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不登校の子が通信制高校へ行くために、どのくらい勉強しておけば良いか【後編】

前編からの続きです。


いざ学校見学へ出発

私たち親子は「学校説明会」という大々的なものではなく、通信制高校へ直接電話して個人で予約しました。
大勢の人が居たら行かなくなるかもしれないし、個人的に行った方が落ち着いて話が聞けるかと思ったからです。
とはいえ、私は「本当に見学行けるのかな…」という一抹の心配はありました。

見学当日、どん底に暗い表情の息子が「行きたくないな…」と言いながら、のっそり自室から穴熊のように出てきました。
いつものパターンに「(出た出た…)」と思いながらも「ほれ、行くぞ」と声をかけて、学校まで自転車で向かいます。
電車に乗りたくないと言うのです。
自転車なら30分、電車に乗る時間はたった4分間なんですけど!

これも不登校アルアルではないでしょうか。
こんなに便利な世の中なのに、交通手段は電車以外。
狭い空間に人が居るのが嫌だとか、ホームで待っているのが苦痛だとか、駅に向かうまでの道のりでゲンナリするとか。
こちらは、もういい加減にしてくれよ…と思いますが仕方がない。
車がなければ、歩く確率は低いので自転車ですよね。

学校に到着

自転車で走っていても、すぐに私から後ろへ遠ざかってしまう息子。
漕ぐのおそっ!
行きたくない表れです。

学校に着くと、担当の先生から真っ白なA4用紙を渡され「すぐに来るから、住所と名前を書いておいてね」と言われます。
ペンを持ったまま固まる息子。
そして固まった息子を見て固まる私。


か、書けねぇ…


と、親子して心の中で同じことを思いました。

そもそも住所を知っているかも怪しい。
住所と名前を書く練習のためにと、郵便局でお年玉の貯金をおろさせたりしていたけど身になってなかったようです。

自分の住所と名前を書けなかった息子

戻ってきた先生は、そんな息子の様子を見て「あれ?もしなんだったら、お母様が書いてくださっても良いですよ」と言ってくれました。
もちろん母は書きます、書いてみせます!

先生が「字を書くのは苦手?」と聞くと、息子は「はい…学校行ってなかったんで…」と俯いたまま。
先生は「そっか」と言い「勉強だけじゃなくて、ゲームやったりもするのよ。ゲームはする?」と息子に話しかけます。
息子は「はい、よくやります」と答え、先生は「何やるの?」など会話が弾むように息子の興味のありそうなことを聞いてくれます。
やっと息子から笑顔が出てきたのを覚えています。

受験に向けて、どこまで勉強しておけばいいのか

先生は、息子と私の1番気になることを話し始めます。


「 入学の筆記試験はありません。面接に来てくれたら、よほどのことがない限り入学できます 」


一気に安堵した私。
そして無表情な息子。
「筆記試験」という意味が分からないのでは!?ハハハハハハハハ…

息子は「テストないんですか?」と質問していました。
先生は「うん、ないよ。キミと同じ不登校の子もたくさん来るの。来る時間も帰る時間も自分で決めていいんだよ。それとね、もし隣の子が勉強を分からなそうにしていても、キミは教えてあげなくていいからね。先生たちはちゃんと1人1人のことを見ていて、気が付くから大丈夫。自分の勉強をしていればいいからね。自分が分からないことがあれば、すぐに質問してね」と丁寧に説明してくれました。
なんと心強い。
感動で涙があふれそうでした。

ちなみに息子が入学した通信制高校は、勉強のサポートもしてくれるシステムです。
もし学習サポートがセットになっていない学校の場合は、別にサポート校というものが存在しますので安心です。
詳しくは学校に問い合わせてみると良いですね。

入学する前にしておいた方が良い勉強は?

「質問があればどうぞ」と、私に投げかけてくれたので「入学する前にどこまでできておくと良いのでしょうか?」と聞いてみました。

・小学校2年生までの読み書き
・足し算、引き算
・できれば簡単な掛け算
・さらにできれば簡単な割り算

ができていると、学習を進めるのに楽だとのことでした。
読めないと、それを解読するのにも時間がかかりますもんね。
しかし、これらが出来ていなくてももちろん入学できます。

ご安心ください

ということで、中学2年生のこの時点で息子ができていた学習内容は

・ひらがなとカタカナが読める
・漢字は大体読める
・ひらがなは書ける「かも」しれない
・たまにひらがなを鏡文字(裏っ返しの字)で書く
・足し算引き算はまぁまぁできる
  ※ひっ算は怪しい
・九九は怪しい部分がある
・割り算はさらに怪しい(でも好き♡)

といったところでした。

ただし、お子さんが「オレ、官僚になりたい!」と切望している場合は、これでは難しいですね。
学習指導要領を網羅するには相当な努力を必要としますので、その辺りは気を付けた方が良い点です。
お子様にご確認ください。

そして息子は目標ができるといなや、小学生のドリルを必死でやり始めたのです。

進学についてやらなくて良いこと3選

「やった方が良いこと」ってありますよね。
しかし「やらなくて良いこと」を知っておいた方が落とし込みやすいかもしれません。
やった方が良いことは、時として「やらねばならないこと」「やるべきこと」と、自分で追い込んでしまうことがあります。

・子どもにプレッシャーをかけなくて良い
・子ども自身の焦りをなんとかしようと思わなくて良い
・子どもの将来を考えに考えなくて良い

が、私の思う「進学の時、親がしなくて良いこと」です。
気持ちを無理やりポジティブにする必要もなく、入学の条件を淡々と調べてみることかなと思います。
前編でもふれたように、通信制の高校にはいろいろなカラーや単位取得の条件があります。
そちらをよく調べてみると意外な面白さも発見できます。

今後の通信制高校の記事では、校内の雰囲気にもふれていきます。
最後までお読み下さってありがとうございました。


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