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合理性と倫理観、そしてトロッコ問題

こんにちは。畑中です。


人は生きていくうえで様々な選択をしていきますが、何かを選ぼうと思ったら他の何かを横に置いたりあきらめたりしなくてはならないことがあると思います。


よく映画や漫画の中でも、世界中の人々を救うために主人公や仲間たちが命を懸けたり、大切な人を失うことと世界中の人々の命を天秤にかけたりする描写がありますよね。

彼らは何を選択することが合理的なのか、または何かしら本人にとって一番大切な判断基準に基づいて選択をしているかと思います。


こういった選択の話をしていると学生の頃に習った「トロッコ問題」という倫理学の思考実験を思い出します。
どういったものかというと、

トロッコの線路上に5人の作業員が動けない状態になっている。そこにトロッコが走ってきていて、このままでは作業員たちは撥ねられてしまう。
あなたはそのトロッコの進路を変えるポイントのそばにいて、5人を救うことができる立場にあるが、進路を変えた先には別の作業員が1人で動けなくなっている。
進路を変えたらその人が代わりに犠牲になってしまうだろう。
あなたはトロッコの進路を変えるだろうか?


といったものです。


合理性や倫理観が問われる難しい問題ですが、この問題では人はトロッコの進路を変えて1人を犠牲に5人を救う選択をしがちのようです。

懸かっているのが人の命だと当たり前に判断が鈍りますが、この問題で懸かっているのが人の命ではなくリンゴだと考えると1個を犠牲に5個のリンゴを選択するのは考えやすいと思います。

この実験には条件を変えた他の問題もあって、

トロッコの線路上に5人の作業員が動けない状態になっている。
そこにトロッコが突っ込んできていて、このままでは作業員たちが撥ねられてしまう。
あなたはそのトロッコが通る線路にかかった高架の上にいて、5人の作業員に危機が迫っているのが見えている。
あなたのそばには丸々と太った男性がおり、その人を高架から線路に落とせばトロッコは止まるだろう。
あなたはその太った男性を高架から突き落とすだろうか?


というものです。

これに関して、人はその太った男性を突き落とすことはしない選択をするようです。


トロッコの進路を変えるのか、人を突き落としてトロッコを止めるのか、いずれにしても『5人の作業員を助けるために1人を犠牲にする』ということに変わりはないものの、“自分が直接的にその結果に関係するかどうか”によって選択が分かれるようです。



もちろんですが、これらの問題に正解はなく、人によって考え方が異なって多様性が窺える問題となっています。


『倫理的ジレンマ』と呼ぶこともありますが、非常に選択が難しいものだと思います。

合理性に偏りすぎると選択がドライに感じることもありますし、同調圧力の強い日本ではなかなかドライに合理的な判断を下せないようなこともあると思います。

また、『最大多数の最大幸福』を目指すことが良いと言ったりもしますが、これはなかなか合理的な考え方に寄っているようにも感じます。

むしろ選択しない、回答しないという選択肢もあるのではないかとも感じますし、場合によってはそれが正解にもなるのではないでしょうか。


横道に逸れる上に全く関係のない話ですが、小さいころポケモン緑をしていた際に最初博士から3匹のポケモンから1匹を選択して最初のパートナーとするのですが、優柔不断すぎて全然選べなかった覚えがあります!笑
さらに、そのあと出たピカチュウバージョンでは、冒険の途中で緑バージョンで最初にもらえるポケモンをすべてゲットことができて感動しました!笑



話を戻しますが、トロッコ問題はあくまで机上の実験のため、
あなたの行動に法的な責任は問われない、この問題の登場人物にあなたの関係者はいない、その場は誰にも見られていないものとする。
などといった前提となる条件があります。

ただ、実際に現実でこういった問題が発生した場合には、自分の大切な人がいればその人を守るための選択をするかもしれませんし、自身が法を犯してまでその選択をするのかということに自信が持てなくなることもあるかと思います。

個人的な結論にはなりますが、これらの問題は実際に起こってみないと選択はできないものなのかもしれません。


近年は自動運転技術も発達してきています。
AIは常に正しい行動をとろうとするかと思いますが、トロッコ問題に近い状況になったらどうするのでしょうか。

例えば、車に乗っている人数とこのままでは轢いてしまう人数が同じで、優先されるのは車に乗っている人なのか、轢かれそうになっている人なのか。


机上の問題であれば選択をしないという選択もできるかと思いますが、現実で起こったらそうはいかなくなります。
そういった問題に直面した時にAIがどういった選択をするのか非常に気になります。

今後もトロッコ問題については議論が交わされていくではないかと思います。

長くなりましたが読んでいただき感謝です♪

畑中勇人

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