感じで、どこか髪色が天然の茶色で、きれいな二重の彼に質問した。
「え?なんでそんなこと聞くの?」と聞かれ、
「いや、ちょっと聞いてみただけだよ」
といったやり取りをたま~にする感じのクラスメイト。
2年間同じクラスで過ごし、中学最後のバレンタインの時がきた。
私は、自分の気持ちを正直に認めることが怖くなっていた。
「友人の友だちを好きになっちゃいけない」
その思いで、自分の気持ちをごまかして友人の恋を応援した。
友人は本気の告白を決意し、彼と付き合うことになった。
私はいつもその友人と帰っていたが、一人で帰るようになった。
「これで良かったんだ」と必死で言い聞かせていた。
彼も彼女も幸せなら、私も高校でいい人と出会えるかもしれない。
しかし、心を揺さぶる出来事が起こる。
なぜか、彼が私の近くに座ろうとしてきた。
なぜか、私のことを見ている…?
なぜか、他の男子が来ると、あっち行けと言っている。
なぜか、消しゴムが私のほうへ何度も転がってくる
嬉しいやら、恥ずかしいやら、怖いやら、どうしていいかわからない。
でも、ドキドキする。
そんな思わせぶりな態度のあと、彼は友人と別れることになった。
え?
なんで?
友人を慰めながら、自分の気持ちに罪悪感を感じていた。
自分の気持ちに向き合うことに耐えかねて、
「友人と付き合っているのに、他の女にアピールするような人なんだ」
と思うようにしていた。
友人にも打ち明けられず、卒業まで本当に苦しい日々を過ごした。
当然、彼にも気持ちを打ち明けることはなかった。
おかげでニキビがこれでもかとできて最悪な気分だった。
そして、卒業後に友人に自分の気持ちを打ち明けて、謝った。
今まで我慢してきた分、涙が溢れてきてうまく話せたか覚えていない。
友人は「なんとなく、分かっていたよ。話してくれてありがとう」
その言葉を聞いて、余計に涙が止まらなくなった。
狙っていた志望校には、成績が全く追いついていなかったが、試験前のラストスパートでなんとかギリギリ入った高校だった。
勉強も恋も
「終わったーーー」
という感じで、
完全に燃え尽きていた。
何もやる気が起きず、期待していたような高校生活とは程遠いような男子メンバーで(失礼すぎる)、恋が始まる気配もなく、完全にバーンアウト。
友人と例の彼は、同じ高校に進んだ。
私も行きたいなとも思ったが、制服が好きじゃなかったことと、友人も同じ高校じゃ付き合うことになったとしても気まずいな…など理由をあげて、少し自分にとって背伸びした高校を選んだ。
ケガのため、ずっとやっていたバスケも続けられなくなっていた。
やりたい部活もない。
やりたいこともない。
同じ中学からの友だちは3人しかおらず、クラスも離れてあまり話せる人がいない。
どうしよう…本当につまらない。
そして私には、この燃え尽きた出来事の背景には、もう一つの問題があった。
兄の家庭内暴力である。
この話の続きは、エピソード2で。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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