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4年に1度 それぞれの『ひゃくえむ。』 人生でそれだけ懸けられるものがあるって素敵やん Paris2024

芸術の都 Paris で開催されているオリンピック

行ってみたいよ Paris
生で見てみたいよ Olympic

4年に一度開催されるこの祭典が私は大好きだ。

普段あまり見ることのできない競技が映像で配信されるし、
その日、その瞬間のために全てを注ぎ込んできた選手の姿が見られるから。

勝敗なんて関係ないのだ。

でも、勝利して歓喜し、敗北して涙する姿を見ると
その裏にどれだけの努力、重圧、思いがあったのかと
偉そうに 勝手に 想像する。

分かるわけなどない とは思う。
多分、同じ競技をする選手たちにもお互いの思いなど分かりようがないのだと思う。

それでも勝手に想像してしまう。
どれだけの思いがあったのかと。


そんな時にいつも思い浮かぶ漫画がある。
『ひゃくえむ。』

『チ。―地球の運動についてー』の魚豊さんの連載デビュー作だ。

「100m走」というとんでもなく短い距離、そして、わずか数秒
に魅せられた人間たちの姿を描いた青春譚

なのだが
圧倒的なヒーローも超人も出てこない。
登場するのは、100m走に全身全霊を傾けつつも
なぜ走るのか、なぜ勝負するのか、なぜ生きているのか
悩み苦しむ「人間」ばかり。

登場人物が悩み、苦しむ「人間」だからこそ
読者は彼らの誰かに感情移入してしまう。

たった100m、わずか数秒

そこにどれだけの
希望 失望 栄光 挫折 疲労 満足 焦燥 達成 喜怒哀楽
があるのか、登場人物たちは読者に想像させてくれる。

そして
それだけ全身全霊をかけて挑める何かを人生で得られた人々に
きっと読者は心から羨望する。


書物は
多分、自分には見ることができない景色を疑似体験や、想像させてくれるツールだと思う。

『ひゃくえむ。』
はまさにそのベストツールだ。


何度も書くが
分かるわけないのだ
選手たちの思いは。

知ってみたい気はする。
経験してみたい気もする。

でも
どれだけ努力をしても
こればかりは多分無理な話なのだ。


それでも想像することはできる。


その一瞬にどれだけの喜怒哀楽が詰め込まれているのか。

だからこそ、私たちは
少なくとも私は
オリンピック・パラリンピックを見て、
感動してしまうのだろう。

そして偉そうにも 
悔いのないように頑張ってほしいなぁ
と深夜のクーラーの効いた涼しい部屋で膝を抱えて映像を凝視し、
近所迷惑にならない程度に喜んだり、涙したりしてしまう。

世界と戦う選手たち
眠気と戦う私たち

日本から勝手に生意気に応援させてもらいます。

みんな 頑張れ!!


【参考】
・魚豊 『ひゃくえむ。』 新装版 上下 講談社

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