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夏休み中、不登校気味の子どもが再登校するために努力の日々

子どもが不登校になると、親が体調を崩していくケースをよく聞きます。
私も例外ではなく、息子が小学1年生で不登校になった当初は体調を崩していました。

前回までの記事🔽

体調がやっと良くなってくると、今度は努力の日々のスタートです。


原因不明の高熱40℃を乗り越えたと思ったら

前回の記事にも書いたとおり、突然の発熱から数日すると2週間めまいに襲われました。
目を開けただけで、世界がグルグルと回ります。
気持ちが悪くて、吐き気が止まりません。
歩くなんてもってのほか。
布団の中で吐き気と闘っていました。

息子は当時6歳。
まだまだ親と遊びたい時期です。
しかも「分離不安」といって、私から離れて遊びに行けない。
玄関を出て外で遊ぶことも出来ないので、部屋の中に居るしかありません。

息子の分離不安

この時の分離不安は、学校に行けないことが引き金になって起こっていました。
子どもにとって学校へ行っていないということは、大きな大きな不安材料です。
何か悪いことをしているような、サボっているような、そんな気持ちもあると思います。
実際はサボっているわけではなく「行けない」わけですが、子どもが「行きたくない」と意思表明するには、崖から飛び降りるほどの勇気と恐怖です。

それを行動で「行かない」と表明して不登校になっているのですから、それは不安に違いありません。
親に傍にいてほしいのも当然のことです。
それを堅苦しく言うと「分離不安」という表現になります。

なんとか安心させて、学校へ戻れるようにするには?

やっとめまいが治り、家事ができるようになっていきましたが、心は登校への不安でいっぱいです。

このころの私は、いわゆる「不登校解決本」といわれるものを読み漁っていました。
あと心理学の本。
心理に関しては仕事の上でも役立つことだったので、元々勉強はしていました。
しかし今回の真剣さといったら、その比ではありません。
なにしろ学校へこのまま行けないとすると、息子の人生は酷いものになってしまうと心底思っていたからです。

学校を「休む」のはいい。

だけどずっと「行けない」のは困る。

こんな些細な、言葉の微妙な違いがとても切実でした。

そこで不登校の親のほとんどが、いいえ、誰しもが手にするのが「不登校解決本」ではないでしょうか。
本でなくともネットでもいいし、セミナーでもいいし、とにかく藁にもすがる思いで探します。

私が手に取った本に書いてあったことは

「子どもが起きたら、すぐに褒めましょう」「1日〇〇回褒めましょう」

でした。

不登校になる子どもは、心のコップの水(=エネルギー)が半分以下なので、とにかく褒めて水を満タンにすると良い、ということでした。
しかも満タンの状態になっても、不登校の子どもはすぐに水が減っていってしまう。
なのでいつもお水を補充していかなければならない、というようなことが書いてありました。

これ、結構大変なんですよ。

私はよく褒めているつもりだったし、そんなに怒る方ではありませんでした。
子育てしてきてイライラすることがほとんどなかった。
そんな私でも、回数をカウントしながら褒めていくことは難しかったのです。

まず、起きてすぐに褒める時は


「 今日も起きてきてくれて、アリガトウ💕 」


と言いながら、抱きしめて褒めます。

これを毎日続けるのです。

もちろんやりました。

そして「20個以上」は褒めなくてはならない。

たかが20個と思われるかもしれませんが、やってみると四六時中褒めることを探している感覚です。
いつも子どもに目を向けていると病んでくるので、料理を作ってみたり、テレビを観てみたり。
そんなことをしていると、ノルマの「20」は全くクリアできないのです。

心のどこかでは「わざとらしくないか…???」という疑念もあるゆえに、褒めるところを選んでしまう。
なので、余計に疲れてくるんですよね。

秘策の成果は

「20個褒める」をされている当の本人はというと、すごく喜んで勇気づけられていた!!!

・・・ということもなく 「 あー、うん 」 程度でした。
この反応もまた、一生懸命褒めるところを探しているこちらの意欲を下げます。
元気が出てきているのか出てきていないのか、いまひとつ分からない。

仕事は不登校への配慮から、運良く在宅就労に切り替えることが出来ていました。
それでも「週に1日は出勤する」という制約があります。
子どもを連れて出勤しても、正直全く仕事がはかどらない。
息子がジッとしていないことに腹が立ってきます。
「ここに大人しく座っていて!」と、褒めるどころか注意することが増えていきます。

1人になれる時間がなく、子どもと四六時中離れられないことだけでも苦痛です。
それに加えて努力も報われない。
心の中はストレスで一杯でした。

努力しても努力しても成果の出ない日々に疲れていく

よく「家事は目に見える評価がない」と言われます。
それと同じかどうかは測れませんが「学校へ行ってくれる」という目に見える成果が出ないことに焦り、苦痛を感じていきます。

そして夏休みは周りの子どもたちも休んでいるので、私の気持ちにも余裕や安堵感がありました。
それが夏休みが明けると一変します。
夏休み明けも行かない気がしていましたが、実際に行かないのを見るのはまるで心理状態が違うのです。

そして私は、この「不登校解決本の秘策」以外にも、息子が夏休み明けの学校へ行けるようにと外界や人との関りを持つようにしていました。

● お祭り → 人混みが怖くて楽しめない
● 近所のおうちにお泊り → 以前は喜んでいたのに「泊まれないかも」と自信なさげ
● 大学のゼミ主催の寺子屋塾 → 勉強したくないから本人が困る

このように努力に努力を重ねてきたにもかかわらず成果が出ないため、私の秘策へのやる気は下降するばかりでした。


あーーーーーー、もうやだ。


長い1日が終わると、疲労感でいっぱいです。

活発で元気に飛び回っていた息子のイメージが、その頃には「何事にも怯えて尻込みする息子」と変化していました。
ほんの2ヶ月前までと、まったくイメージが変わってしまったのです。
可愛くて可愛くて仕方がなかったのに、全然そんな風に思えない。
赤ちゃんの頃、どんなにぐずっても腹が立たなかった。
電車から降りても帰りたくなくて、駅構内で泣き喚いても「わかったわかった」と、いつまででも待てたのに。
一緒に遊ぶことが楽しくて仕方がなかったはずが、同じ空間に居るだけでストレスが溜まっていく。
この自分の心の変化は、どう考えても息子が学校へ行かなくなったことが原因です。

子どもへの認識がすっかり変わってしまった自分に驚き「こんなことってあるんだな」と、子育てへの自信がみるみるうちに小さくなっていきました。

どこで間違っちゃったんだろ・・・


この秘策は、少なくとも私には合わなかったようです。

夏休みが明けたある日

夏休みが明けて2週間ほど経ちました。
秘策は私の精神衛生上良くなかったので、すでにやめていました。

途方に暮れつつ、息子に「そろそろ学校へ行ってみない?」と、力なく聞いてみました。

すると息子は

「 うん 」

と、言ったのです。


最後までお読み下さってありがとうございました。
続きは、人生で1番辛かった経験「母子登校」に続いていきます。
またぜひお立ち寄りください♪

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