上野 真弓

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北斎さらやしき目付字

1ま~い、2ま~い、3ま~い、・・・ 8ま~い、9ま~い、 ギャー、1まい足りない!!! あら、みなさま、こんにちは。 わたしは女中のお菊と申します。 わたしは、ご主人様の大切な10枚そろいのお皿を 1まい、割ってしまったのでございます。 そのおとがめで井戸に放り込まれてしまいました。 それからというもの、わたしは、すすりなくような声で 夜な夜な、1ま~い、2ま~い、とお皿を数えたので ございます。その声を聞いた人々は、みなおそれおののいて 一目散に逃げかえるのでございます

    • 目付字(めつけじ)物語

       今からさかのぼること550年前、時代は室町時代でございます。 公家、三条西実隆(さんじょうにしさねたか)(1455年~1537年没)の20歳の時の日記に初めて目付字という文字が出てまいります。 なんと実隆は目付字を御所で販売していたようです。 そもそも目付字とは何か? それでは図をご覧ください。 「いろはにほへとちりぬるおわか・・・」ここに31文字がございます。 その中から相手に好きな文字をひとつ心に念じてもらい、それを当てて見せるというお遊びでございます。 それでは、

    北斎さらやしき目付字